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【ネタバレ感想】おまえ うまそうだな

以前から存在自体は知っていた映画だったのですが、機会がなかったので長らく見れていませんでした。ルドルフとイッパイアッテナ、あらしのよるに、を借りようとしたときに見つけたので、今回初めて見たときの感想を書き留めておこうと思います。

以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。


この映画のタイトルを見たとき、あらしのよるにと同じように、草食動物と肉食動物の関係を描いた作品なのかなと思ってました。
実際にそういったシーンは描かれていたのですが、それよりもこの映画は、主人公ハートの成長物語という側面のほうが強い映画だったので、いい意味で裏切られました。

草食いのお母さんが拾ってきた卵が肉食いの卵で、その卵から生まれたハートの幼少期から映画が始まるんですが、この時のハートが本当に可愛くて、このままお母さんやライトとの楽しげなひと時を壊さないでくれ…! と思いました。
ですが、やっぱり種族の壁は越えらえず、ハートはお母さんとライトの元を離れ、肉食いとしての行き方を歩んでいきます。

そして、ある日ひょんなことから草食恐竜のウマソウを育てることになります。
種族の違うウマソウを育てようと思ったのは、ただ成り行きだったからじゃなくて、ハートの心の中では、肉食いであるにもかかわらず自分を育ててくれた母のことがずっと頭に残っていたからなんでしょうね。
ウマソウとの生活の中で、母の気持ちをだんだんと理解していくハート。
この時の「母さんはどんな気持ちで俺を育てたんだろう」という言葉が、印象的でした。

そんな中、母が住んでいるふもとの火山が噴火してしまいます。
この時、ハートが母を助けようと母の元へと向かえたのは、ハートが成長した証だといえると思います。
ハートは一度、自身の強さを恐れ、大切な母を傷つけたくないからという理由で母の元を逃げてしまいました。
ですが、成長したハートは自身の強さに折り合いをつけることができ、その強さを大切な母を守るために使えるようにまでなりました。
急いで母の元へ向かったハートは、お母さんやライトとの再会をはたしますが、その後実の父であると思われるバクーとの闘いが始まり、そして闘いのあとは、お母さんとライトとの別れで映画が締めくくられます。
この辺りはハートの成長っぷりがひしひしと伝わってきました。
幼少期の未熟だったハートから、こんなにも成長したんだなと、自分も母親になったかのような気持ちになって感動していました。

話は変わりますが、この映画はバトルシーンの作画がめちゃくちゃ良かったです!
恐竜らしさ満載のバトルシーンには終始目がくぎ付けになり、メリハリ良く高クオリティのバトルシーンを挟むので、退屈せずに最後まで楽しむことができました。

この映画の良かったところは、終始母の愛に包まれているところですね。
生まれてきた子がどんな子であろうと愛し、子のために自分が苦しむことも構わない。そんな献身的な様子がハートの心にも響いたんだと思います。
最後のハートの「おれ、母さんの子で良かった」という言葉は、きっとお母さんが自分の子に言われて一番うれしい言葉なんだろうなと思いました。
母の愛やハートの成長が心に残る、素敵な映画でした。

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