此に遺す

前置き

 ここ最近、物書きとして物語を紡ぐよりもこうしてnoteで自分の考えをアウトプットすることが増えた気がする。と思ったが、それは昨日にnoteを書いて限定公開をしたからだと気付いた。

 なんというか書きたくなった。それだけで筆を執る理由としては充分だ。……いや、少しばかり違うか。“なんとなく”ではない。思考を整理したかった、いつか来ると分かっていて今まで目を背けてきたからこそ、最期のこの時だけはちゃんと向き合おうと思ったから筆を執った。感傷に浸りたいという如何にも人間らしい感情と共に、こういう感情は後に振り返れるようにしておけばいつかの創作の一助になるかもしれないという創作家として打算的な思考が入り混じっている。……こういうことを書く時でさえ感情に振り切れないのは何処か薄情に思えて仕方ないが、そういう人間だ。

 今回の記事を書くにあたって、私視点での話をまとめますが具体的な相手の名前等をあげるのは避けさせていただきます。あくまで後に振り返れるように、だからね。迷惑はかけれない。





本編

 私は物書きだ。不肖ながらも物書きだ。
 ネットで投稿を始めたのは数年前の夏の日。今でも覚えている。受験勉強の合間の旅行の宿先でよく分からない駄文の集合体をこのネットの海に放り投げた。投稿してからも何度か修正を入れてしまっているから初稿がどんなものだったかを確認する術はないが、今修正版を読み返してもあまりの駄文に耐え難い羞恥が働いてしまうところ、初稿なんてそれは特級呪物か何かだろう。

 そこから現実での環境が目まぐるしく変わろうとも、投稿頻度こそ変わってもずっと物書きを続けてきた。どれだけ忙しくても書き続けた。別にこれが将来にとって何か有益なものになるとは思わなかったけれど、ずっと続けてきた。今は……ちょっとお休みしてるけど、それでも最近は軌道に戻そうと頑張ってる。大体戻らないのはレポートが悪い。

 数年も経てば、現実のみならずネットでの環境も変わる。物書きとして活動していたプラットフォームもハーメルンからpixivに変わったし、二次創作で握っている作品も色々と変わってきた。その作品ごとに良い思い出や輝かしい思い出、逆にあまり振り返りたくないような思い出もあったりするが、一つ。間違いなく誇れて、同時に“天河黒兎”という存在に責任を覚えたエピソードが存在する。


 私に弟子が出来た。

 

 弟子……と大層な表記をしたが、それはインパクトを重視したからであって、実際は私の書いたSSに感化されてSSを書き出し始めた人がいたのだ。別に私が何か教えたとかではない。ついでに言うと何かを教えられるほどの力量は当時も今も持ち合わせていない。

 活動していく中で実際にそのことを告白されて、私の中の胸中にあったのは驚き半分と喜び半分だった。当然だけどそんなことを言われたら嬉しいし、誇らしくもなる。……だが、同時にその誇りは次第に私を取り巻く責任へと転化していく。

 その当時握っていた作品を見限って別の作品に移ることを心積もりを決めた時、奇しくも彼も同じ作品に移行していた。形式こそ違えど、元々握っていた作品は一緒だったよしみで仲良くしていた……と思う。ぶっちゃけ分からん。人付き合い苦手過ぎて何処からが仲が良いのかは分からないけど、少なくとも私は仲が良いと思っていた。

 ただ、あまり長い間その関係性が続いたわけではなかった。というか、私が同じ人との関係値を築き続けるのが苦手だったのに加えて、私と彼では在り方が違い過ぎていた。作品を移行するにあたって殆どの関係を葬った私と様々な関係性を維持し続けた彼。どれだけ忙しくても創作に全振りしてきた私とちゃんとそれ以外もこなしてきた彼。そこまで違っていれば、すれ違う。……いや、そんな彼に心の何処かで嫉妬していたから続かなかったのだろう。

 そして、そんなすれ違いを迎えた作品の原作は握り始めて約1年で完結。私はそれを機にVを握り始めることになるのだが、彼は彼でまた別の作品で創作を続けていた。正直、自分の専門外の作品だったから読むことは少なかったけど、それでも偶には読んでたし応援もしていた。

 ……正直、ここから余計にぼやかし多めで話すというかあまり蒸し返して心地良い話題ではないのだが、昨年の6月って色々あったじゃないですか。結構燃えたやつ。あれが原因で彼はVに対してかなりの嫌気がさしてしまったようで、当時からVを専門に握ってた私は余計にも絡みづらくなってしまった。

 勿論、彼も物の分別は出来るくらいの人間性は持っている。嫌気がさしている対象へある程度の好意を持っている人間のことまでヘイトを向けることはないだろう。現に半年くらい前に「話についていけなくて寂しい」みたいなこと言ってたし、言うて好感度は……まだ、耐えてる……と思う。

 ただ、もうどうしようもないと思ったんだ。正直、私はVの沼から抜けれる未来が見えてない。この1年以上、様々な炎上を見てきてなお見限れないところ、もう無理。この状態で関係を修復しようとしても、言葉を交わして相手の地雷を無意識で踏んでもいけないし、踏まないように心労を抱えるのも辛すぎる。無理してまで相手のことを尊重するのはお互いにとって益ではない、損しかないと判断しました。

 その上でどういう選択を取ったかは想像に任せます。……まぁ、一個だけ心残りがあるとしたら、きっと出会おうと思えば出会える距離だっただろうし、一度は一緒に酒飲んでみたかったかなって……


 本当に最期、一つだけ此処に文を遺しておきます。



 君がこの文を見ることはあるのでしょうか。分からないけど、何処へ行っても君のことは応援しています。私に何か出来ていたのかは分かりません。でも、何か託せたと願って、新天地での活躍を祈っています。頑張ってね。私も頑張って生きてくよ。あと、私の作品を読んでくれて、そしてそこから道を見出してくれて、本当にありがとう。

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