短歌のきろく②
2019年1月〜2019年12月までの掲載短歌や歌会詠草を書き残します。
【2019年掲載短歌】黒乃響子
■飯田橋歌会題詠「東京」〈2019/12/14〉
エアコンの無いアパートに住みはじめ深夜に見上げた東京タワー
■第4回 富士山大賞 佳作〈2019/12/20〉
面接の待合室の窓にみるビルの麓にかがやく富士を
■第57回 東直子『短歌の時間』 佳作公募ガイド 12月号
うなされる夢シリーズの犯人の残していった古い絵日記
■東京新聞 東直子 選〈2019/12/1掲載〉
31センチの毛束を切る音はあかるい祈り ヘアドネーション
■さわらび歌会題詠「夜」〈2019/9/6〉
雨上がりのぬるい夜風に揺れながら金魚の浴衣は下駄を鳴らして
■ダ・ヴィンチ 穂村弘『短歌ください』テーマ「犯人」8月号
「容子です。字は容疑者の」妹は義父にあかるく挨拶をする
■東京新聞 東直子 選〈2019/6/16掲載〉
ストローの蛇腹のような道をゆく鎖骨をひらき深呼吸して
■東直子 短歌日記講座 詠草森鴎外記念館〈2019/5/18〉
地下室の蒼い海月はねむらずに千年先の空かたりあう
■東京新聞 東直子 選〈2019/3/31掲載〉
クレヨンをいくつもいくつも折っている昨日の空は何色でしたか
■東京新聞 佐佐木幸綱 選〈2019/3/10掲載〉
ジオラマの迷路のような鳥瞰図に羽を広げる スカイツリーから
■さわらび歌会題詠「衣服」〈2019/3/8〉
チューリップのまち針咲かせ空色のスカート仕立てる
ひだまりの午後
■オール讀物 「短歌の部屋」東直子〈2019/1/23〉
肯定も否定もしない空があるカフェラテの泡は底にただよう
■第10回 角川全国短歌大賞予選通過
眠れない夜の静かなともしびに碧い寝息が包まれてゆく
雨を待つぽつりぽつりと廃線の井上駅の木製ベンチ
■第20回NHK全国短歌大会入選〈2019/1/19〉
遙かなる小さな宇宙(そら)を胸に秘め歩みつづける天体観測
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?