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トウキョウ2°回転

はじめに

建築設計においてCADや3Dの技術が向上し、
我々現代で建築を学ぶほとんどがそれを扱うようになってきている。
移動や複製、回転といったコマンドは画期的な設計手法になっていると思う。
さて、今回はその回転といったコマンドで少し思考を巡らせたいと考えた。

旅する回転体

実際のところ私たちは回転している。
正確には回転体に搭乗している。
この地球という乗り物は
1日に一回転。
365日に太陽を一回転。
ここから想像も入るが、銀河が回転体なら、ここでも一回転する。

そして宇宙は拡大し続けているため、地球が元の座標に戻ってくることは無い。

この世界はどこかへ旅をしていて。
当たり前のように変化し続けている。

コマンドの世界は実在し、現実にある。
操作は不可能だが。

2°だけ

2D CADの世界を想像したい。
一般の方は地図を想像してほしいが、
とある地点。ここでは東京タワーとしよう。
ここを中心に地図を2°だけ回転させる。
そう、たった2°だけ。

8.2キロ離れたスカイツリーはこの操作で約0.2キロ、200m動くことになる。
距離が遠くなればなるほど移動距離は大きくなるが、これはほんの少しの操作で起こる暴力的な動きを予知させている。

移送されるのは建築なのか、機能なのか、インフラなのか、
そのすべてなのか。


微量な設計操作によって、世界を変えることができるし、人々の人生を大きく変えることにもなる。これを考えると責任は重いと感じる。
ただ、建築を学んでいる人には重く考えてほしくはない。
大きなことをしなくても、人のためにできることはある。
天才じゃなくたっていいんだと。


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