Twitterに書いた言葉たち(631~640)
631)わかるところまでがあなたの限界ですよ。氷山の一角を叩いたのですか?それとも地層を掘りましたか?否、もしかして釣ってました?可笑しい程に愚直であるだろうけど、ね、ね!あなたの限界を教えてくださいよ。私の輪の中であなたの(しせい)を見せてくださいよ!ねー?ことももちろんです、子が複数
632)少しずつ狂って清浄へ近付くのだから正常な判断は基本的に他人事ですよ。咀嚼して咀嚼して咀嚼して飲み込んで?飲み込んだ?太陽と月と星と大地と雨と水と海と川と山と森とそれから、それからね!残さず食べ尽くして燃やし尽くしたのだからね、ね!約束して。ずっと裏切らないでね?書いてね!全部を。
633)すみれの花を砂糖漬けにして
時計鰐がときを食べる
あの幹の中で立ったまま
睡るのはだれでしょう
少しずつ溶かされる冬の音が
ここまで流れてきました
さびれた街角で外灯がともる
それからわたしたちは
(ひどいだけのあらゆる)
ことばをわすれてしまいたいね
出来もしない約束と指切った
帰り道に。
634)みつばちの守ってきた家です
小さなかわの近くで声がします
何でもかんでも忘れてしまったら
ここにはもう二度と来ないので
さよならのかわりに
お守りをひとつだけ渡します
この言葉だけ忘れないでね
どうかどうかだいじにしてね
それからこれがだれの言葉なのか
あなたはきっと忘れてしまうけど。
635)やさしい声とことばに
あなたがだまされないように
ここからは糸電話ではなしますね
(はろーはろー)
夕暮れはきれいでしたか?
それだけで救われた気になって
ふあんの正体をくるんでしまうの
夜中にそれが大きくなって
眠れなくなったとしたら
今度はひつじに呼びかけて
星の子のはなしをしよう
636)ぼくらのかなしい言葉たちが
詩になれずにあそんでばかりいるよ
月にぶら下がったり
風にのってみたりしてね
こどもの耳元でこそこそ話してさ
夢の中でしあわせについて
そっと教えているみたいだった
前髪を揺らしてブランコにしてる
そうだね、ぼくらのさみしい言葉たちが
やさしくあれたらいいね
637)固く結んだ赤い紐
蝶々結びの秘事と
異形の夜半に飽和する
声と言葉が木霊して
着物の裾が揺れている
啜り泣いたらやって来る
歌うような口振りで
悪意を孕んで開花する
甘美な眩暈に酔いしれて
朝には金魚が落ちている
地面の上で飛べもせず
638)枝に止まった鳥の声
何処吹く風と囀って
誰も聴いてやしないのに
美しい歌響かせた
茜色した空の端
嘴つついて破裂した
暗転したならまた明日
今宵はこれにて店仕舞い
639)静かに、」
廊下で花びらの足音。
私たちは皆、透明だったから)
そうやって死にきれずに)
少しずつ溶けてゆく輪郭。
静かに、」
唇だったつま先が今はもう
(何も感じない)
少しずつ腫れ上がった感傷
やがて瓦解する細胞たち
(私たちは静かになってゆく(呼吸。
ぱっと光が差して(刺された
肉が骨を宿す
640)月夜に血液は滴り
青い輸血を求む
櫻の木の下で佇む
白い顔の女が樹皮に憑く
男は黙って堪えているのだ」
「視よ、幻に耐えうる現実を
東雲に枯渇する
土の下で末端絡まり
幾つの肉體を孕むのか
青白い女の顔が睡りに就く
男は無言を支えているのだ」
「聴け、現実に絶えうる夢を
[液體を啜る月夜]
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