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TakamineギターのLTDモデル、カスタムモデルの足跡を辿る(中編)

クロサワ楽器名古屋店で店長をしております岡崎です。長年アコースティックギター担当も務めております。

本当はLTDにヒントを得て開発したカスタムモデルのご紹介する記事を書こうかと思って始めたのですが、過去モデルも掘り下げたくなった今日この頃、今回も前回に続いて過去にリリースされてきたタカミネ楽器のLTD(Limited Model)を振り返ってみましょう。カスタムモデルについてもそのうち出てきますので最後までお読みいただけると嬉しいです。

さて、2017年に発表されたLTDから。

LTD2017 MAGOME

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タカミネ楽器が本社工場を置く、岐阜県中津川市には中山道の宿場町である馬籠宿があり、今なお風情ある家並みが佇んでいます。「LTD2017-MAGOME-」は歴史と文化が刻まれた街道、中山道【馬籠宿】をテーマにしました。ボディシェイプには700シリーズを採用。オーディトリアムならではの優れた音量バランスは、フィンガーピッキングの繊細なタッチを忠実に表現し、またコードストローク時にも立上りの良さを感じて頂けます。プリアンプには真空管を使用した「CTP-3(TDP)」を搭載。真空管ならではのウォームなサウンドはアコースティックギター本来のナチュラルな響きを表現することが可能です。

Takamineと聞いて黒いエレアコを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。「LTD2017-MAGOME-」はメーカーの代表的なモデルの印象もあるブラックフィニッシュのボディに限定品ならではの純和風を思わせるインレイワークが施された傑作です。


LTD2016 DECOY

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630mmショートスケールから得られる高い操作性と、抱えやすいスモールボディーが特徴の100シリーズボディシェイプを採用。真空管搭載プリアンプ「CTP-3(TDP)」を使用することで、アーチトップ&バック仕様ならではのまろやかなサウンドをより際立たせます。指板インレイには高峰楽器が本社工場を置く岐阜県で盛んに行われる、「鮎掛け」と呼ばれる伝統的な釣法をデザインしました。美しいトラ杢のフィギュアード・メイプルボディには、鮎が棲む岐阜の清流をイメージした翠色を着色し、清らかな川の流れを表現しています。


LTD2015 RENGE-SO

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新設計した真空管プリアンプCTP-3を携えた、2015年度限定モデル『LTD2015 RENGE-SO』蓮華草をモチーフに指板、ピックガードに
インレイを配し、ブラックビューテイーなデザインに仕上げました。
地元愛にあふれるタカミネギターらしさをインレイに体現していこのモデル、蓮華草は岐阜県の県花に指定されています。ギターには花のインレイが良く似合います。SOLID SPRUCE、BACK&SIDE : SOLID ROSEWOOD、FINGER BOARD : EBONYというアコギの王道的な仕様を備えたモデルでした。

やりすぎない程度にとどめたインレイワークは個人的にもちょうどいい派手さ加減。これ以上やると弾くためというより飾るため、な要素が増えて行ってしまうかな。(あくまで個人の意見です。)うん、ちょうどいい。


LTD2014 -Grouse-

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TAKAMINEの新たなボディシェイプとなるラウンドショルダーカッタウェイ【800シリーズ】を採用。12フレットジョイント、メイプルサイドバックから生まれる豊かな倍音と630mmショートスケールによる弾き易さを実現。指板、ピックガードには地元・岐阜県の県鳥である「ライチョウ」を配しました。世界限定生産52本となります。

今でもレギュラーモデルを生産している800シリーズは元々、Gibson J-45で有名なラウンドショルダーシェイプをヒントに当時新規採用ボディシェイプでした。J-45との差別化の目的もあったかと思いますが、12フレットジョイント、カッタウェイの2つの個性を持ったモデルでしたね。

グロウス(雷鳥)も岐阜県の鳥です。ハチドリをあしらったGibsonのHummingbirdのニュアンスも感じますね。当時14フレットジョイントバージョンでボディサイズを変更、色違いのカスタムモデルを4、5本発注しましたね。2014年ですから御茶ノ水のDr.Soundに在籍していた時の話です。


LTD2013 PEAK

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昨年の50周年を境に新たな一歩を踏み出し、【 頂点 】を目指して行くという意味も込め『PEAK』と名付け、指板インレイにはその“頂”を目指していく様を表現しています。新規設計のブレイシングで、12F[フレット]ジョイント/630スケール/ワイドネックで弾きやすさを追求しました。
とメーカーサイトにあるように2012年は高峰楽器の50周年で

記念モデルも発売した年でした。翌年の2013年にはこのPEAKがリリースされます。他のLTDと比べても比較的安価で弾きやすいボディシェイプだったこともあり人気を博しました。

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という事で駆け足でさかのぼってきたLTDモデル、次回は2012年に発売された「LTD 2012-Michi-」、それとようやくカスタムモデルのお話です。

後編に続く

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