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くるみと出会って366日目

去年の昨日、くるみを迎えに行った。
早朝のタイムズスクエアの裏道に、テネシー州から長距離ドライブしてきた大型バンが停車しており、路肩にいくつもの運搬用クレートが並べてあった。レスキュー団体の担当者に、自分の名前とフォスターする犬の名前を告げると、一番小さいクレートから、Bryn(ブリン)と名付けられた仔犬を取り出し、私に渡した。片手に乗るほど小さく、なぜか胸が熱くなった。生後2カ月での初めての長旅はさぞかし不安だったろうし、それより疲れただろうと思ったからだ。

だが、それは杞憂に終わった。
ブリンは、私が用意したキャリーバッグの中でも、「出せ!出せ!」と元気一杯に主張し、アパートに到着後に与えたご飯をあっという間に平らげ、水も豪快に飲んだ。一般的に、仔犬は1日17時間ぐらい寝てると言われているので、さて、ブリンもバタンキューで寝るかな、と期待したが(自分が少し休憩したかった)、全然、寝ない。寝ないどころか、遊んで!遊んで!と指や足にじゃれつき、甘噛みをしてくる。クレートに入れて、1匹にすれば寝るかと思いきや、メチャメチャ、吠えた。あらゆる鳴き方で試すかの様に吠え続けた。そう、ブリンは、非常に体力のある主張の激しい仔犬であった。

2日後、相方と相談し、そんなブリンをうちで正式にアダプトすることに決めた。名前は、ブリンからくるみに変わった。
「くるみ!」と呼ぶと、不思議なぐらいすぐに反応し、側にきた。
それ以来、一体、何回、「くるみ!」と呼んだだろう。

くるみの誕生日は、私たちで決めた。うちに来た時が大体生後2カ月と言われていたので、逆算して6月26日にした。でも、本当の誕生日は不明だ。それもあり、私の中で、くるみと出会った日の方がスペシャルアニバーサリーに感じる。
あれから、毎日、毎日、くるみの成長を見てきた。
便にギョウ虫が蠢いていたり、拾い食いで嘔吐、下痢を起こしたりで、病院に何度か駆け込んだ。
相方と何度も教育方針の違いで(笑)、大げんかをしたこともあった。

でも、一度でも、くるみを手放そうと思ったことなかった。くるみをアダプトして後悔したこともない。そりゃ、予想の2倍の大きさに成長したとか、やたら野太い声で吠えるとか、自分達の予想を裏切ることはあるよ。でもね、そんなことは大したことじゃない。くるみがここに存在してくれるだけで十分なのだ。

くるみは私たちの宝物。今日も明日も明後日も。
ずっとずっと一緒に生きる。

※カバー写真は、ようやく寝てくれた瞬間に起さない様に撮ったもの。


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