Twitterに書いた言葉たち(671~680)

671)小さな突起物
額から生えてきて
角のような
植物のような

672)尾ひれが綺麗で
夜明け前の慾望みたい

673)幸福に冥い翳を落とすのは
いつかの亡霊ではないか
部屋の隅に佇んで
声を真似て話し掛けてくる
無言の謝罪が傘から滴り
蝙蝠が去ったばかりのベランダ
見上げた月の顔が
あまりにも貴女を彷彿させる

674)折れた枝が重なります
枯葉を燃やす準備だけ出来ていて
だけれど火がないのですね、
アナタの中で幾億の夜を迎えても
去ってゆくだけの現象でしょう

675)少しずつ少しずつ
腐敗してゆくような
言語化されなかったものが
氾濫したら決壊する

676)爪がスルスルとのびて
どこまでも朝を貪るので
丸くなった殻を集めて
昼は焦がれるのです

677)深夜に放送された蛹から
産まれ落ちた風の悲哀
(道連れと共連れの差異)
病んだ時はこれを食べてね」
皿の上に遺された果物
「魂を浄化してくれます

678)遡って溯ってゆくと
光の川に似ている
誰か遠い祖先の声が
神様に等しい愛に触れて
ふとした瞬間に
近しかったそれが
急速に離れてしまう
そしてそれが
今でも残されて
チカチカとしているのだ。

679)かわいた骨が落ちている
拾うと音もなく砂と化す
風の行方を尋ねるように
消えてゆく先へ視線は走り
装飾的な植物の絡まり合う
仄暗い意思を見てしまうと
養分だ」とは言えないか?
口篭った言葉が渇いている

680)お前の煤けた肌と
私の凍てついた皮膚

私達は廻廊を走る

おまえ達を赦すことは出来ない
復讐する
一族の血が燃え落ちたあの日
私は誓った
同胞の絆が脈打つ

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