さる声優様について

とある同人声優様の話をしたいと思います。

さる先日、僕はとある同人声優様と距離を取ろうという結論に至りました。

別に嫌いになったとか、そういうわけではありません。むしろこちらの不手際というか、マナーのなっていない行動が原因だったというだけで。

ふとしたきっかけから、僕は彼女が精神疾患で苦しんでおり、生活も苦しいということを知りました。

そこで身近に同じように精神疾患で苦しんでいる仲間ができたことに舞い上がってしまったのが運の尽き。僕はその方に人と人との距離感も読まず、相手の重荷になるかもという判断すらせず、彼女に僕の核心という重荷を背負わせてしまいました。

僕自身も自閉症スペクトラム症、注意障害という先天的な障害とうつ病で苦しんでいる身です。元々小学生の時から空気を読むのが苦手で、相手の気持ちを考えるのすら難しかった身の上です。彼女が僕の言動にいかに神経をすり減らし、苦しみに耐えているか想像する事すらできませんでした。

以来、僕への彼女の返信の無視が始まりました。たったの2回という短い間でしたが。ひょっとしたらツイートをミュートにしてしまっていたのかもしれません。

何しろ普通に話すだけで神経をすり減らす相手です。話さない、無視する、一ファンとみなさないという行動原理には納得するものがあります。

ツイッターのフォローもそれ以来切られました。マナーのなってない、人と人との距離の取り方も分からない、迷惑なファンという扱いになっていても何ら不思議ではありません。

僕の場合、言い訳じみてしまいますが普通の人がしているような商品を買って、レビューを書いてそれを広めるという行動がとれません。見ての通り僕の書いた文章は異常な長文になってしまい、みんなが読みやすい文章として編集するという技術が著しく欠けているからです。

僕にできるのは、せいぜい商品を買って、生活に困ってる彼女のほしいものリストから自分に予算の余裕があるときに時折何かを送って、生活の援助をする、そんな応援くらいです。

ファンの行動原理としては著しくずれていると思いますが、せっかく見つけた精神疾患と戦う仲間です。僕のできる範囲で何かできないか、とはどうしても思い悩む事でした。

彼女は賢いですから大抵のことは1人で何とかしてしまえるでしょう。僕以外のファンの方もいますし、僕の援助などむしろ必要としていないし、僕が援助していると知ったら機嫌を損ねてしまうかもしれません。

彼女との距離を取ろうと思ったのは、そんな彼女に今までのお詫びも兼ねて欲しいものリストから商品を1つ送った、そんな直後の事でした。

***

話はずれますが、最近は全然触っていませんが僕はFateシリーズが大好きです。

FGOも当然やっていたのですが、その中でも最推しだったのがライダーのサーヴァント、アストルフォでした。

といってもFGOをやっていて気に入ったというわけではなく、それ以前から彼のことは大好きでした。文字通り、彼の言葉に一時的に救われた経験があったから。

Fate/appocryphaのアニメ版の4話でしたでしょうか。このシーンは原作にはなくアニメのみのオリジナルエピソードなのですが、主人公のジーク君(この時の彼はまだ名もなきホムンクルスですが……)に助けてと請われそれを即断即決で承諾したアストルフォは彼を逃がすためトゥリファス城塞から連れ出します。

その道中、自分は世界に足跡を残すこともできず、世界に貢献することもできない、そんな自分に生きている価値などあるのか。そう思い悩む彼にアストルフォは迷うことなくこう返すのです。

「君は、生きていることが許されないと思っているのかな?」

「やらなきゃいけない義務なんてない!」

「誰かへの献身も、世界への貢献もやりたいからやるものだ!生きたいというのは人間の正しい方向だ!心臓が鼓動している限り、キミは生きたいと願い続けるべきだ!」

このセリフに救われ、僕は完全に彼を生涯応援し続けるサーヴァントと定義することになりました。FGOでは宝具マスキルマレベル100、絆10を達成しましたし、セイバーアストルフォも無事にお迎えすることが叶いました。

さらに彼は、ジーク君の人生に責任を持つのかと問われた際に迷うことなくこう答えています。

「ボクは、ボクが納得するまでは助けるよ。見捨てるなんて、しない。」

と。

***

僕自身、彼女の応援を辞めたつもりも、酷いことをされたから見捨てたつもりも毛頭ありません。ただ、これ以上彼女の重荷にならないように可能な限り距離を置いただけ。

新商品が出たら買い支え続けますし、ほしいものがあれば可能な範囲で援助もします。元々僕自身天性のオタクで4000円くらいする本をポンポン買ってる身なので今回の出費も必要経費と納得することができました。高いと思ったかどうかは別として。

僕と彼女の間には倍近い年齢の差があります。彼女はようやく治療のスタートラインに立てたばかりで、治していくのはまだまだこれから。彼女自身ゲームは好きだったけど今はできないとぼやいていましたが、それも時間をかけて通院して、薬を飲んで、しっかり休んで、何もしない日々を過ごしていけば自然と良くなっていくものです。彼女の場合カウンセリングも受けていますし、回復は僕より早いか、同じくらいかかもしれません。

見返りとかは特に求めてません。彼女自身、ほしいもののなかから何か送ってくれた人にはお礼をすると決めてるそうですが、それも別に構いません。

だって、わざわざ嫌いな人間にお礼を言うだなんて、重荷になっている人間にお礼を言うだなんて、そんなの苦しくて、屈辱で仕方ないじゃないですか。

それくらい、援助なんてできればされたくない迷惑なファンであることは自覚していますし、お礼も素直には受け取れません。もし彼女がそれは自分の矜持に反する、何も送らないなんて申し訳ないというのなら、流石に受け取りますが。

僕は粛々と自分が納得するまで、彼女の作品を買い続け、彼女の生活の援助もする、そんな形でファンとして応援していく道を選んだ。ただそれだけです。かつて僕を助けてくれたアストルフォのように。

こんな応援の仕方もありだよね、とだれかに思ってもらえたらそれは嬉しい事です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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