【新たな可能性】中野家の五つ子CPのすゝめ


思えば、遠くまで来てしまったなと思う。


五等分の花嫁』という週刊少年マガジンにて春場ねぎ大先生が描く、私史上間違いなく“最強のラブコメ”と言える作品にハマったのはつい先日のように感じるが、蓋を開けてみたらもう9ヶ月。何気なくアニメ11話を見たのがきっかけでどハマりし、単行本を速攻で全購入。今に至ってはキャラブック含め、本に関しては全回収し、前レポートにもしたが、花嫁展に足も運んだ。そして、pixivに投稿した二次創作の数は18作品。控えめに言ってハマり過ぎである。

そんな神作品である『五等分の花嫁』だが、先生によってもうすぐ終わるという事実が公式に告げられた。元々、メインヒロインの五つ子の中に運命の花嫁がいるという決められた終わりに繋がるように始まる物語だ。配信ではなく単行本勢だった私もある程度はそろそろ終わることを予想はしていた。が、改めて終わりが近付いているのだと実感すると心の何処かで寂しさを覚えたのは記憶に新しい。


話変わって物書きとして、二次創作をしていた私の話をしたい。

数年前に創作を始めた頃こそ、特に固まった型。自分なりのスタイルというか、得意なジャンル。何を創ってても楽しいと思うからこその「創ってて楽しいと思えるジャンル」が無かったのが私だ。

そんな私は気付けばpixivに流れ着き、『BanG Dream!』で二次創作をしていく中で、百合特化型。特に業を背負わせたり、全体的に重たく、ドロドロとした作品が自身の強みを発揮出来る物書きへと変容を遂げていた。

その様な人間が、『五等分の花嫁』という最強の作品を基盤に二次創作をするとなるとどうなるか?


答えは単純にして、明快。メインヒロインの五つ子同士をくっつける、五つ子CPで二次創作する。


これで始めたのが2019年の3月末くらいだったのだが、当時はまだ五つ子CPでの作品なんて殆ど無く(現にpixivにおける二次創作の小説では百合のタグが付いた作品で純粋な五つ子同士の話というのは存在していなかった)、期せずしてパイオニアになっていた(正直な話、今でも数多く存在しているとは言い難い)。

別にパイオニアになったことが嬉しいわけではない。きっとpixivにあがってないだけでもっと前から色々な形で存在はしていたのだとは思うし。

それ以上に花嫁二次創作環境におけるこの選択は誰の目から見ても逆風だったことが問題だった。考えてみれば当然の話だが、あの作品は主人公である上杉風太郎とメインヒロインの五つ子のお話。それが基盤となれば、二次創作における環境のTier1なんて風×n(n=1〜5の自然数)になるに決まってる。

しかも、私は配信勢ではなく単行本勢。単純に最新話付近に追いつけないという情報のディスアドバンテージ。

だからこそ、少しでも抗えるように。頑張っていけるように、私がしたことは五つ子CP全10組(リバを別カウントとすると全20組)に対する可能性の研究をし、自身に最適なCPを見つけることだった。

今までこの事に関して言及する機会も場もなかったが、もうすぐ原作が終わってしまうという事実。あと、Twitter上でとある神様が五つ子CPの漫画を投稿してくださった影響で少し前に比べたら明らかに活気付いている現状を見て、今年の上半期。大体原作10巻が発売された頃に出した私なりの各五つ子CPに対する意見を今思うことも加えて自身の思考整理も兼ねて書き連ねようと思う。



一花×二乃(通称:一二、いちにの)


 名前に振られている数字通り、長女と次女のCPなのだが、基本的には仲良さげにしているというよりもバチバチしてる方が似合うというか、あの五つ子CPの中では一番ライバルチックな雰囲気が似合う。というか、あまりネタバレを入れたくないタイプの人間なのでボヤかして言うが、現にこの二人が対立していた時期があるのもライバルチックなのが似合うと思わせた要因の一つだろう。

ストーリー中期から二乃自体が何処と無くお姉さんっぽいというか、良くも悪くも正面から意見をぶつけるシーンの増加から一花の長女としての役割を食ってかかるからこその判断。

因みに私は明確な“攻め”“受け”を付けるのが苦手というか、「普段は受けなのにこういう場面で攻めに転じるの好き〜〜〜〜〜!!!!!」とかの局所的に攻守反転するのが大好きオタクなのですが、このCPに関しては二乃が攻めだと思ってる。10:0の二乃有利対面。



一花×三玖(一三、いちみく)


闇。単行本10巻まで読んだ上でこの二人を合わせようとする人間は絶対に性格悪い(確信)。ただポテンシャル自体は悪いわけではなく、風太郎←三玖←一花みたいな構図で何か悪いことが出来そうと思った。

しかし、原作読んでても三玖はかなり序盤から風太郎に好意を寄せるし、後述する最強の一角に座するCPの存在のせいであまり極めようと思えなかったCP。かなり使い易そうではあるが、他が強すぎた。



一花×四葉(一四、いちよつ)


今思えば、無しではない。現に原作でも一花的にかなり重要な展開を担ったCPだと思う。

が、これはこのCPに限らず四葉を絡めた全CP全般に言えることなのだが、四葉という存在自身が五つ子の中でかなりの異端というか、明らかに雰囲気の違う子。研究をしていた当時はまだ単行本で過去の話についての言及が無かった関係上、あまりにも多くの不確定要素を孕みすぎて使い難く、早々に除外していたりする。



一花×五月(一五、いちいつ)


先に言っておきます、これが私が選んだ結論です。間違いなく最強、ビックバン、可能性の獣。適合係数計測不可能レベル。

本気で何でも出来る。他の五つ子CPに出来て、このCPに出来ないことは殆どないのに、このCPでしか出来ないことや120%の出力で魅せれることが普通にある。

その原因を担っているのは、この五つ子という枠組みの中で一花と五月には“対比”が存在する点だと思っている。一と五、長女と末女、そして「長女でありながら母親の代わりに五つ子を導けなかった長女」と「末女でありながら母親の代わりに五つ子を導こうとした末女」。

創作をやったことがあるとか考えたことある方なら共感出来ると勝手に思っているのだが、キャラ間に明確な対比関係が存在するのは途轍も無く強い。話の流れで何処と無く対比を匂わせるだけで、“他のCPでも出来た話”が“その対比関係を持っているからこそ成り立つ、映える話”に様変わりするし、そもそもその対比を軸に話を構成出来たりする。

確かにこのCPには対比が存在する。しかし、もっと噛み砕けば、観点を変えれば他の五つ子CPだって、ここまであからさまとは言えなくても対比があるのでは? と思う方もいるかもしれない。…………無理せずに対比が組み込める時点で優れていると言えるのに充分すぎる材料ではあるのだが、このCPの対比は他のCPで出せるであろう対比と差別化出来る点が存在する。

それが対比の軸に成り得るのが主人公の風太郎以外にも、母親である零奈が存在している点。

この物語において、五つ子は姉妹であると同時に恋敵。対比関係を描くのにその目標点である風太郎を媒介に使えるのは言わずもがなだが、一花と五月の二人の在り方を鑑みれば母親を媒介に使える。寧ろ、ここまで上手く母親を使えるのはこの二人だからこそと言えるだろう。

これまで読んで「結局対比のことしか話してなくない?」となった人もいると思うが、ある一点だけでも他のCPより突出している点が存在するのはそのCPの強みだし、そのCPを握る理由になると筆者は考える。現に『BanG Dream!』で専門にしていた美竹蘭×湊友希那のCPだって、握っていた理由の一つに他のCPに比べて純度の高いライバル関係、対比関係があった。

他と比べて明確な強みがあり、かつ今まで握ってきたCPと性質が似ている。それだけで私が一花×五月を握る理由になるし、こうなるのはもはや必然であったと今なら思えてしまう。






余談だが、このCPは人によってかなり解釈の分かれる認識があるのだが、個人的には五月に母親の役割を担わせてしまったことによって罪悪感を背負っている一花による極大感情が板だと思っている。いや、どんな解釈でも美味しいんですけども。




二乃×三玖(二三、にのみく)


数字順に並べて書いているのだが、まさか一花×五月の後に来るのがこのCPになるとは……強い組み合わせ同士は惹かれ合う運命なのかもしれない。

先述しているが自身の結論として最強は一花×五月なのだが、それに並び立てるだけのポテンシャルがあるのがこの二乃×三玖だと思っている。

これに関しては設定や変な深掘りして強さを見出すよりも、単純に公式として、原作としての絡みが強過ぎた。

二乃の転機には三玖がいた、三玖の転機には二乃がいた。

CPを考える上でここまで単純に強さや尊さを見出せる一文が他に存在するだろうか? いや、ない。

多くを語る必要はない。原作読めば全て分かる。それくらいに五つ子CPの中では分かりやすく強い。

一花×五月の項で書いたがこの二人も例に漏れず風太郎を媒介して成り立つCPだと思っているが、その中で頭一つどころか五つくらい抜けてパワーの桁が違う。一花×五月を見出していなければ、間違いなく握っていた候補。



二乃×四葉(二四、にのよつ)


正直な話、何が出来るのか分からない。当時も今も幾ら考えても答えが出ないのがこのCP。

原作をどういう角度から見ても、“この二人だからこそ出来た”という話を生み出せる気がしない。寧ろ見てみたい。



二乃×五月(二五、にのいつ)

初期段階で互いにアンチ風太郎だった関係上、可能性自体はかなりあるCPだと思った。この作品の中でも屈指の神エピソード「七つのさよなら」を語る上では外せないCPではあるのだが、ぶっちゃけあの話は蓋開けてみれば二乃×三玖に持っていかれたしなぁ…………と。

相性自体は間違いなく良いと思うし、時系列を原作5巻中盤以前に絞れば幾らか作れそう。というか、作った。ただ、一花×三玖の項でも言及したが他が強過ぎた。



三玖×四葉(三四、みくよつ)

個人的に使い方が悩ましい二人を悪魔融合したCP。訳が分からなさ過ぎて当時速攻で切り捨てた択ではある。でも、二乃×四葉に比べればまだ可能性を感じなくもない。風太郎に恋してる三玖を応援する四葉とか…………と思ったが、この場合は四葉の枠が一花でも五月でも成り立つ可能性が高いのでやっぱり無い。



三玖×五月(三五、みくいつ)

不明、二作だけこの二人しか出てこない作品を書いたことがあるが、この二人である必要性が薄過ぎた関係上、納得出来てない因縁のあるCP。

薄々勘付いている方もいると思うのでここら辺で言語化しておくが、一花×四葉の項で話した通り、四葉は不確定要素が多過ぎて使い難かったのに対し、三玖は早々から風太郎に恋する乙女として覚醒してる上に先述の二乃×三玖があまりにもパワーで他のCPが霞む関係上使い難かったりする。



四葉×五月(四五、よついつ)

唯一、四葉をしっかり使えそうな可能性を秘めていた上に私が五つ子CPを組む際に初めて使ったCP。切っ掛けこそ「中の人が両方とも推し声優」という理屈の欠片も無いものではあったが、当時五つ子CPを比較した結果、私情を抜きにしてもかなりあるCPだと結論付けている。

互いに奥手というか、一歩後ろに退いている。四葉は他の姉妹に風太郎を譲ろうとしてるのを、五月は母親の役割を代わりに担うからこそ心配する。派生は殆ど無さそうではあるが、こういうのを作れるのは五つ子CPではこの二人の特権だろう。

再度、記しておくが他のCPにない点を持っているだけで充分な強みになる。可能性“は”あるんじゃないでしょうか。





全10通りの五つ子CPに関して、当時の考えに今の所感を重ねて色々と書き連ねてみました。あくまで一個人の意見として認識してもらえると幸いです。

可能性の見出し方なんて、言ってしまえば人それぞれです。私がこう思ったからと言って、他の人も同じように思う訳じゃない。

ただ五つ子CPは全体的に潜在的なポテンシャルは凄まじい割にはまだ殆ど開拓されていない領域だと思います。思考を重ねれば重ねるだけ深淵へと行ける、見えなかった景色も見えてくる。

そんな魅力溢れているからこそ、これを読んで少しでも良いなと思った方は是非とも一度五つ子CPで創作してみては如何でしょうか? 私は大歓迎です。


それではまだ見ぬ五つ子CPの神作品が産み落とされることを祈って、そろそろ筆を置きましょう。







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