『アリさんとキリギリス』
アリは『具象』、キリギリスは『抽象』。
誰もが知ってる有名な寓話のキャラを借りて、具象・抽象をわかりやすく説明しようという試み(たぶん)。
読者の誤解を招かぬように、かなり早い段階で(議論が本格的に進行してゆく前に)こんなかんじの心配りが。
安易に人間を2色に分けてはならない。この議論ではそーゆうことがしたいわけじゃないんだ!という宣言です(たぶん)。
でもさ・・・・
ってことはですよ?
キリギリス側にはいくらでも「混在」が起こり得そうですが、果たしてアリ側はどうか。キリギリスのように「いくらでも」とはいかんハズです。
アリから見えるのがキリギリスの「ほんの一部だけ」であるならば、アリ側の混在可能エリアはこの「ほんの一部だけ」ってことになんないか。
キリギリスは手持ちの全部が可能エリアなのに、アリさんのエリアはほんのチョッぴり。両者の間には結構な格差が生じてしまうのではと思わずにいられない。
こうなってくると、胸に留めておいたあの注意書きも威力逓減。
刺された釘がもう半部くらい抜けちゃってるような体感あり。
そもそもこのアリ(具体)とキリギリス(抽象)って構図はたしか、シリーズ前々作の『具体と抽象』では動物(具体)と人間(抽象)の配置でしたよね?
なんていうかーーーアリさんが不憫です。
そして最終章のテーマは『アリとキリギリスの共存は可能か』。
キリギリスになる方法が書かれているのではありません。
先生の解答は、スパっと『適材適所』でした。
95/200 2024.4.17.
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