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週末論

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服好きのキツネが、ひとりで、たまに友人たちと、週末を楽しくこだわる物語です。 毎週末くらいに更新。
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2021年1月の記事一覧

週末論(16) トークインクローゼット

 ファッションとは、ひいてはあらゆる物事は、こだわりと挑戦の繰り返しのように思えるのです。結局は楽しめるかどうかなのだから、あらゆることに自分ならばどんなこだわりを持って向き合うだろうかと考えます。それが他人からしたら下らないと思われることでも構わないし、「こだわらない」という選択もある種のこだわりともいえます。  しかし、こだわりだけでがんじがらめになるのもいけません。自分に似合うものを常々アップデートしてゆくほうがきっと楽しい。適度に挑戦をすることで、

週末論(15) インクブルーと朝

 早起きが苦手なせいか、ひときわ朝という時間を特別に感じてしまいます。それも、仕事でもないのに早起きした週末の休日の朝なんか、得体の知れぬ神聖ささえ感じるほどです。  ですが、いくら朝に憧れたところで早起きが苦手なのは変わりません。早起きの気持ち良さと、二度寝の気持ち良さが戦うものの、なかなか早起きは勝てず、結局 二度寝の連勝記録が伸びてゆくのです。  みなさまも、良い朝を、そして良い週末を。

週末論(14) 薄紅の秋の実に

 何かに興味を持つきっかけ、そんなものはどうでもよくって、おしゃれなんて特にそうかもしれません。誰かに好かれたくて漁り始めた服が、いつしか自分のための服になり、暮らしの根幹になってゆく。そうやって好きなもの、自分に合っているものは変化してゆくのだと思います。  それでは、良い週末を。 * * *

週末論(13) 冷たい手

 大事にしていたものを失くした経験は誰しもあるかと思います。お気に入りだったものほど、その悲しみは深いです。著者がレザーのグローブを失くしたときは、自らを強く責めました。なぜ、もう少し気をつけていなかったのかと。その戒めとして翌年、この北海道の冬を手袋ナシで過ごしました。  そんなさなか、大切にしていたパスケースも失くしたというのはまた別のお話。不注意の落とし物には十分気をつけて、良い週末を。

週末論(12) ニュー・イヤーズ・デイ

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。  さて、週末論は「論」と名がつくくらいですから何かを論じているわけで、フィクションとエッセイの狭間で著者自身の感覚が反映されています。著者は今まで、自らのあらゆる作品に個人的な考えやパーソナルな部分を一切いれないよう作っていました。しかし、昨年からこの週末論を描くことで、初めて自分の感覚や好きなもの、世界観を述べるという経験をしています。そして、その経験を通じて誰かと好きなものを共有できる大切さを少しずつ実