ドイツの新型コロナウィルスの報道

当地にはJSTVという海外(ヨーロッパ?)在住日本人の為のチャンネルがある。契約制で向こう一ヶ月の番組が送られてくる。ほとんどNHKの報道番組がリアルタイムで(おはようニッポンは7時間前の前日12時に)更に現地時間の6時、7時に報道される。したがってニュースは同じものを日に2回観ることができる。
この他、朝の連続ドラマ、大河ドラマ、NHKの番組はほとんど日本と同じように観る事ができる。ドイツのテレビはほとんど見ないので、天気予報は日本のほうが詳しいほど。勿論NHKだけでなく、他のテレビ局の番組も観られるがほとんどはすこし時間が経ったドラマなど。最近は時間差は昔ほど大きくはなく、日本で終わるころにこちらではじまるといったもの。
日本の友人はメールでいつも日本のトッピックスを知らせて来るが実は我々の方が詳しいのだ。コロナの感染状況についても従ってかなり詳しく知ることになるのだが、ここで気づいたことについて書いてみたい。
ドイツのテレビ報道と日本と大きく違うのはデーターの伝え方。日本の報道ではまずデーターが示される。全国の感染者数、死亡者数を詳細に伝え我々はその数にまず釘付けになる。では今住んでいるドイツではどうかというとテレビのニュースでは少なくともトップニュースとしてデーターは伝えられない。もともと余り観ないドイツのテレビなので、ドイツのデーターをインターネットで追うと示されると改めてその数字に驚いてしまう。
この報道の違いはどこから来ているのだろう。ドイツ人の友人と話してもほとんどこの数字が話題になることはない。コトの大事は3月18日のメルケル首相の全ドイツ人に向けてのメッセージだったかもしれない。これで十分であった。ドイツ語で ohne wenn und aber(「もし」や「でも」はなしで。。。。)という表現があるが まさにそうした気持ちで全国民は理解したのだと思う。国、州レベルで打ち出される自粛体制は非常に早いスピードで徹底されたように思う。報道では国民の戸惑いや困難よりもむしろ私たちの為すべき行動、いかにこのウィルスが未知で厄介なものかを専門家が伝えたことで自粛での不便さや難しさがフォーカスされることは無かった。


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