朝のコピー短歌(2019.11.13)3人に

3人に「フリーになれば」と言われれば
10年分の通行手形


だれに言われるか。
それによって、通行手形の有効期間はぜんぜんちがうと思うけれど。
業界によってもちがうので、
フリーランスのコピーライターやデザイナーの場合だと思っていただければ。

フリーになるタイミングはひとそれぞれ。会社や組織が合わなくてイヤになった、体調をくずした、とにかく会社でやりきった、どうしても自分のやりたいことがある、などなど。

毛利元就の教え、「三本の矢」はあまりにも有名な話だけれど。一本ではスグに折れてしまうけれど、二本、三本とまとめてでは折れにくいことから一族の結束を説いたものだけれど、フリーになっても三本の矢ならぬ、三つのクライアントがあればやっていけるとはよく言われること。その三つのクライアントと、いつ接点を持っておくか。やっぱりフリーになる前、するとラクにスタートできると思う。

わたしがフリーになるときに、フリーになりたいとそこまで深く考えていないときに、三人の方が「フリーになったらいいのに」と言ってくださった。

友人の紹介で、webサイトの立ち上げの仕事を休みの日だけ手伝っていた。サイトの名前からコンテンツの企画など、準備をすすめるうちに、土日だけの手伝いでは間に合わなくなってきた。会社通しで仕事を受ければ、平日も問題なく動ける。どうしようかと思っているところ、サイトのオーナさんから、こう言われた。
「それならフリーでやってくれへん?毎月15万出すし」
たしかに毎月15万円いただけるなら悪くない。ただ、お給料がもらえなくなるとなれば、その分、別のところから仕事をもらわないと生きていけなくなる、とも。とにかく、家賃分の収入確保はできる。

会社に属していながらコピーだけピンで受けて、別のプロダクションさんがデザインをするという仕事が増えていくなか、たまたま大阪本社から出張で来ていた10歳ほど年上のアートディレクターさんと近況を話していた。
「じぶん、フリーでもやっていけるんちゃう?」
たしかに社内でやる仕事もあったけれど、半分以上の仕事が社外の人と一緒にやっていた。実績のある先輩からの太鼓判に。

仕事の打ち合わせの後かなにかで雑談をしていて、広告代理店のクリエイティブディレクターさんがぽろっと。
「フリーになったらいいのに。仕事あるから」
もちろんいまやっている仕事もそのまま会社通しでお願いできるように社長に伝えるからと。当時は会社をやめて独立したら、その会社から最低でも一年は仕事をもらえないというような暗黙のルールがあった。そうならないように働きかけてくださるという。これが決め手になった。

実はもうひとり、友人が「そんなに忙しいならフリーになれば」と言ってくれたのですが、それは問題外。仕事の状況をリアルに見ていないのに、なぜ仕事が入ってきているかわかっていないのに、おすすめされた場合は、ちょっと横に置いておいて、と。

だいたい「フリーになれば」と言ってくれた人は1〜3年くらいは見守ってくれる。すすめた責任というのも感じていただいている。その人を、仕事で裏切らなければ、その人からの紹介などもあり、たぶん何年も、10年くらいは、いや15年でも、20年でも仕事を続けていけると思う。

家賃分の収入確保、実績のある先輩の太鼓判、仕事をたくさん持っている人からの決め手。この3つがあれば、安心である。フリーランスを続けているといろんな関所がやってくるけれど、通行手形になってくれる。



迷走中みそひとメモ

下の句、10年にするか、3年にするか、5年にするか、15年にするか、何年にするか。実際は15年だけれど、どれがいいのか今も迷っている(汗)。

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