マガジンのカバー画像

まくらのそうし

210
日々の風景、周りの自然などを綴ったエッセイです。毎日更新。1話は原稿用紙1枚ほどです。田舎暮らしの風景をお届けします。
運営しているクリエイター

#エッセイ

【エッセイ】 冬支度

 秋は春と似たり、渡りの鳥のやってきて、あちこちさえずり、やかましい。  一体どこから来…

【エッセイ】 ゴーヤの山

 夏野菜のキュウリやトマト、体を冷やすものならば、秋には扱いも困るものだが、その最たるも…

【エッセイ】 網戸の小蜘蛛

 一センチにも満たない、コガネグモの幼体が小さな網を張っている。大人たちと同じように、き…

【エッセイ】 台風と夏の終わり

 台風が夏を連れ去ったようで、涼しさではない、寒さが山を覆う。  今年初、が多い今年とい…

【エッセイ】 女郎蜘蛛の天下

 ジョロウグモばかりの年である。  こんな年は珍しく、例年、コガネグモの天下であるが、そ…

赤い人工物

 台風過ぎて、夏のものは終わりに近づく。  トマトなど、毎年のことながらてきめんで、一気…

根を張って生きる

 橙の木の、それは接ぎ木苗であったのが、台木のほうが成長し、接がれたほうは滅んでしまう。  そもそも接ぎ木苗というやつは、病害虫に強い台木の上に、病害虫には弱いが、食味が良かったり、実のよく成る木を接いだもので、するとその木は台木と接ぎ木の特性を併せ持つ、人間に都合の良いものとなり、重宝されるものである。  人間で言えば、病弱な天才の首から上をちょん切って、アスリートの頑強な肉体に接いだというようなものか。  しかし、これが上手く行くと思いきや、アスリートの細胞が首から

公園にブルーベリーがあればいいのに、と思う

 グミやスモモは一気に成るが、ミニトマトやブルーベリーなど、ぼちぼち成って、毎日小鉢一杯…

アブとトンボと散歩道

 今年のアブは凄まじく、山だけでなく、町まで出るということで、まさにアブの当たり年、人は…

小さな尺取り虫

 小鉢に摘んだブルーベリーに、細い細い糸くずが、よく見れば懸命に尺を取っている、小さな尺…

暑さ寒さも彼岸まで

 暑さ寒さも彼岸までとは言うが、ここらで暑さはお盆まで、といったところ、そこを過ぎれば一…

【エッセイ】 白い梅干し

 今年も結局、白梅干し、天気も読めぬ山ならば、博打のように見繕い、太陽の下に梅を並べる。…

【エッセイ】 つゆくさ

 子供の時以来、あまり見ることのなかった花だからだろう、露草の青は古び、懐かしさばかりを…

日課としてのブルーベリー

 ブルーベリーがたわわになって、一度に色づくわけでもないのを、黒くなった実だけを取って、そのまま口に放り込む。  太陽の熱を取り込んだ実は温かく、果物は冷やして食べるというのが「普通」であろうが、それでは生気が大人しい、そこにあるものをそれのまま、食べる方が身にもなる。  ところで、このブルーベリーも艶やかに、黒光りして美しければ、細工などすることもない、あるいはリンゴがぴかぴか光ると言って、これは薬やワックスが塗られているんじゃないかと訝る人あり、リンゴを食べても、リン