見出し画像

クリスマスの夜に

クリスマスなんて嫌いだ。

イブも含めてなんで2日もあるんだ。

「俺はクリスチャンじゃないので、クリスマスは関係ないっすね」と言ってたバイト君は、すでにタイニーな彼女がいる。クリスマスを楽しみにしてることが周囲にバレたら、一気に孤立する気がする。クリスマスなのに、必要以上に浮かれてはいけない。通夜のように、厳かに過ごさないとならない。

というのが、私のクリスマスのイメージ。クリスマスは勿論、イブも合わせて仕事なんですけどね。しかも遅番。帰りが恋人たちでごった返しそうな時間帯。

私の住む町は、歩いて5分したらまるで線でも引いたかのように一気に人や店がわーっとなる。行きは何とも感じないが、帰りは、同じ仕事帰りでくたくったになった背中がぽつりぽつりと見える。みんなで同じ方向を向かっているから不思議ったらこの上ない。私の町の人たちは、同じ店に行き、同じものを買って、同じような時間に帰っていく。けれども頭の中は違うことを考えている。すごく不思議な町でもある。

久しぶりにnoteを更新し始めたのはつい最近で、別に時間に余裕が生まれたからではない。心のどこかの承認欲求を手放し始めたのもつい最近。上京して、東京に住み始めたからなのか。関西の番組を観てないから、テレビのあの人やこの人を見かけない。関西で知らず知らずに降り積もっていた時間は、いつか消え去った。リセットからのリスタート。また0の位置で。自分が別の人間にすり替わってしまったような感覚。不思議かな、あまり何も気にせずに物を書くようになった。徒然なるままに。

でも、いつかは筆が止まってしまう、キーを叩く指が固まる。クリスマスも、次の日になれば、無かったことになる。クリスマスの次の日はオフ。チキンとケーキは廃棄されず、見切り品としてスーパーに並んでくれるだろうか。もう、サンタ服をきた女性がティッシュを配ることはないかもしれない。巨大なクリスマスツリーの周りには撤去作業に勤しむ作業員で集まっているかもしれない。店の裏には、段ボールを抱えた店員がゴミを出しに出る。あの中はかつてクリスマスだった物たちだろう。

クリスマスって残酷だと思う。日付が変われば、もう残骸になるのだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?