テストアイテムとはなんなのかを理解するまでのまわりくどい話
同僚たちと『ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版』を読んでて、わりと調子よく読み進めていていたんですが、「1.4.2 テストの活動とタスク > テスト分析」で躓きました。
いままでとは打って変わって「わからない」「難しい」という声が上がったんで、調査し、考えて、同僚に説明してみたらわかったっていってくれました。これはその記録です。誰かの役に立ってくれ。
躓いた箇所はいくつかあったんですが、ひとつずつ取り上げていきます。今回は「テストアイテム」です。
テストの部屋、黒柳テストです
概要
「1.4.2 テストの活動とタスク > テスト分析」の小見出し、
テストベースとテストアイテムを評価して、様々な種類の欠陥を識別する
(『ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版』p.41)
このテストアイテムってなんなのか良くわからないので、調査して、考えてみました。結論は「テストアイテム」を「テスト対象の各機能」に置き換えて
テストベースと、テスト対象の各機能を評価して、様々な種類の欠陥を識別する
としたら分かりやすかった、以上。というものです。
ここから先は「テストアイテム」を「テスト対象の各機能」に置き換えるまでの過程を説明します。説明のながれは「定義 」「 具体化」「 抽象化」「結論」となります。まわりくどいので興味ある人だけ読めば良いと思います。
定義
ISTQB Glossary を参照してみると、「テストアイテム」の定義は「テスト対象の一部」でした。
テストアイテム (test item)
テストプロセスで使用するテスト対象の一部。
(ISTQB Glossary > テストアイテム)
であれば、元の文の「テストアイテム」を「テスト対象の一部」に置き換えてみるとわかるのか?
テストベースとテスト対象の一部を評価して、様々な種類の欠陥を識別する
って、一部ってなんね?余計わからなくなったんで、いったん置いときます。
具体化
改めて「テストアイテム」で検索してみたら、テストアイテムとは「インクジェット複合機」における「コピー」ではなく「もっと小さいくくり」の「拡大/縮小機能や両面コピー(など)」だよ、と書いてあるブログを見つけました。(引用許可をお願い中です。許可を頂いたらリンクを貼ります)。
その理解でよいのか?と思いつつ、シラバスの英語版みたら
Evaluating the test basis and test items to identify defects of various types
(ISTQB CTFL Syllabus 2018 V3.1)
items と複数形でした。複数形なのは「拡大/縮小機能や両面コピー(など)」と一致してるんで、この理解で良いかもと思えてきました。まとめると、
テストアイテムってのはいくつもあって、複合機でいうと「拡大/縮小機能や両面コピー」とかの小さいくくりのもの
だと。
理解に近づいた気がしますがどうでしょうか?理解に近づいたということで話を進めます。
抽象化
前段のまとめであるこの文、
テストアイテムってのはいくつもあって、複合機でいうと「拡大/縮小機能や両面コピー」とかの小さいくくりのもの
の「複合機でいうと~」を抽象化すると、
テスト対象の小さい機能の集まり
ってことでよくないですか?もっと平たく言いかえると
テスト対象の小さい各機能
ってこと、あと「小さい」ってのも相対的な話なんで
テスト対象の各機能
でよくないですか?
結論
以上を踏まえて、元の文のテストアイテムを「テスト対象の各機能」に置き換えると、
テストベースと、テスト対象の各機能を評価して、様々な種類の欠陥を識別する
これでだいぶわかりやすくなったと思いませんか?
まだわかってなかった
同僚たちは、わかった🎉って言ったその直後に、新しい疑問があると言いました。この箇所です。
「例えばテストアイテムのソフトウェアライセンスの購入待ちだったり」(p.52)
テストアイテム(=テスト対象の各機能)のライセンスの購入?あぁ、これは、確かに、、、よくわからない、、、
この件については、また読み解いてみます。以上、テストの部屋、黒柳テストでした。
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