Twitterに書いた言葉たち(561~570)

561)夜更けに花芯は凍てついて
痛々しい傷口を抉るだけの愛撫
鮮血は逃げ場を失って
鳩が滲んでゆくのだ
何千回の成就か
何億年の庇護か
柔らかに突出し角は口実
硬く強度を増して如実化
赤らんだ膨らみが削げ落ちて
ひとひら断片を味わった
連鎖の不遇を嘆いて
揺り動く安息のアンソロジー
安楽椅子の獣

562)張り詰めた喉が引き裂かれて
ボロボロと零れてった
夜半に虚ろな花を噛む虚像
眠たげな花瓶の液体が脈打つ
不穏さを愛する癖に矛先が自分に向く事を恐れているね
口は災いの元ならば嵐はいつだってバタフライエフェクトの使い方次第
蕩けた蜜瓶で蜂が溺れかけて眠りについた
時間は瞬き程度
それが永遠

563)愛想笑いは要りません
本当に触れてみたい
心音がズレてゆく
遠雷が光ばかり届けます
寝不足は心身を蝕みますか?
どれもこれも甘過ぎる
致死量に満たない癖にね
口の悪さを抓って折檻される
恐ろしいは暴風雨でした
二度としない/二度はない
白く透き通った首筋を撫でて
冷たく固い花を沈める

564)鈍い音が耳に残った
反響は遠い幻のようで
興味的な虚偽を観測する
地点から移転する遺伝子
のまつろわない末路
戦々恐々として居ますよ
語尾は軟らかに失意を混ぜ込んで
昼には翻ってゆくものですから
言葉は吹けば飛ぶくらい軽い
根付いた裏打ちされた声が中心点を真っ直ぐに降りてゆくので眠れない

565)待ってます貴方が此処まで堕ちてくるのを待ってます貴方が此処まで狂って尚笑っているのを待ってます貴方が此処まで感情的に感傷を棄てるのを待ってます貴方が此処まで言葉に憑かれてゆく肢体を曝すのを待ってます貴方が此処まで体温を維持してやって来るのを待ってます貴方を此処でずっとずっとずっと


566)言葉に耽溺して?
足りないくらい
飢えて餓えて
欲しがって
声が音になるまで
待って堪えて悶えて
一層孕んで育てて
腹の底に飼い慣らした獣が
唸っても噛み付いても
巧く躾て外に出してみせて
そこで化け物って呼ばれて
初めてアナタに触れられる
言葉に憑かれていらっしゃってね
それがとても素敵。

567)不気味と呼ばれるものは
醜いだけでなく
美しいを内包して
毒を以て毒を制す行為
薬なら愛されたのにね?
使い方が分からないから邪険にされる?
自身に即さないものに人は動かされない
ソコに在るもの
底に居るもの
抉るように引き摺りだしてやりたい
本能のままに此処まで深く
魅せて欲しい
熱暴走

568)主語を剥ぎ取ったものが落ち着かないなら人らしいものに惹かれるのは道理
失意の底にあるなら絶望の縁に立たされるのだ……希望があるばかりに。
啜った血液検査の結果、あなたの適性が確認されました。
失楽園で会いましたか?
記録は抹消済です。
/記憶に御座いません記憶に御座いません記憶に…….

569)流れてゆく海の味に原始的な記憶は拒否反応を起こす/厭なんです、あの臭気が/潮の満ち干きが/ゆるせない/半開きの口から貝殻がガラガラと吐き出される/呪いですね、歪んでいます/ひたすらとめどないことを暗記して/業が深いですね/流離う雛に移した末裔の癖に/愛おしい、なんて避けてゆく/足跡を辿って


570)寝る間も惜しんで?いいえ、眠れないから?いいえ、言葉に占拠されて?いいえ、接続してしまったから?
そうかもしれない
うそかもしれない
打ち寄せる波から粒子が舞い上がるのに似ている
掌が透けてゆく
あたし・ココに・いるかな?
魚が跳ねた
あれは月だよ
真白な腹さ
揺蕩う水の上
お前は水母だ


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