Twitterに書いた言葉たち(571~580)

571)安直に安易な容易さで用意した
即席麺を作る君の孤独
身体には悪いが経済的観念だ
滴る内側の深淵に夢の縁で立った時
素足は肉体を冒涜する
湯気の出ない時間がジャグリングされる
哀しいくらい愛おしいね
感想文を送り付けて
舌舐めずりする獣
遊戯と実験に差異はあるか?
煮え滾る釜の底で消えてく

572)半紙は墨を吸う
黒は赤が交わって
重くなってゆく
ビードロの金魚は鑑賞される
言葉は飾りじゃないの
目から脳へ
脳から肉体へ
肉体の魂へ
蟲みたいに走ってゆくの
結んだ縁は簡単に切れたフリをする
言霊は浄霊されましたか?
音階に並んだ行列が蝋燭の火のように
揺れている揺れている


573)断片として残ってしまうでしょう
些細な情報です
テステス・テステス
一篇として成り立つことでしょう
断末魔の悲鳴です
テステス・テステス
ステンドグラスが光を宿した
ステレスが光を孕んだ
ステンレスが光を流した
テステス・テステス
まだ産まれない
まだ生まれない
まだ埋まれない


574)薄く山際が発光する
霞がかった空の端を引いて
朝がやって来る
白んだ空気に息を吹き返した
夢の終わりがやってくる
鳥の囀り虫の発声
発話する音色が呼吸する
萌黄色の芽も新緑のあくびをする
春が柔らかに膿んでいる
その中を泳ぐように誕生する
音符の調べが水に浮く
風がひかるまで歌っている


575)僕等は胎児
閉じた世界で夢を見る
産まれること
死ぬこと
僕等は望まない
閉じた世界で睡ってる
生きること
朽ちること
僕等は甘い夢を見る
まだ産声さえ憶えない


576)胸も背中もぺったりで
僕等は区別しない
甘やかな感傷も感情もない
嘔吐もないから区分しない
脈打つ音だけがすべてだ
僕等は生きていいですか?
それとも死んでいいですか?
母さん達が必死にお腹を抱えて
身ごもったのに
僕等ちっとも望んじゃいなかった
噴火する火山みたいだ
僕等の愛は冷えてゆく


577)精妙に巧妙に切り揃えられる
臍の緒を切り離して旅に出る

暗闇にひっそり沈んでゆく
それは浮かんでいるのかも

滔々と唱えられる言葉は名前だった
お父さんが太陽の手で触れてくれた

僕等それでも望まなかった
生きることや死ぬことさえ
望んでなんかなかったんだ


ミジンコみたいな縁で
僕等は誕生してしまう

怪物じみた妄想だ
僕等の魂は薄暗い

点火されてしまったら
燃え尽きるだけなのに

僕等は生かされて
僕等は死んでゆく

578)花は生命
生命は点滅
睡りと死は近しい
安らかであればそれで、
貴女と謂う物質は灰と骨になる
一時間近く待機する
遺族としての肉体
ともすれば血液
生も死も旅路です
夢も現も幻もすべて
まやかしかもしれません
貴女のすべてを言葉には出来ない
声に成らない言葉がいつか
この器の中で円環を廻る。

579)手首に張り付いた蝶が番を求めて磔刑に処される
(お前は破れないから失うのだよ?)
分かってくれ、お前には解らないことが此処には咲き乱れているのだ」
酷い有様です、何ですか……
爪弾かれる戦慄が尖った痕を赤く引き伸ばしてゆく
「愛してくれまいか?
濁した言葉が蠢いている
疼くので全部あげる

580)つま先から這い上がってきてね
粘液が濡らす脚の線をなぞって)
首筋が痙攣していますよ」
卑猥な怒声が浮かんでは消えてゆく

望遠鏡ですか?
いいえ、臨んでください!

シーツの中で数えた羊が残らず
夢に食われてゆく理由

美しいと美味しいですか、、
貴方の癖に悪意を見出して
綻びたのは己だ

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