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冬場の水分量について/冬の水分は夏の1〜2割?!

【はじめに】

毎年、冬になるとTVのお天気キャスターが「空気が乾燥しますのでご注意ください」と言うようになります。

空気が乾燥すると何に注意しますか?今、一番注意するのはコロナ(感染症)ですね。あとは、肌の乾燥と火災が要注意事項です。

では、季節によって空気中の水分量はどのくらい変わるのでしょうか?

夏場に比べると冬場の空気中水分量は1〜2割程度まで減少してしまいます(なぜそんなに減るか気になる方は下記の【季節による水分量変化の概算】を参照ください)。

特に「西高東低の冬型気圧配置」の場合、日本海からの強い風が日本列島の山脈を超える際に空気中の水分は雪となって落ちてしまうため、山脈を超えて太平洋側にやって来る空気は乾燥して湿度が下がります(太平洋側に住んでいる人は特に要注意です)。

私も冬になると、足首から脛(すね)の辺りが痒くなるので風呂上がりに保湿クリームを塗ってます。


【季節による水分量変化の概算】

1m3(1立方メートル)の空気中に存在する水蒸気の量(g)を水蒸気量(g/m3)といいます。また、ある温度において空気中に存在することができる最大の水蒸気量をその温度の飽和水蒸気量といいます(飽和水蒸気量は温度により異なり、温度が高いほど飽和水蒸気量は多くなります)。

例えば、30℃の飽和水蒸気量は約30g/m3、20℃の飽和水蒸気量は約17g/m3、10℃の飽和水蒸気量は約9g/m3、0℃の飽和水蒸気量は約5g/m3です。

湿度(相対湿度)は、ある温度の空気中に存在する水蒸気量をその温度の飽和水蒸気量で割ったものです。例えば、30℃の空気1m3中に水蒸気が15g含まれている場合の湿度=15÷30=0.5=50%となります。

ここで、春(気温20℃)、夏(気温30℃)、冬(気温10℃)の湿度50%を比べてみましょう。春は8.5g/m3、夏は15g/m3、冬は4.5g/m3となります。同じ「湿度50%」でも大きな違いです。

実際には、夏と冬では湿度も異なります。日本の太平洋側では、夏の湿度は70%程度、冬の湿度は40%程度となり、その場合の水蒸気量は、夏=21g/m3(30℃)、冬=2.0g/m3(0℃)〜3.6g/m3(10℃)となります。冬は夏の1〜2割程度の水分しかありません。

【加湿器の上手な使い方】

冬場の乾燥対策として加湿器を使っている方は多いと思います。しかし、加湿のし過ぎには注意が必要です。部屋の温度が20℃であっても窓、特にアルミサッシの金属(アルミ)部分は外気温の影響を受けやすく温度が低くなります。ネット情報の事例では、外気温0℃、室温20℃の場合、サッシの金属部分の温度は約8℃となっていました。

例えば、20℃の部屋の湿度を加湿器で60%とした場合、水蒸気量は約10g/m3となります。また、8℃の飽和水蒸気量は約8g/m3です。この場合は、サッシの金属部分で結露します。毎朝、サッシが結露すると、その部分でカビが発生し健康に悪影響となります。

従って、加湿器を使用する場合は、サッシ部の結露状態に注意しつつ、部屋の温度と湿度を調整すること(加湿し過ぎないこと)が必要です。サッシが結露した場合は、早めにぞうきんで拭くことも必要です。また、サッシ枠の結露防止断熱テープやガラスに貼る結露吸水断熱パネルを利用するのも効果的です(我家では活用しています)。

加湿器を上手く使って健康に冬を過ごしましょう。