詩「熱帯夜」

焼けるような暑さ
頭の芯からクラクラする
しかしながら夏がニヒルに決める
その虚無的な誘いには逆らえない

焼ける夕陽の朱
夜の闇、月明かりで過ごす
屋上に立つ
コンクリートが未だ昼の暑さを抱え
足下から煽るように熱風を寄越す
月に酔い痴れた頃
風が悪戯に冷たくあたり去る
熱帯夜

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