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ペットの老後と終活を考える(3)

アメリカは医療費が高いと言われているが、ペットの医療費も負けてない。因みに、土地価格に比例してるケースが多いので、ニューヨーク、マンハッタン内の動物病院は特に高い。オフィスビジットという、病院でドクターに診てもらう行為だけで、安いところでも、5千円ぐらい。普通に1万円ぐらいチャージする病院も多い。もちろん、なんらかの検査(血液検査など)や治療費は別で、どんどん加算される。一回、病院に行くだけで、1万5千円ぐらいあっという間にかかる。

そんなペット医療状況から、私は、最初に仔犬から飼ったミルキーに関しては、ペット保険に加入した。ペット保険はペットの年齢が若ければ若いほど、月額の掛け金は低く、歳を取るにつれ高くなる。だから、仔犬時代に加入した方が良いのだが、正直、10歳ぐらいまではそんな大きな病気にならない可能性が高く、年間で支払う保険料より、一回一回自腹で支払った方が安かったりもする。そんな事情から、ペット保険に加入せず、その分を自分でペット用貯金する方法を取っている飼い主もいる。

因みに、シニアでアダプトした2匹目の犬、コーディは、その方法を取った。アダプト直後、ペット保険も調べたが、月額の掛け金があっさり1万円を超えていたのもあるし、ミルキーのケースから、コーディに関しては、延命治療はしない(緩和ケアはする)と決めていたのも大きい。

話を戻すが、ミルキーのケースでどれぐらいの費用がかかり、そして、どれぐらい保険でカバーされたかをお話しよう。

まず、ペット保険だが、加入当時の月額料金は3千円程度。年齢が上がるにつれ、ちょっとづつ値上げがあり、10年経った時点で8千円程度。カバー率は、その病気や怪我の種類や治療で異なるが、30%ー50%程度がカバーされる保険だった。

ミルキーのかかりつけの病院の費用はそこまで高額ではないが、やはり、高度医療病院での治療費は半端なく、合計すると130万円程度はかかった。保険がカバーしてくれたのは、大体50万円ぐらいだったと記憶している。つまり、持ち出しは80万円程度。つまり、保険に加入していても、ペット用貯金はしておいた方が良いということ。逆にペット用貯金していないと、大変なことになるということ。

今、私の知り合いがまさに大変なことになっている。溺愛する13歳になるヨークシャテリアちゃんが昨年末に体調を崩し、かかりつけ医→救急病院→高度医療病院という流れで治療を続ける至り、ペット保険に加入していなかった彼女はすでに数万ドルを自腹で支払う状態になっている。冷静に考えれば、犬年齢13歳=人間年齢65歳以上。後期高齢者ではないが、十分シニアである。延命治療で一瞬助かっても、そう長くは生きられない。

だが、多くの飼い主はその時に直面すると、冷静に物事を考えられないものなのだ。

(4)では、そんな飼い主に対して、動物病院がどんなアプローチをしているかも体験談から話していこう。

(つづく)


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