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VRChatの最新情報を追え - アップデートの流れと見るべきもの

変化の激しいVRChat。いかにして最新情報を追いかけ、来たる変化に備えるのか。

こういった情報をまとめているものを見た記憶がないので、私の見ている・理解している範囲で書き記しておきます。


VRChatのアップデート

すべてのプレイヤーに影響のある変化として当然ながらVRChat自体のアップデートがあります。具体的にどのような流れでアップデートが進んでいくのか把握しておくと、見に行くべき情報を考えやすくなると思うので紹介します。

現時点では、アップデートのステップは概ね以下のようになっているのではないかと思います。

  1. VRChat社での企画・設計開発

  2. クローズドベータテスト

  3. オープンベータテスト

  4. Release Candidate (RC)

  5. リリース

1. VRChat社での企画・設計開発

当然ですがVRChatが何かを検討し動き出さないと始まりません。定期的に開発ロードマップの検討とかをしているようです。もちろんこの時点では情報は非公開です。後々、Developer Update(後述)などを通じて一般のユーザーにも情報が共有されます。

2. クローズドベータテスト

新機能の内容によっては、ごく一部のユーザーを招いてクローズド(非公開)なテストを実施しているようです。最近の事例ではクリエイターエコノミーのテストがDeveloper Updateで言及されていました。

3. オープンベータテスト

一般のユーザーが参加できるオープン(公開)なテストです。通常、リリースまでの間に複数回アップデートされます。また、新機能の内容によってはベータ版VRCSDKも提供されます。

新機能や変更点を実際に利用してもらうことでフィードバックを集めたり未知の不具合を洗い出すこと、すなわちテストが目的であり先行体験版ではありません。不具合や不服な変更があればCanny(後述)へのフィードバックが推奨されます。むしろ何も言わなければそのままです (誰も消防車を呼んでいないのである!)。アップデートとテストを繰り返し、リリースしても大丈夫だと判断されるとRelease Candidate(後述)に移行します。

オープンベータには以下の方法で参加することができます。なお、お知らせに「it's network compatible」の記述がある場合、いわゆる世界線の変更はありません (NOTがある場合は世界線が変わります)。

■PCでオープンベータに参加する場合:
Steamのベータ機能で配信されます。
1. SteamのライブラリでVRChatを右クリックし「プロパティ」を開きます。
2. 「ベータ」タブを開き、「なし」を「open-beta - Open Beta」に変更します。
3. VRChatがアップデートされてライブラリの表記が「VRChat [open-beta]」になったら準備完了です。

場合によってはOpen Beta以外のベータもあります。(IK Betaなど)

■Questでオープンベータに参加する場合:
Meta StoreのApp Labで配信されます。
1. Meta Storeで「VRChat Beta」で検索するか https://www.meta.com/ja-jp/experiences/4821132827998004/ を開いて「VRChat Beta」を入手します。
2. VRChat BetaをQuestにインストールします。
3. QuestでVRChat Beta (通常のVRChatとは別アプリ)を起動します。

4. Release Candidate (RC)

各オープンベータでの最終アップデートであり、リリース候補となります。特に理由がなければ、これと同じ内容で正式リリースが行われます。なんかリリースに移行するまでの時間が短すぎてほとんどテストできないんですけど、そこのところどう思ってるんですかねえ。

5. リリース (Live)

オープンベータのアップデートを繰り返し、RCのテストが完了すると正式版として公開されます。各種お知らせではLiveとも表現されます。VRChatのアプリがSteamやMeta Storeを通じて配信され、アップデートがすべてのユーザーに行き渡ります。

最新情報を追うために見るべきもの

最新情報を入手する情報源を並べていきます。なお、この記事で紹介する情報源はVRChatから公式に提供されているものに限定します。たいていは有志の翻訳やまとめを参照すれば十分ですが、可能であれば英語の原文を追うことが望ましく、かつ速いです。

公式Discord

おそらく全てにおいて最も早い情報源です。たくさんのチャンネルがあり圧倒されますが、この記事においては下の2つのお知らせチャンネルを見れば十分です。それぞれ以下のお知らせが投稿されます。

  • #announcements

    • 正式リリース

    • VRCSDKおよびVCCのアップデート

    • Developer Update

  • #open-beta-announcements

    • オープンベータのアップデート

    • ベータ版VRCSDKおよびVCCのアップデート

チャンネルリスト左上の「チャンネル&ロール」から以下のロールを自分に付与することで、お知らせの通知をメンションとして受け取ることができます。

  • Updates

  • Open Beta

  • Dev Updates

  • SDK Updates

お知らせの通知を受け取るためのロール

Developer Update

VRChat開発チームからDeveloper Updateという記事または動画の形で、新機能の告知や最新の開発進捗の紹介が行われます (現在は約2週間に1回)。「開発者アップデート」の名前のとおり、技術的な内容を多分に含みます。ここで初めて発表される時点では構想段階やプロトタイプであることも多く、実際に我々が利用できるようになるまでには少し期間があります。

リリースノート

それぞれVRChat・VRCSDK・VCCのアップデート内容をまとめた文書です。Discordでのお知らせと概ね同じですが、たまに内容が食い違っていたりするのでその時は要確認です。過去のアップデート内容をさかのぼって確認することもできます。

公式ドキュメント

サイトが分かれていて取っ散らかっている感じがありますが…上から順に、VRChatアプリ本体・VRCSDK・VCCの各ドキュメントに相当します。お知らせでは説明しきれない技術的な詳細が記載されています。

VRChat Feedback (Canny)

VRChatへの機能要望や不具合報告をするための場所です。プラットフォーム名であるCannyと呼ばれることが多いです。各トピックに対して投票 ([^]ボタンを押す)をすることで、注目度をアピールすることができます。そのため、起票後はXで投票の呼びかけをすることも多いです。

トピックは膨大ですべてを追うことはまず無理なので、Xで見かけて興味を持ったものを読んでみるところから始めてみるのが良いと思います。

書き方については本記事のスコープ外なので省略します。

公式X (@VRChat)

https://twitter.com/vrchat

普段は告知とかなんかいろいろなことをポストしているだけですが、唐突に新情報を差し込んでくることがあります。

おまけ:Server Status

VRChatのサーバー状況を掲載しています。VRChatのログインなどの動作がおかしいときに覗いてみると、なんかサーバーの調子が悪いんだなあ、と察せることがあります。それだけ。

追記:open-beta-discussionなどのチャンネル、フォーラム、GitHub

当初は紹介していなかった情報源です。他と比べると必要に応じて見に行く使い方が多いのではないかと思います。私はCreator Hubの動きは追えていなかったので助かりました。

おわりに

この記事ではVRChatのアップデートに関わるステップと、最新情報を追うための情報源についてまとめました。

一介のプレイヤーが通常ここまで情報を追う必要はないはずですが、ツールの制作をしている場合などは最新の情報を追うことで素早く余裕をもってアップデートに追従することができ、ある程度安心ができます。
それはそれで、互換性が話題になる前に対応が済んでしまって、いざアップデートが来たとき既に最新環境へ対応済みという情報が広まらないという難点もあるのですが… (普通の人より問題を起こしてから更生した人の方が注目される、みたいな…)

ちょっとしたことでもよいのでオープンベータのフィードバックなどをしてみると、VRChatというプラットフォーム自体に関われてなかなか面白い体験になるのではないかと思います。アップデートに振り回されるのでなく、むしろ乗りこなしてしまいましょう。

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