幻の100点満点より雑でも世に出す60点のが強い理由
私は常々、100点を目指すな60点でいいから雑に出せ、と言っている。その考えは起業当時から10年間ずっと変わってないし、事実60点で勝ち続けてこれたので、それなりに勝ち筋のある理論だと思っている(ついでにスティーブジョブスも同じようなことを言っている)
しかし、こう反論されたら、どうだろうか?
「変にポロポロ60点の雑なものを出すよりも、しっかり100点満点を出してお客様を感動させて、リピーターにして信用と口コミを拡大していくのがベストでは?」
なるほど。確かにマーケティング的には、こちらの方が良さそうに見える。ただし、実現不可能という点を除いてはね、と私は答えるだろう。
なぜ、この理想的な100点→感動→リピート&口コミのパーフェクトコンボが実現不可能と断言するのか。
その理由は、めんどくさいからである。
100点を取るのは、めんどくさいのである!
イメージしてみて欲しい。あなたは小学生。英語のテストで100点を取ったらご褒美に好きなゲームを買ってあげるね、とママに提案されたとする。
さて、あなたはやる気満々で英語を勉強する。しかし、英語のテストで文法もスペルも何もかもミスらず、100点満点を取るのは至難の技だ。それこそ冠詞の「a」を一つ忘れただけ三角にされ98点。あなたはゲームを手にせず泣き崩れるだろう。マンマはニッコリ、お金を節約できた上にそこそこ勉強させてハッピー。つまりママ軍師のパーフェクト戦略勝ちである。
次こそは、とチャレンジしても、95点、97点、99点、91点。いつまで経っても100点が取れず、永遠にゲームはお預けである。これでは、あなたの負けだ。幻の100点と、幻のゲームソフト。残ったのは英語力(これはこれで良いけどね)
逆に「英語テストで80点以上を3回とる」あるいは「60点以上を5回とる」という条件だったらどうだろうか?
こっちの方が一発100点よりも簡単だ。もちろん楽ではないが、ゲームを買ってもらえる確率は明らかに高まるだろう。実際、先ほどの戦歴ならクリアしている。
この例を見ればわかるように、そもそも100点満点を取るのは、非常にめんどくさい&そもそも実現できるかも怪しい代物なのだ。
しかも、ビジネスではテストのように明確に答えが決まっているわけではない。ある人にとっては正解でも、ある人にとっては不正解・・・という世界で、なるべく最大公約数を狙うなり、ターゲットを絞って満足度100%を狙うことになる。
任天堂やアップルですら滑るのに、果たして雑魚である我々がいかにして100点満点を一撃で取れるというのか?
無理なのである。
100点を取るのは、そもそも論、無理なのである。
さて、一方で「60点でも雑に出す」はどうだろうか。
60点主義の究極の強みは・・・
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