【実質0泊3日】シンフォギアライブ2020→2022に行ってきました【※ネタバレあり】

前置き

 noteではお久しぶりです、天河黒兎です。最近はリアルで忙しい中、合間合間を縫っては連載を投稿したり、Twitterでメンヘラになってたりしました。

 実はTwitterではチラッとツイートしていたりはしたのですが、流行病で以前延期になっていた『シンフォギアライブ2020』の振替公演である『シンフォギアライブ2020→2022』の現地チケットが当選していたので、今回はそれを主目的とした東京遠征を備忘録として纏めておこうと思います。




※記事の性質上、先日行われた『シンフォギアライブ2020→2022』のセットリストやその他諸々のネタバレを含みます。ご了承の上、お読み下さい。


前日譚

 思えば、しばらく東京に行っていなかった気がする。行く予定が無かった、行く必要も無かった、そもそも行けなかった。考えられる要素なんて色々とあるが、その全部が絡み合った結果、最後に行ったのは10年弱前な気がする。

 元々、家族でお盆の時期に東京に旅行する習慣はあった。大体、2泊3日で前半2日をディズニーで遊び、残り1日は帰路で面白そうな物を見つけては寄りながら帰っていた。そんな習慣も私含めた兄弟の受験シーズンが面白いくらい互い違いに重なり、そこからの昨今の流行病の影響で全員の都合が合うことがなくなって行かなくなった気がする。

 故に何処か懐かしさを感じてしまう東京ではあったが、そもそもの話として一人で行くのは初めてだった。正直、懐かしさよりも新鮮さ。そこから来るそこはかとない恐怖の方が大きい。

 私自身、そこまで肝っ玉の据わっている人間ではない。なんなら人一倍怖がりで不安がるまである。何かのトラブルで間に合わなかったらどうしよう、辿り着かなかったらどうしよう、そもそも生きて帰ってこれるのかetc

 そういう人間なのだ。だからこそ、こういう体験における所感は貴重であり、備忘録として残しておきたかったのだ。当時の私がどう思っていたかを振り返るために。





 ……なお、本項は2022/11/11に書いている。しかし、実はこの段階で先日に星街すいせい2ndソロライブ『Shout in Crisis』の現地チケット抽選にも突貫したため、当選してたら2ヶ月後にまた東京に1人で遠征する羽目になる。そして、執筆段階の今ではその結果は分からないのである。当たったら、珍しい東京遠征とは?になってしまう。流石に2ヶ月空けて起こる事象を珍しいとは言えまい。



追記

敗北した図

 外れてました。外れた落胆と東京に行く算段を付けなくていい安堵が同時に襲ってくる貴重な瞬間でした。


遠征当日 -出発前-

 遂にやってきた当日。……と言っても、厳密に言えば筆を執ってる今は2022年11月19日の土曜日で、20日開催のライブの前日に当たる。ここで今まで明らかにしていなかったスケジュールに関して触れてみようと思う。

 土曜夜に家を出発。そのまま予約していた夜行バスに乗って池袋に行き、そこから朝食を摂りながら軽食の調達。適度に時間を潰したら分散入場の時間に間に合うように会場であるベルーナドームに向かい、シンフォギアライブに参戦。そのままの余韻を胸に池袋にとんぼ返りして夜行バスに乗って帰宅……とはならず、そのままの足で大学に出席。一通りのやることを済ませて月曜の夕方以降に帰宅、と。

 土曜から月曜までの3日、そして、その3日間の間に一度も宿泊というものを挟まないので実質0泊3日


 ……え? 馬鹿?


 我ながらなんだこの余裕と余韻のよの字も無いスケジュールは。前半はまだしも後半のノンストップ弾丸ツアーっぷりが控えめに言ってやばい。やばすぎて後半部分で何処か選択肢を間違えると一瞬で破産しかねない世界線が今の段階から見えてしまっている。

 果たして無事に東京に辿り着けるのか、そして無事に東京から帰って大学の一限(朝9時)に間に合うのか。今から胸には不安で一杯だ。


東京へ

 バスと電車を駆使して夜行バスのターミナルまで移動。実家が都市とも田舎とも言えない微妙なラインの地域にあったとはいえ、流石に土曜の夜9時半だとバスターミナルも電車に乗る駅もすっからかん。いつも利用する時間帯だと人で溢れ返っている印象が強かったので、新鮮な気持ちと共に夜の風情を感じていた。
 近所のそんな閑散とした雰囲気と対照的に、性格上予定よりも1時間早く到着した夜行バスのターミナルは滅茶苦茶人がいた。今までの静まり返っていた雰囲気は何処へやら、夜行バスを待つ人と誘導員の声が溢れていて、周囲の空気との乖離具合というか昼夜反転感が凄かった。
 土曜の、しかもこんなよく分からないタイミングで夜行バス使う人間がこんなにいるとは思っていなかったが、そもそもの話その“よく分からないタイミング”で乗ろうとしているのが自分なのだ。あまり人のことは言えないだろう。夜行バスに揺られながら筆を執っている今、あの場に適合者がいたかもしれない……とか思ったりしないでもなかったが、どうせネットでもリアルでもボッチだ。いても探すことはなかっただろうし、実際に探してもいない。……あ、言い忘れていたが、今回の遠征はガチでボッチです。本当に一人旅。

 思い返せば、一人旅なんていつぶりだったか。いつぶりというか、私の記憶が間違っていなければ人生で2回目だ。1回目はとある事情で鳥取に行った時だから……3年弱前? というか鳥取には2ヶ月連続で1人で行ったから、今回東京遠征は3回目かもしれない。あと、余談だが東京と入力すると東亰ザナドゥの影響で「東亰」の方が優先して出る予測変換なんとかしてください本当に。

 2n年生きてきて、1人で遠出するのが3回目って多いのだろうか。少ないのだろうか。ぶっちゃけ、その人が生きてきた軌跡によりけりみたいなところはあるので何とも言えないが、人生の殆どのオタクとして過ごしている身としては少ないのかもしれない。

 そもそも私自身、イベント現地参加だって数多いわけではない。今でこそVのオタクみたいな印象が強い私だが、昔はアニメオタクで声優オタクだった。近年はオタクとしての界隈の推移と情勢も相俟って、こういうイベントは配信で済ませてきていた身としては「現地参加」の四文字だけで心躍るし、同時に不安にもなりはする。だって、最後に行ったイベント現地参加はもう何年前か分からないけど、『セブン-イレブンpresents 佐倉としたい大西』って声優ラジオのイベントツアーだからね。

古の画像フォルダから漁ったけど、2018年って書いてある。大体4年前。時の流れは残酷だ。

 ここまで自分のイベント参加の軌跡を振り返っていて気付いたが、ガチガチのライブに現地参加ってもしかして人生初か……? 今までライブイベントを見て行った気になっていたが、全部配信だったのでは……?

 そう思うとこんな駄文を生成している暇ではないと気付いた。夜行バスに乗り始めて30分もしない内に気付けたのは大きい。寝よう、体力は幾らあっても足りない未来が見えるから。


嗚呼、東京よ

 結局、目が覚めたのは午前6時だった。到着予定時刻よりも少し早くて、いつも通りの時間にいつも通り目覚めてしまった。……尤も、覚醒した時の状況はどう考えても非日常ではあったけど。周り椅子だらけだし、身体は痛いし、バスは駐車(休憩)してるし。ただ、どう考えても寝直すような時間ではなかったので、とりあえず無心で筆を執ってる。

 どれだけイレギュラーでも朝起きてやることは変わらない。適当にソシャゲを開きながらSNSを確認。ログインボーナスをせしめながら、推しの告知配信のサムネを見て「……地雷CPあるなら無理しなくていいや」と厄介CP厨の思考に至る朝。イレギュラーな只中であっても私という人物の本質は変わってないらしい。むしろ、変わってなくてよかった。いや、地雷CPとんでくるのは嫌だけど。


見返したらブレ酷くて草

 そんなこんなで東京に到着。朝飯は前から食べたかったけど食べる機会が無かったマクドナルドにでもしようかなぁと思ってたけど、朝の時間帯だとメニューが変わることを失念してて結局コンビニで調達することに。

 しかし、買って速攻食べるなんてことはせずにそのままの足で今回のライブの会場であるベルーナドームに向かうことに。何があるか分からないし、暇潰す選択肢を考えるのも面倒だったのでさっさと行ってしまおうの気持ち。

 飯能行きの快速に乗るとちらほらと適合者の姿が散見出来た。この時の私はまだライブTシャツを着ていなかったが同類の念が湧いたのと同時に、やっぱシンフォギアのコンテンツとしての強さを再確認させられた。だって、この快速で会場着いてもまだ会場まで数時間あるのにちらほらと数えれるくらいには見受けられたのだから。……って思ったけど、普通に考えたら物販行く人はもっと早くから行ってるか。レアでもなんでもなかった気がする。

 物販に関しては事前に通販で買えたので今回は現地で余程衝動に駆られない限りは買う必要はないだろうと判断。というか夜行バスで朝に池袋に乗り込んでいる時点で物販的には負けである。世の中の人たちは凄いや。


曇天の後光

 そんなことを思いながら辿り着いた本日の本拠地、ベルーナドーム。直近で降りた駅の名前が西武球場前だったところ、きっと元々は西武球場って名前だったんだろう。

 正直、初めて駅に降りて出た一言は「……ここ東京?」だった。それくらいには田舎だった。そもそもの話、ベルーナドームは東京にではなく埼玉にある。あと、周りに何もない。本当に何もない。

 私の席的に分散入場の時間が15時とかなのだが、この文章を書いている時刻は10時前である。あまりにも早過ぎた。どうするんだこれ。

 前段落から大体1時間半経った。もう昼前だ。誰とも待ち合わせをしていなかった弊害からか本当の意味で一人で外で野晒しだった。暇過ぎて触れてなかった原稿を触ったり、パズドラしてたりした。時間が潰れたと思ったら1時間半しか潰れてなかった。まだ入場まで3時間はある。

 ベルーナドームは寒いと何度も聴かされていた。聴かされたというかTwitterを見ていて何度もそういうツイートを見た。私自身冬生まれということもあってか寒さには一定量の耐性がある上に普通に防寒用の服を身に纏っているので到着段階では心地良いくらいだったが、流石に2時間くらい外で待ってると来るものがある。具体的にこの文をスマホに入力している指が冷たい。ベルーナドームは寒い。これは教訓だ。

 昼間でこれならライブ開始の17時とかはどうなるのか。凍るのか、霜でも降りるのか。というか天気予報的には雨だし、本当に氷になるんじゃないか。そんな不安に駆られる12時。この頃には「別の場所で時間潰しておけば良かったな」みたいな気持ちが過ぎりもしたが時既に遅し。多分行って帰ってくるだけで2時間弱かかるので詰んでいます。

「そういえば……」

 流石に昼ともなれば朝と比較して人も増える。大体の人が足を運び始めるのは昼だろうし、物販に並んでた人もドーム前に続々集まってくる。やること手持ち無沙汰オブザイヤーを現在進行形で更新している私は必然として人間観察をすることになるわけだが……その、なんというか……


 リア充多くない?

 全員が全員そういうわけではないだろうし、Twitter等のフォロワーと会える少ない機会だからというのもあるんだろうけど、それにしても想像している以上に異性同士のペアが多い気がした。というか男性比率が高めになりがちなのは仕方ないけど、普通に女性も希少種とかいうレベルを越えるくらいには居たからシンフォギアって刺さる人には刺さるコンテンツなんだなぁと。……いや別にライブ現地参加してる時点でリア充なんですけど別にぼっちだから寂しいとかカケラも思ってないんですけど本当に。

 暇を持て余した結果、人間観察をして迎えた午後2時。流石にここまでくると長い待ち時間の退屈よりももうすぐ本番という緊張感というか緊迫感の方が大きくなってくる。毎度毎度こういうイベント事の時、自分が出演する側ではないのにやけに緊張してしまうのは一体何なんだろう。未だに不明だ。

 私の座る席の分散入場時間である午後3時。この頃から雨が降り始める。予報通りといえば予報通りだが、丁度良いタイミングで入場。Twitterに流れてた区画分けを見た時は「うーん……微妙かこれ」と思っていたが、実際に座ってみるとかなり当たりだった。ステージ近いし、モニターも近いし。端寄りではあったけど十二分に楽しめそうな席だった(会場内撮影禁止なので写真はないです)。

 現地は良い。まだライブが始まってもいないのに、その感想は顕れていた。この場にいる全員がこのライブを、2年前に開催出来なかったあの日のリベンジを果たしに来ている。そこに一切の邪な気持ちなど無く、純度100%の熱が一つのドームの屋根の下に集っていると思うと高揚せざるを得ない。適合者的に言うならフォニックゲインの集結、ある種の70億の絶唱だ。心踊らないわけがない。
 まだ本番が始まっていないタイミングで無理をしてでも来て良かったと心の底から思えていた。たとえ、終わった後すぐに夜行バスに乗って揺られて、迎える翌朝には大学に直行しなければいけなかったとしても来て良かった。あの日、「次の日大学だし……行くのキツいよな……」みたいな日和った気持ちを蹴り飛ばして抽選と決済を済ませた自分を褒めてあげたいくらいには既に満たされていた。

 そんな満足感で一杯な私だが、本番はまだ始まっていない。これからライブの熱に焼かれ、本当の意味でフォニックゲインが青天井に上がっていくのだろう。きっと、それは今までの何よりも満たされて、そして燃え上がらせてくれるに違いない。


ライブ終了後

 無事ライブが終了した。一斉の帰省ラッシュに呑まれながら乗った、20分後に発射する急行の中で筆を執っているのだが、あまりの多幸感と衝撃で夢見心地というか半分くらい記憶がない。記憶がないというか情報量が多過ぎて脳内で完結しないのだ。とりあえず、備忘録として出来るだけ書き留めておこうと思う。

 初っ端の水樹奈々様の『METANOIA -Aufwachen Form-』→『FIRE SCREAM』→『FINAL COMMANDER』に脳を破壊された。というか、『METANOIA』のイントロ1秒で「ようやく2年待ったリベンジが始まった」という実感が音の衝撃と共にやって来て普通に号泣した。ライブの音が爆音だったから多分周りの人にはバレてないはず。あと衣装がマジで金ピカで黄金聖闘士か黄金錬成かと思いました。

 そこからの小日向未来役の井口裕香さんの『歪鏡・シェンショウジン』→『FOR THE FUTURE』→『陽だまりメモリア』よ。『陽だまりメモリア』が無印の頃の曲で凄い懐かしかったし、今回のライブは前半2曲→MC→後半1曲がテンプレートになってたんだけど、井口裕香さんの「未来をここまで成長させてくれたのはここまで支えてくれた製作陣と応援してくれたみんなだけど、たった一人。かけがえのない陽だまりに向けてこの歌を歌います」からの『陽だまりメモリア』はズルくないですか!?!?!?!?!?

 そして、今回出演叶わなかった雪音クリス役の高垣彩陽さんが映像出演して、声出し出来ない中で笑わせに来るし、『Take this! “All loaded”』を残していくの滅茶苦茶熱かった。クリス曲自体がとてもライブ映えする物ばっかりだったから出演叶わなかったの凄い惜しいなぁと思う。いつか全員揃う姿が見たい。それまでは死ねないや。

 からの月読調→調×切歌→暁切歌の南條愛乃さん&茅野愛衣さんのきりしらパート。セトリにして『君が泣かない世界に』→『Cutting Edge×2 Ready Go!』→『Edge Works of Goddess ZABABA』→『ダイスキスキスギ』→『はっぴーばーすでーのうた』。言うことありますか? もう最強です。約束された勝利の剣ですこんなの。MCパートでもずっとイチャイチャしてるし、そこからの『ダイスキスキスギ』は流石にパワー。優勝。

 そして、マリア・カデンツァヴナ・イヴ役の日笠陽子さんのパートに移るわけだけど、ここは二度目の涙腺破壊ポイントでした。『白銀の炎 -keep the faith-』→『此の今を生きるヒカリ』のマリアXVセットからのここでまさかの原初の『烈槍・ガングニール』。しかもその『烈槍・ガングニール』の前のMCでマリアへの想いが強過ぎて泣きそうになってたのがもう……。そこからの白から黒への衣装チェンジを経ての力強い“烈槍”は正にあの日見た黒いマリアの威風堂々さを思い起こさせていました。そこでちょっとハプニングあったけど、それ含めても味な感じはあった。

 二度目の出番、次は装者として風鳴翼役の水樹奈々さんが出てくるわけだけど超ど安定というか安心感というか。XV翼セットの『Defender‘Z Brand!』→『風のあなたに』だったけど、現地で『Defender’Z Brand!』聴けたの本当に嬉しかった。ソロキャラソンの中でトップクラスに好きなのでこれ。

 そこから風鳴翼×マリア・カデンツァヴナ・イヴ(水樹奈々×日笠陽子)の『Angelic Remnant』に繋がるわけですけど、その前のMCで奈々様がクリス役の高垣彩陽さんの話をしていて。マリアを呼ぼうとしたら素で間違えてクリスの名前を呼んでたのが凄い印象的。流石に笑っちゃった。

 その次が今回現地参加決めた理由というか作中キャラでもトップクラスに好きで中の人もトップクラスに好きなキャロル・マールス・ディーンハイム役の水瀬いのりさんパート。もうね、出てきた瞬間から顔面偏差値で殴ってくるの卑怯じゃない? 声出しNGだから耐えてたけど、OKだったら全然黄色い声出てたまである。しかも、その可愛らしい風貌からは想像も出来ないくらいに堂々として圧倒的で正しく“マスター”な声で繰り出される『スフォルツァンドの残響』→『五線譜のサンクチュアリ』の流れは文字通り“暴力”。最強です、言葉なんていらない。MC挟んでからの『tomorrow』は前半2曲と打って変わって幻想的というか、ステージ上のモニターに映る水瀬さんの姿がペンライトの後光で凄い綺麗だった印象が凄い。ただただ凄い。

 そして、ソロラスト。シンフォギアの代名詞、申し子であると言っても過言ではない立花響役の悠木碧さんパート。正直なところ、一番グッと来たのがここだったというか、改めて「戦姫絶唱シンフォギア」という作品の“軸”とは誰かを分からされたというか。この10周年という節目を経て、立花響という存在は何を得て、何を失って、そんな削がれることで神や英雄になる響を演じてきた想いの吐露に心動かされないわけがなかった。セトリとしては『ALL LOVES BLAZING』→『撃槍・ガングニール』→『キミだけに』なんだけど、前半二つで今と10年前の比較というか一瞬で声音を10年前に戻して歌う悠木碧さんのプロとしての技術よ。本当に凄い。

 そこからいきなりXV4話の響がラピス・フィロソフィカスの中に意識として宿っているサンジェルマンと再会。折っていた膝を再び持ち上げてガングニール・アマルガムを引き出す映像が流れたと思ったら、ここでまさかのシークレットゲスト、サンジェルマン役の寿美菜子さんを交えての『花咲く勇気 Ver.Amalgam』。表向きには声出しNGだったけど、明らかに会場内で声が出たシーンだと思う。しかも、そこに加えてキャロル・マールス・ディーンハイム役の水瀬いのりさんも加わって、まさかまさかの『聖剣のレクイエム』。本来交わることのない組み合わせが出来るゲームオリジナル、しかもまだCDにもなってないくらいに新しい曲でフルバージョンは全人類あの場でか聴いたことがないと思います。

 ここら辺の情報量が凄過ぎて完全に脳が追い付かなくなっているタイミングで、マリア・カデンツァヴナ・イヴ×暁切歌×月読調(日笠陽子×茅野愛衣×南條愛乃)による『「ありがとう」を唄いながら』と、そこに立花響×風鳴翼(悠木碧×水樹奈々)を加えての『六花繚乱』でエンディング。熱く、最速で、最短で、真っ直ぐに駆け抜けてきて凄い心地良かった……

 そこからのアンコールで、ライブ終了後に速攻でトレンド入りもした新情報──

 間違いなく、ここが一番会場内がどよめいていたというか歓喜に包まれたというか明らかにお祭り状態だった。シリーズ最終章と告げられていたXVが終わって、なお終わらないシンフォギア。締まりが悪いと言われたら確かにそうだが、それでもこの報は新しい熱を。新たな生きる糧を与えてくれたのは言うまでもなかった。

 そんな会場内が狂喜乱舞の最中、飛んでくるは『PERFECT SYMPHONY』→『Xtreme Vibes』→『未来へのフリューゲル』。もう凄い、凄い以外無い。ただただに歌で圧倒してくるあの感覚。そもそもがこのステージに立っている人が一人で公演しても何ら可笑しくないくらいの実力者なのに、こうして一作品を介して何人も集まっているステージを作り上げてる奇跡があまりにも眩し過ぎた。

 フリューゲルの名を冠する曲は例外なくシンフォギアライブのアンコール後の真エンディングを締め括る役割を担っている。つまり、ここで楽曲としては終了するのだが、最後の挨拶に関しても少しだけ筆を執りたい。それがこの作品の主人公である立花響役である悠木碧さんの挨拶だ。


「周りはみんな自分よりも凄い人で、でも自分は主人公として。“座長”として持ち上げられて重圧を感じていたけど、10年経ってようやく自信が持てるようになった。この70億人の中で自分が一番“立花響”だと言えるようになった気がする」


 後半にあった響パートで、悠木碧さんは自らが演じてきた立花響の話をしていた。2012年に初めて魂を吹き込んだ時のただの少女が10年の歳月を経て何を得て、何を捨てて一人の装者として成っていったか。それを10年の軌跡を悠木碧さんが演じてきた立花響の話とするなら、最後の挨拶で語った言葉は10年の軌跡を軸にした悠木碧さんと立花響の話だったのだ。

 そのちっぽけな背中には大き過ぎる期待を背負い続ける。その姿はまさに立花響であり、シンフォギアであり、どうしようもなく重なって映った。本人も泣きそうになってたのを見て私も泣きそうになったし、最後の挨拶で「響が碧ちゃんで良かった」って言われて涙堪えてる姿を見て私の涙腺は破壊された。耐えれるかあんなの。



さらば、東京

 そんなこんなで無事に『シンフォギアライブ2020→2022』が終了して、無事に夜行バスに乗って一晩かけてとんぼ返りしてきた。すぐにでも家に帰ってあったかいものでも頂きながら風呂入って寝たい気持ちで山々というかそう思うくらいには疲労感で満ち満ちているのだが、先述の予定通り月曜は朝一から大学がある上に休むと他の人に迷惑をかけかねないタイプの講義と来た。

コンビニで買った酷過ぎる朝昼食

 無事に大学もちゃんと出席し、帰りのバスに揺られながら筆を執っている。このまま何本か乗り継いでいったら2日ぶりの家だ。厳密に言えばまだ帰宅してないし、やはり「遠足は帰るまでが遠足」みたいな言葉もあるけどここらで旅記録は終わりでいいでしょう、お疲れ様でした!


総評というか感想というか

 正直な話、滅茶苦茶楽しかった。無理なスケジュール組んで無理矢理突貫して良かったなって思えるくらいには心が満たされています。
 ライブ現地でしか得られない栄養素がある……「〇〇でしか得られない栄養素がある」はなんかネットミーム味が凄いですが、ライブ現地でしか味わえない感覚ってのは存在するんだなって身を以って実感しました。演者側も観客側も、一切の混じり気のない純度100%の好きが集結することで成立するあの空間、時間は本当に至福というか。楽しい以外の何者でもなかったです。

 シンフォギアの新プロジェクト始まるらしいし、続報に期待ですね! 次こそはね、次のシンフォギアライブこそは雪音クリス役の高垣彩陽さんも交えて六装者全員が並ぶ姿が見たいね! それまでは流石に死ねないよなぁ……頑張っていきないとなぁ……ってなりました。本当に戦姫絶唱シンフォギアって作品に生かされている。つくづくそう実感しましたね。

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