見出し画像

ちょっと息抜きのニュージーランド国内旅行その6:念願のジーランディア

2021年3月3日

画像1

この日はまず、ホテルのレストランで、お向かいのテパパを眺めながら、朝食。てっきりビュッフェかと思っていたら、メニューから選ぶ形でした。利用客が少なすぎるのでしょう。私は、アボカドトーストを注文。たっぷりお野菜に、パリっとトーストで、おいしく頂きました。ニュージーランドには珍しくフィルターコーヒーで(ニュージーランドではエスプレッソコーヒーが人気)、しかも熱くて、とてもおいしかったのでびっくりしました。

さて、今日は私がずっと行きたかったジーランディアに行く日です。ジーランディアは、ニュージーランドに人類が到着する前の自然の状態を500年をかけて取り戻そうという、世界最初の壮大なプロジェクトが1990年代から取り組まれている、225ヘクタールに及ぶサンクチュアリです。って、225ヘクタールがどれだけ広いか、よく分かりませんが。トップの写真は、そのジーランディアの一角です。私は、小さいころから鳥や動物が好きで、飽かずに図鑑を眺めていた子供だったので、ジーランディアの存在を知ってから、ずっと行きたかったのでした。

ウーバーでホテルからジーランディアまで10分ほど、坂道を登っていくと、あっという間に到着です。

画像2

恐竜が出てきそうな森が街中からすぐにあることが最初の驚きです。原生林が切り倒され、開発されていた地域に、ボランティアがニュージーランド原産の植物を植えていき、害獣が入らないようにフェンスを張り巡らせています。上の写真で、フェンスが延々と森の中までつながっているのが見えます。害獣といっても、ニュージーランドにいなかったというだけで(ニュージーランド原産の哺乳類はコウモリのみ)、猫やポッサム、ウサギなど、みんな人間が連れてきたもの、人間に付いてきたものですが。

画像3

上からも下からも害獣を防ぐ、特別なフェンスについて説明するガイドさん。ジーランディアは、個人で自由に歩き回ることも可能ですが、私たちはボランティアガイドが2時間かけて案内するガイドツアーを予約していました。私たちの回は、コロナによるロックダウンもあったのでしょうが、私たちともう一組だけだったので、ゆっくりと生物や木の生態を教えてもらえたので、非常に有意義でした。

画像4

いろいろな鳥が見れて、鳥好きとしては大興奮。もともとは生活用水の供給のために作られていたダムの向こう岸に、Shag(鵜)が巣を作っています。ガイドさんに教えてもらって、カメラをアップにしてみると…

画像5

ほら!

画像6

こちらでは、のんびり日向ぼっこをしています。

画像7

穴が開いている葉の植物は、ニュージーランド原産のKawakawa(カワカワ)。オークランドでも、あちこちに、ごく普通に生えている植物です。デトックス効果があるそうで、先住民のマオリの人々は、葉を絆創膏として使ったり、煮だしてお茶として飲んでいたそうです。ちなみに、虫に食べられている葉の方が効能が高いそうです。以前、お話する機会のあったマオリの人から「数十年前まで、マオリ独自の治療法は政府によって禁止されていた」と聞いたことがありましたが、最近は、Kawakawaを始めとするマオリハーブが見直され、Kawakawa入りのハーブティーがスーパーで販売されるようになっているほどです。

ニュージーランド原産の鳥の一種、Saddleback(サドルバック)は、素早く動き回るので、私の腕ではなかなか写真に収められません。

画像8

私が唯一、Saddlebackの姿をとらえた、貴重な1枚。中央下に、背中がオレンジ色の黒い鳥がかろうじて入っています。

画像9

こちらでは、インコの一種のKaka(カカ)がお食事中。足を掛けているのがなんだか愛嬌があります。

画像10

こちらは、生きた化石と言われているトカゲ、Tuatara(トゥアタラ)。まったく動かず、周囲に溶け込んでいるので、ガイドさんに教えてもらわなければ、見過ごしていたかもしれません。Tuatara通りみたいな感じで、一匹ずつ並んで、ひなたぼっこを静かに楽しんでいました。

画像23

これは、街中で見かけたジーランディアの広告です。絶滅危惧種のHihi(スティッチバード)が見れなかったのは残念ですが、満喫、満喫。500年後に私はもちろんいませんが、プロジェクトが予定どおりに完成して、ニュージーランドの生き物たちがのびのびと過ごせる場所になっているといいなあ。

ということで、たくさん歩いてお腹が空いたので、ジーランディアのカフェでランチです。

画像11

うっそうしたジーランディアの森を見下ろす、ゆったりとした、素敵な雰囲気のカフェでした。味はまあまあかな。

帰りは、無料のシャトルバスで、ケーブルカー乗り場まで行きました。私たちしか乗っておらず、運転手さんが「Thank you for riding」と声をかけてくれました。早く再び、このバスが訪問客でいっぱいになる日が来ますように。

画像12

13年前に家族3人で訪れたケーブルカー乗り場。

画像19

隣接のケーブルカーミュージアムには、昔のケーブルカーが展示されています。とても小さなミュージアムで、初めて訪れた当時はものすごくにぎわっていましたが、この日はがらんとしていました。だれもいないお土産屋さんで絵葉書を買って、ここから、ボタニックガーデンを通って、てくてくと街まで下っていきました。

画像13

ぽつんとたたずむ、ヘンリー・ムーアの彫刻を眺め、

画像14

立派な日本庭園を通り過ぎて、

画像15

お目当てのバラ園に到着。広々としたガーデンに、秋バラが思い思いに咲いていて、散策する人々がちらほらいました。暑すぎず、風もさわやかで、穏やかな雰囲気だったのですが、私たちが温室の中に入ったとたん、ごおおと大きな音がしたかと思うと、突風が吹き荒れてびっくり。噴水の横でくつろいでいた親子連れは、身動きもできず、ぶんぶん吹き荒れる噴水の水をかぶって大変そうでした。私たちは、写真を取ることなど思い浮かばず、温室の中から横のカフェのイスが吹き飛ばされているのをただ茫然と見守っていました。数分ほどでしたが、さすが、風の街、ウエリントンでした。

画像16

ボタニックガーデンを出て、古い墓地の横をさらにどんどん坂道を下ると

画像17

国会議事堂、ビーハイブが見えてきました。

街中のフードコートでお茶をして一服してから、

画像20

海辺まで行って、しばし、ベンチに座って、ぼおっと海を眺めた後、

画像20

海に面して建っている、ウエリントンミュージアムをさらっと見学。もともとは倉庫だったそうで、重厚な木造建築です。展示物は、日常の道具や広告など、ニュージーランドの人々の生活を垣間見るものが中心でした。無料なので、のんびりとした雰囲気を味わいたい、博物館好きの時間がある方はどうぞ。

画像21

この後、いったんホテルで休憩した後、今度は夕食に繰り出しました。あちこち、うろうろして、結局、ピザが食べたい気分だったのと、とってもにぎわっていて良さそうだったので、Pizzeria Napoliというイタリアンに行くことに。

画像22

欲張って、ピザとカルゾーネを頼んだら、お腹いっぱい。とってもおいしかったのと、きめ細かいサービスが素晴らしかったです。

ということで、この日はよく歩き、よく見学し、よく楽しんだ日でした。(その7に続く)





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?