Twitterに書いた言葉たち(641~650)

641)それは咲かないです」
蕾は膨らみました。
飲み込んだ言葉も同様に、

鶯が鳴き方を憶えるまで
近くに居てくれませんか?

啄んだ冷たい言葉も
春には溶けて消えてしまう

喉元で飲み込んだ言葉が
ぐるぐると回転していました

それは咲かないです」
常識を覆す生命力が
いま 開こうと膨らんでいます。


642)誰かのカナシミが染み込んで来たので、夕日を見れずに布団の中で眠った。吸い込んだ花の馨は今日も優しくて寂しい。(これは誰のこころですか?)夜がベランダで踞っている。耳の後ろでさらさらと川が流れていて、それが愛だと知るには未だ幼かったので耳を塞ぐ。血の海が体内で沸騰する。次は誰になる?

643)薄く輪切りにされる感傷
性感帯の所為にして
緩やかに死滅する
泪の代わりに星が光った
さよなら の 花束
ポケット の 鍵束
束の間、夢をみる
真白な誘惑を躱して
ピストルが落ちる。
硝子細工の街に火が灯る
あの男は影がないのだ」
誰かの声が葬列を示す
鈍く熱を発して声は震え
二束三文で売る


644)樹状に走る雷鳴:明暗の分裂:劣情の誘惑:幽霊と逃亡:冒頭に歩む暴落:落雷とリヒテンベルク図形

645)彼は黒板を消してゆく
裸体像の背中には
逆さまの大樹が描かれ
仰け反った髪は夜
湿った風を呼んでいる

646)(わたし)が(あなた)で在ったとき
そこには(空白)の(虚無)を孕んだ
(あなた)が(わたし)に過ぎない幻

647)煙に巻く紫と青と黄色
襞の中で想うのは甘い
否それすら赤いのは白
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狼煙を上げてください
少年の口からこぼれる
優越感を憶えた思春期
反抗的な犯行は劣等感
挟み込んだ手と脚に腰
握った首から電話の線
引っ張って来た期待値
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背骨を撫でて狂気走る
血眼

648)女の柔い腕の白さ
空の水で洗濯しました
(首飾りの貝が呟く泡)
女の黒い髪の長さ
夜の風で梳かしました

その木の下に並んで
美しいものばかり集め
(これでもない、)と飽き性。
繰り返す言霊が抜けてゆく

滴る赤に啜り泣く声
さざ波の微かな音
紛れ込む薄闇の羊歯類の陰翳
湿地帯で沈んでゆく面影


649)現在から抜け出せずに
永遠に薔薇の下
獣のにおい/ピストル/乾いたナイフ/血染めのハンカチーフ
置いてきた時代の片割れを
何時までも埋葬している
墓守の歌を聞いたか?
月が翳って蒼白い
今、お前の声は届くか?
(静かに引き金を引いた)
それは言葉だったか
それは愛だったか

650)剥がれ落ちそうな花弁から
噛みちぎって)咀嚼して、
夜には一際 薫り立つ
花芯に点火して緩やかに溶かす。
生命の起爆剤を添えて」


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