レビュー【ずっと独身でいるつもり?】

アマプラ公開されたので、早速鑑賞。
軽い気持ちで観始めましたが、思いのほか刺さる刺さる。
※以下レビューはFilmarksへの投稿の転載です。

かつては3B、いまは3C 。(ほんと?)

田中みな実さんの配役、演技力はもちろんなのだけど、パブリックイメージ所以の説得力がすごい。

TPOで口紅の色を選んだり(そしてそれは恐らく本音ではつけたい色じゃなかったり)、ちらと覗いた白髪をマスカラついでに塗ったり、口紅を握りしめて号泣する姿は、女性ならではの細かい感情表現だなあと。

ゴールも正解もなくて、幸せなんて人それぞれ。だけど苦しくなるとつい隣の芝が青く見えて、その青く見えた芝にどんな苦労が注がれているのかに全く気づけなくなる。

とどのつまり、誰と一緒にいても、もちろん一人でいても、きちんと自分を持って逞しく生きていこうよ。というお話。
そして、既婚とか未婚とか子持ちとか関係なく、みんなみんな、頑張って踏ん張って生き抜いていて、それだけで十分偉いよ。支え合ってこうよ。というメッセージ。


あなたは今、幸せですか?
私は、幸せです。

曇りなくそう言える生き方が出来たら、きっとそれが一番素晴らしい。

たまにふらっと現れる、何してるのかよく分からない自由人の親戚のおじさん、かっこいいよね。

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ここからはレビューを離れた戯言です。

まみさんのお母さんが、まみには私みたいになってほしくない。と言うシーン。
これは娘の幸せを願う言葉でもあるけれど、呪いの言葉でもあるよなあと思う。
この作品においてはそういう側面はないのだけれど、家庭を持った後悔、仕事を辞めた後悔、気づいた時には働く術や自立する術を失っていた後悔、後悔しているけれどそこから動き出せずじまいだった後悔、そういう後悔の感情をぎゅぎゅっと凝縮した「あんたにはこうなってほしくない」を、幼少期から刷り込まれると、それは一種呪いに変わるのです。本来望まぬ歪な逞しさを生みます。

#ずっと独身でいるつもり

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