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「自分がかくあることを人のせいにしない生き方」~小6の国語の教材から学ぶ

どんなに頑張っても思うような結果に繋がらない…たとえそうであっても、自分に正直な生き方が出来ているなら、それこそが素晴らしいことではないでしょうか?

最近は、私自身そんな実感を持てるようになってきたと感じています。

これは10年前に書いたものです。まだまだ若かったですね(笑)。

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小学校6年生の国語の問題文を読んでいて、感銘を受けたエッセイを紹介させてください。

南極点到達競争に敗れ、引き返す途中遭難し、帰らぬ人となったイギリスの探検家スコットの話です。

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死ぬまでの間に彼は、たくさんの手紙や日記を書き残している。凍傷に蝕まれ、食料や燃料が尽きていく中で、
「この遠征を後悔してはおりません」
「すべて承知のうえ、覚悟のうえでの冒険だったのです。結果は裏目に出ましたが、私たち文句を言う筋合いではありません」
「家にいて、安楽すぎる生活を送るよりはるかに有意義でした」
「最後も近くなりましたが。私たちは今までも、そしてこれからも朗らかさを失わないでしょう」

死に臨んでも、すがすがしいとさえ言える態度を貫いた。それは、氷雪に果てる結果になりはしても、その生き方が誰に強いられたのでもない、自分の価値観に基づき、自分で決めたものだったからだ。だからこそ、結果もすべて引き受けることができた。「自己決定、自己責任」という。生きる上での大原則が、冒険者たちによって、もっとも分かりやすく表現されているといえる。

むろん、多くの人は南極へも宇宙へも行かない。家庭と会社の行ったり来たりのうちに人生の大半を過ごすだろう。が、そのなかでも「自分がかくあることを人のせいにしない生き方」を彼らから学べるのではないか。(岸本葉子「夢に向かって生きる喜び」)

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この文章を読んで、生徒たちがどこまで正確に内容を理解することができたかどうかはわかりません。 この後に続く問いを一生懸命考えていましたが…。

人は長い人生の中で、何度も失敗を繰り返すものだと思います。

ただ、その失敗が自分の夢を追いかけるためのものであって、仮に何度失敗をしても、その夢を最後まで諦めない生き方を貫くことができるかどうかが自分にとって何より大切なことではないでしょうか?

命が尽きるときであっても、振り返った自分の生き方に後悔はない…
そんな生き方をどうすれば実現できるのか?を子どもたちとと共に考えていけるような教師であり続けたいと思っています。

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この10年、当時の私の想いを伝えられるような教育が実践できてきたかどうかは正直わかりません。

ただ、少なくとも自分の目標に向かって、最後まで諦めない精神を身につけさせてあげられたのではないか?とは思っています。

周りの人間が決めた道ではなく自分の意思で決めた道なら、仮に失敗したとしてもそこで得られたものは未来の自分にとっての糧になる…誰のものでもない。自分自身の人生なのだから。

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