現代詩フォーラムに投稿した詩:10

【床の間にストレリチア】

風の使者が運ぶ言霊
万能の極彩色
骨を啄む嘴は箸
白磁の欠片が罅割れた
その隙間から覗く髪

(骨は灰の中から産まれたのだ)

小声で囁く参列者の中で
鬼は女の顔で骨壷を見下ろした

回転灯がくるりくるり
水色 桃色 黄色 ゆらり 立つ影に角生え
酩酊の中で快い馨が漂う

足元の雲は仄かに明滅する
遠雷と沢山の拍手
ぬるりと鎖骨で滑る液体
手で触れると首から上が無い

意識は途切れ継ぎ接ぎ手繰り寄せ
長い黒い意図が壷の底へするりと落ちる
隙間を覗く め を抜いて
浄土の火へと焼べられる

(灰の中から骨は拾い上げてもらえるー再誕

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