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ランナーの話:「津軽番長」後編

津軽番長はどうやら血が多すぎるらしい。

だから、定期的に献血をしている。どうせ、献血しても、すぐに新しい血が作られ、肉体が常にフレッシュに感じられるのであろう。それにしても、奴の血液を貰った方はどうなってしまうのだろう?急に、熱血な性格になったり、酒を常に欲するようになったりしないのであろうか?少々、心配だ。

まぁ、それはさておき、これはランナーの話だ。話を戻そう。

2018年10月、満を期して、津軽番長、ウルトラトレイル100マイル、初挑戦。初100マイルに、ウェスタンステイツ100やハードロック100への抽選申し込み資格認定レース、つまり、結構、チャレンジングな100マイル、グラインドストーン100マイルを選んだ。制限時間は38時間。それを、なんと、31時間7分51秒で完走女子11位だった。初100マイルで、この記録は快挙である。だが、ここでも、入賞に一歩届かず。これは、「これに甘んじるな。常に上を目指せ。」という天からのお達しであろうか?

結果、津軽番長は、バーンアウトすることもなく、米国内のみならず、ヨーロッパまで遠征レースに出まくりまくる人生を歩んでいる。そして、#グルメ酒豪ランナーの肩書に相応しく(※私が勝手につけただけだが)、現地の”美味い料理と旨い酒”の大量摂取も怠らない。40歳を超え、元気溌剌に貫禄が加わり、現在、NYウルトラトレイル女子のみならず、男子を含めても、敵なし状態である。

そんな津軽番長の次の狙いは、今年9月開催の”巨人達の旅”という名のレース、イタリアのトルデジアン330キロだ。標高差24,000D+、制限時間150時間という超長距離レース。モンブランを含めたヨーロッパアルプスの4大名峰に囲まれた山岳地帯を走る。きっと、このレースなら、津軽番長をギリギリまで追い込んでくれるはずだ。そして、その追い込まれたところで、津軽番長がどんな風に進化するのか、実に楽しみである。

きっと、それを一番、楽しみにしているのは、津軽番長本人に違いない。

(おわり)

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