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一四零の庭苑 1巻 完結

1,000
X(旧Twitter)で毎日書いている140文字以内の短い詩たちです。 全1000話の第1巻となります。 マガジンのタイトルの意味は、X(旧Twitter)で140文字内で書いて…
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2021年7月の記事一覧

詩「たりない」

礼を尽くすには言葉がたりず 喜びを表すにも言葉がたりなくて 悲しみを哀しみを涙と共に押し出したくとも言葉がたりず 怒りに至っては言葉さえも浮かばなく 憎しみ恨み呪う言葉を紡ぐにも言葉はたりず …… 私はないものねだりを止め ありがとうとごめんなさいにたりずを込めた

詩「苦しみ」

苦しい 苦しいものは苦しい 食い込むほど拳を握り締め、ドン! 痛いほど机にその拳を叩きつけても苦しい 歯を食い縛れば食い縛るほど大粒の涙は止め処なく零れ落ちる苦しみ 胸など張れない 体は縮こまる一方で苦しみの痛みが己の全てを貫く 苦しみ 苦しみとは耐え難くとも只苦しむ時

散文詩「裏切られた期待」

期待は苦しい。 期待は心が苦しい。 裏切られた期待は『それ見たことか!』と心に投げつけられて。 大ダメージをくらった心は嘆き悲しみ収拾が付かない。 このオンボロになった心をどうやって慰めてやればいいのか。 今度はそこに神経が集中して心もまた削がれていく。 『助けて』

詩「鼓舞する」

己を奮い立たせろ 鼓舞するんだ 今がその時だろう? 膝を突く挫折する泣く そんな未来を君が勝手に見たとしても構いやしない 鼓舞するんだ今の君を 君が君自身を鼓舞するんだ どんなに格好の付かない言葉が頭に浮かんでもいい どんな姿だって身振りだって構いやしない 己をキメろ!

散文詩「花」

貴方は花だ。 美しい花だ。 君も花だ。 綺麗な花だ。 人はね、花に憧れるんだ。 綺麗だ可憐だ、とね、焦がれるんだ心を寄せる。 その気持ちは花に向けられ。 例えた人に向けられ。 愛を表す。 だから言う。 美しい花と。 花のように美しい人と。

散文詩「人は壊れる」

人はね簡単に壊れるんだ。 『なぜ?』てそれは心があるからさ。 じゃぁ人に心が無ければ壊れないのかって? いいや壊れる。 それは肉体があるからさ。 「どうしたんだい? 俯いて」 しかし気にすることはないのさ。 人とはそういう生きものだから。 それが自然の摂理さ。