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大学院に行くか、就職すべきか。って確かに大きな問題です。

とても気になるnoteをめがねシャチョウさんが書いていましたので、私の考えを追記させ頂きたいと思って私もnoteを書くことにしました。

めがねシャチョウさんのnoteでは理系と文系の院進のメリット・デメリットに分けて書かれておりますが、私自身は理系の大学院を経験しておりますので、文系大学院のことではなく、理系大学院のことを書きますのんで、ご注意下さい。

私の場合は、学部→大学院修士課程→就職→大学院博士課程→米国NCIへ研究留学→産総研→国内製薬企業→クラリベイト・アナリティクス→現職エバリュエートというキャリアを経ています。

もうちょっと詳しめに書いたnoteは以下にありますので、もし良かったらどうぞ。博士号取得者のキャリアパスは広がりつつありますよ!


さて、簡単な自己紹介が終わったので、理系大学院へ行くか・就職するかについてめがねシャチョウさんの内容に沿って自分の考えを書いていきたいと思います。

まず、理系のメリットとしては、高い専門性を身につけることができる点です。大学院は世界最先端の技術と現場を体験し、その研究に関わることができる場所です。

専門性を身に着けることが出来ると思います!本当の意味での専門性をと考える場合は、修士課程ではなく博士課程まで行く方がベターだと思いますが、企業に就職してから博士号を取ることも多いと思いますので、専門性の磨き方にも色々あると思います。

大学院には修士課程と博士課程があり、修士はライトな気持ちでも進学しても良いと思いますが、博士課程は研究者になりたいという気持ちは必ず必要だと私は思います。

四年制の学部生と異なり、研究や論文発表を通して世界中の学生や研究者と議論するチャンスが多いので、あなたが学びたい分野において高い専門性をつけることが出来ます。

修士課程(2年間)の間で論文発表ができるかどうかはかなり運に左右されるような気がします。4年生から研究室に所属することが多いと思いますが、4年生の1年間と修士の2年間で論文がAcceptされるまで持っていくとすると、修士1年後半には論文を英語で書いて、目的の学術誌にSubmitして、即RejectやReviewerとのやり取り、追加実験などの障壁をクリアする必要があり、研究というよりも実験初心者の4年生から2年以内に良い結果を出すのは運次第に感じてしまいます。

一方で、学会に参加するなど対外的な世界を垣間見ることもできますし、その際の発表(ポスターか口頭)では色々な研究者と議論を楽しむこともできるので、とても良い経験ができるのは院進してからかなと思います。

博士課程に行くとなると、筆頭著者論文がないと博士号を取得できないパターンが多いと思うので、論文発表は必須となります。ただ、自分で考える力は博士課程に行ってからかなりついたなぁと思っています。

次に、就活が有利になる点です。大学院の研究室や教授による推薦で、自身の研究に関わる仕事に就職できる可能性が非常に高いです。あなたが働きたい業界があなたの研究内容と大きく関係する場合には、企業の即戦力として研究職や開発職などのやりたい分野の仕事に就くことができるでしょう。実際、大手企業の研究職は、大学院卒しか募集していない会社が多いので、研究職を目指す方は大学院進学を考えるべきだと考えます。
一方、デメリットとしては、就職の間口が狭まります。特に、ニッチな専攻分野であればあるほど、他の職業への応用が難しいので、就職できる幅が限られる恐れがあります。このように、あなたが高い専門性をつけることによって、就活の選択肢が狭まってしまう恐れがあります。

有利になることは確かにあります。私も産総研から国内製薬企業への転職は教授の推薦がかなりパワーを発揮してくれましたから。

それと現在においては、修士卒や博士卒の就職環境も依然と比べると改善してきているように感じまし、私自身もそうですが、博士号取得者などの研究職以外のキャリアパスについてもかなり広がりを見せていると思います。なので、そこまで就職を心配しなくても大丈夫かなというのが私の肌感覚です。

理系大学院の進学のデメリットは少ないですが、大前提としてあなたが専攻する学問と心中するような強い覚悟が必要です。その覚悟がないと、大学院では一つの論文を書き上げることさえ非常に大変です。また、研究職への就職の門戸が狭いため、研究や論文発表を通して成果を出す必要があります。

修士課程に進学した仲間の中には、心中するような強い覚悟を持った人はほとんど見たことがなく、研究や実験が楽しいからといった人が多かったように思います。研究者を体験してみようって感じでも良いと思っています。なので、思い詰めて院進してもいいですが、そうじゃなくてもよいのかなと思います。それと修士であれば、研究や論文発表を通じて成果を出さなくても大丈夫だと思います。研究をどのように捉えていたかといった姿勢が就職では大切になると思います。

研究者は博士号を取ってからがスタートライン!、とよく教授に言われていましたので、博士課程に進むかどうかはよくよく吟味してからの方が良いと思います。

研究職以外の職業であれば、理系4年卒でも問題なく就職出来ます。その場合、学部卒と院卒の違いはあまりありません。なので、大学院で専攻する学問に対して強い情熱がない場合は、大学院に行くことはおすすめしません

ここは完全に私は逆意見で、学問に対して情熱が芽生えてきそうだなという段階であっても是非修士課程へ進学を検討して欲しいなと思っています。修士課程は研究者の体験期間と捉えて、自分にあっているのかどうかを確かめる期間として使って欲しいと私は思っています。研究は面白いと少しでも感じているなら修士課程は選択肢として残して置いて欲しいです。

実際毎年何百人と新卒を採用しているような大企業であれば、入社後の研修制度がしっかりしているため、学部卒で入社したとしても着実にキャリアアップをすることができます。またベンチャーに就職するということであれば、学歴よりもその人の実力をクリアに評価されるため、院卒のメリットはもはや無いに等しいです。進学してダラダラするくらいであれば、企業で汗を流す方が何倍も価値があります。

これは同感しかありません。進学してだらだらしているのは本当にもったいないことなので、修士課程に進んだらしっかりと研究と向き合ってほしいなと思います。その方が、実は大学院生活がとても楽しくなります。

このようなことにならないためにも、大学院に進学する前には「何のために大学院に行くべきなのか」をはっきりと自分の中で答えを出すことを強くおすすめします。あなたの人生プランの中で「○○のために大学院が必要不可欠だ」と答えを出した上で、大学院へ進学して下さい。くれぐれも「就職することを先延ばしにしたいから」や「大学でもっと遊びたい」といったくだらない動機で大学院進学をすることは止めてください。

これも本当に同感です。

私は大学入学時点から大学院(修士)にはいくことを決めていました。それは、研究者になりたいというのが夢だったから。自分に研究が合うのかはやってみないと分からないので、両親にはそれを受け入れて貰いました。

それと理系では遊びたいから進学とういうのはほぼ見ないと思います。

私は、修士課程を終えて、一旦就職を選びましたが、一年も経たないうちにやはり研究をしたい、研究者になりたいという気持ちにしっかりと気付くことができたので、博士課程に再入学をし、しっかりと研究に向き合うようになりました。

大学院に行くと、仕事の幅が限定されてしまう恐れがあり、本当にその学問を好きでないと、一生やりたくないことを仕事に縛られる地獄が待っている可能性があります。大学院での学生生活は、文系や理系に限らず学部の4年間とは異なり、研究や論文作成に多くの時間を取られてしまい、精神的にもかなり病みます。好きでもない学問を学ぶことは非常に苦痛だと思いますので、止めてください。

博士号をとって、研究留学して、博士号を取ってから約10年間は研究者としてアカデミアと企業で過ごしましたが、大学院に行ったことで仕事の幅が広がったと感じています。ただ、好きでもないことをする大学院というのは、本当にやめた方が良いと思います。本当に病むと思います。。。。


2年前に書いたnoteですが、研究者は日本の科学技術力を維持するためには必須だと思っています。国も博士課程の学生の支援なども始めていますので、以前よりもよい環境になりつつあります。

進路は個人個人の状況に大いに依存するとは思いますが、国の支援も大学進学から大学院へと裾野が広がりつつあるので、進学できる環境は整いつつあるので、色々と調べて頂けたらと思っています。

めがねシャチョウさんのnoteを読んで、自分がどういう気持ちで大学院に進学したかを振り返るととても恥ずかしいです。大学院時代は私にとってとても楽しい時代だったので尚更ですが、とても良い経験をさせて貰ったと感謝しています。その時代に出会った、多くの後輩(大学院に残ると後輩がめちゃ増えます)たちともいまだに繋がっています。

社会人になってから大学院へ行くこともあると思いますが、学生の乗りで進む大学院もとても大切だと思っています。大学院は大変そうに見えますが、愉しいこともいっぱいありますので、是非自分の進まれる道をしっかりと考えるきっかけにして貰えると嬉しいなと思っています。

めがねシャチョウさん、ありがとうございました。

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