描きたい物がない時の描き方
「描きたい物がない時にはどうするの?」と聞かれたので、そのお話です。
「絵ってどういう風に描いてるの?」
ある日友人からこう聞かれました。
「普通に鉛筆で下書きして絵の具で色塗って描いてるよ」
「そうじゃなくて、描く題材の話。何かを見て描くの?」
「参考に調べて見たりはするよ。例えば花弁や葉っぱの形とか」
「全体の構図のことだよ。アイデアというか。何か描きたい物があってから描いてるの?それとも何か見て描いてるの?」
「描きたいものを描いてるよ。私の場合は特に何も見てないよ」
「描きたい物が常に頭にあるの?そのアイデアはどこからくるの?」
ぐいぐいくるねぇ…。
そんなわけで、友人に私の絵の描き方について説明する事になりました。あくまでも私のやり方ですけれど、せっかくなのでまとめてみようと思います。
そんなに難しい話ではありません。
私が絵を描く時のパターンについて
◼️描きたいものがあって描く
一番多いのは描きたい風景が頭に浮かんで描くパターンです。こういう風景が描きたいなぁと思って描くので一番スムーズに描けます。
この自然に頭に浮かぶ物に関してはどこから湧いてくるのかは私にもよくわかりませんが、過去の経験や見てきた物、自分の好きな物、最近興味のある物や目にした風景、空気等が私の脳の中で組み合わさって浮かぶのかなぁと思います。
私が絵を描く時はこのパターンが一番多いです。
◼️夢の中で見た印象的な風景を描く
上記のどう思い浮かんだかわからないものとは違って、こちらは出所がはっきりしているものです。夢の中で見た世界をそのまま描くのです。私は見た夢をよく覚えているのですが、その中で美しかったり好きな雰囲気だったり印象的な風景を見た時はその風景を描きたくなるのでそれを描きます。シンプルですね。このパターンで描いた絵は少し突飛な絵になることもありこれはこれで面白いです。
◼️???
実は上記のパターン以外に描きたくなる風景を得る方法が私には1つあるのです。恥ずかしくてこれまで誰にも言っていない、私がすごくアイデアを貰っている物というか方法と言うか。
え?そんな方法であの風景って出来てたの?みたいに思われそうです。ちょっと頭がおかしいのかもしれません(笑)それは有料記事の方でこっそり公開しようと思います。恥ずかしいから。
◼️テーマから描く
これはグループ展に参加する時などに多いのですが、あるテーマがあって、そこからアイデアを出して描くパターンもあります。
この描き方は想像と創造をすることになります。
予め描きたいものがある時とは違ってこれはゼロから生み出す時間が必要です。必ず作品に入れ込まなければいけないもの等の決まりがある中で自分の世界を作っていくのは大変だけれどとっても楽しい作業です。
頭に浮かんだ描きたいものがあって描く時は創造の部分を脳が勝手にやってくれているので描き始めるのがスムーズなのに対し、こちらはテーマについて自分なりに考えたり調べたりしながら自分の世界を作っていく創造の楽しさと苦しさを味わいながら描くことになります。時間と下調べが必要なので圧倒的に大変なのはこちらです。
ここでちょっと脱線というか補足というか。
「何か見ながら描いているの?」という友人の質問に対する私の答えは「何かを見ながら描く事は滅多にない」です。
私は昔から何かを見ながら描くのが苦手でした。学校で絵を学ぶ過程では必ず「本物を見て描く」デッサンの授業があると思います。とっても大事です。授業だったから仕方なくやりましたが、退屈で苦手な授業でした。外でのスケッチの授業は好きでしたが、あれは見た景色を正確に描くというより空気やその場の雰囲気という目に見えないものも含めて描けたからだと思います。
私の場合そんな感じだったので今でも絵の中のあらゆる物の形が狂ってたりとかしてると思いますけれど気にせず生きております。私は元気です!
…なんの話だったっけ?ああ、見ながら描くことね。
絵の上達法として上手な人の絵を見て描くという方法があります。が、もちろん誰かの写真や絵の構図をそのまま写して描いて自分の絵として発表する事は盗作になるので絶対にやってはダメですよ。上でも書きましたけれど、創造する過程は時間がかかるし大変なのです。誰かが苦労して作り上げた世界を横から奪って自分の物にしてはいけません。泥棒です泥棒。
ペケッター(X)ではこれまで度々盗作問題で騒ぎがありましたが、好きな絵描きさんがそうだった時はものすごくショックでしたし、その人が自分では自分の世界を創造できない人だったという事が残念でなりませんでした。人の世界をなぞって描いても面白くもなんともないではありませんか。と、私は思うのです。
…なんの話だったっけ?ああ、話を戻します。
「何かを見ながら描くことは滅多にない」と書きました。
滅多に。自分が旅行に行って綺麗だなと思った風景は描きたいなと思った風景でもあるので、その時の写真があれば見て思い出しながら描いたりはします。でもあまり写真を撮らないので(撮るの忘れて見てる)滅多にありませんけれど。
また実際にある物、例えば桜を絵に加えようと思った時は図鑑やネットで調べて(実際に見られる時は実際に見て)花の姿、花弁や葉の形を見て描きます。花弁の形等の細かい部分は事実として、そして更にイメージを掴む為に見ます。ひとつの写真を見て描くのではなくを桜の写真をたくさん見て桜というもののイメージを掴むのです。だから実際に描く時は何も見ないで頭の中に作られた桜のイメージで描くというか。あくまでも私の描き方ですけどね。
脱線おしまい。
「描きたいものがない時にはどうしてるの?」
友人が最後に放った質問がこちらです。
結論として、描きたいものがない時は私は基本的に描きません。
が、友人が求めているのはこの答えではないのはここまでのやり取りでわかっていました。友人が最終的に知りたかった事。彼女は今その「何も浮かばないけどやらなきゃいけないこと」に遭遇しているのです。
そしてもちろん私にも「何も描きたいものがないけれど描かないといけない」時は何度もありました。そういう時の私のやり方があります。
くろぽち流・描きたいものがない時の描き方
実際に描いている過程を友人に見せながら説明しました。それを再現します。
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