見出し画像

ナラクのソウル:ニンジャスレイヤーTRPG2版用ファンメイドプラグイン

初めに

このプラグインはニンジャスレイヤーTRPG第二版にナラクのソウルを追加するためのものです。ナラク・ニンジャは不意に現れPCを恐怖のどん底に陥れるニンジャスレイヤーの存在と密接に関わっています。
また、特殊な追加ルールをいくつか導入しているため、NM以外がこのプラグインを導入することは基本的に推奨しません。また、導入する場合も展開や補足事項を考えておく必要があるでしょう。


ナラク・ニンジャとは

ナラク・ニンジャは全ニンジャ抹殺を掲げる謎の存在である。ニンジャソウルでありながら完全な自我を有しており、能動的に憑依者を乗っ取ろうとすることすらもある。極めて凶暴であり、制御の効かない存在だ。
ニンジャを憎悪しているが、同時にモータルの弱さをも嫌悪しており、己の力の源にするため残忍に扱うことも躊躇わない。
その正体は謎に包まれている。

ナラクのソウル、その特徴

ナラクのソウルを持つキャラクターは【ジツ】値を持たない。
代わりに【ナラク】値を与えられる。【ナラク】値はジツとほとんど同じように扱い、余暇フェイズでのトレーニングでも【ジツ】と同じルールで成長させることが出来るが、以下の違いがある:

・【ナラク】値は成長上限を算出する際、計算に含めない。
・【ナラク】は最大で7まで成長する。
・《◉◉グレーター級ソウルの力》、《◉◉アーチ級ソウルの力》を獲得することが出来ない。
 加えて、《◉◉戦闘系ソウルの力》も獲得することが出来ない。
・ジツ系スキルを獲得することが出来ない。
・サイバネ装備に制限を受ける(後述)。

ナラクとサイバネティクス

【ナラク】値を持つキャラはサイバネの装備に制限を受ける。
ナラクは黒い憎悪の炎を内在しており、それにより傷を強引に塞いだり、時には欠損した四肢を繋ぎ合わせることすら出来る。これはサイバネとの相性が極めて悪く、再生時にたいていのサイバネは排除されてしまう。

サイバネの最大埋込数は、ドライ/ウェットを問わず(【ナラク】×2)だけ通常のキャラよりも少なくなる。
また、【ナラク】値を持つキャラは所属組織に関わらずシナリオ終了時1つまで部位損傷を無料で取り除くことが出来る。

奈落浸食

ナラク・ニンジャの力は憑依者を蝕む憎悪の力だ。憎しみに身を任せれば強大な力を得ることが出来るが、それだけ破滅へと近づいていく。
シナリオ開始時、【ナラク】値を持つキャラは特殊な数値カウントである「奈落浸食値」を得る。奈落浸食値はシナリオ進行で上昇していき、シナリオ終了時に49を越えていると「破滅チャート」を振らなければならない。

奈落浸食値は以下のように計算され、またシナリオ中に上昇する:

●奈落浸食値の初期値
 ・自身の持つ【ナラク】値 :+【ナラク】
 ・自身の持つ「DKK」値   :+(DKK÷2、端数切り上げ)
 ・《◉ニンジャソウルの闇》 :+《◉ニンジャソウルの闇》の数
 ・PC側のニンジャの数   :+人数(このキャラを除く)

●シナリオ中の奈落浸食値上昇
 ・敵にニンジャがいる   :+ボス級NPCのニンジャの数(一戦闘につき最大で4まで)
 ・ナラク能力の使用    :使用したスキルの★の数(使用するたびに上昇する)
 ・強大なニンジャ     :《◉◉グレーター級ソウルの力》:1つにつき+2
               《◉◉アーチ級ソウルの力》:+d6(複数いるなら1体のみ)
 ・アトモスフィアの上昇  :一段階につき+3

奈落浸食値が上昇した場合、以下の修正をキャラは受ける。
戦闘中に上昇した場合、修正が変化するのはターン開始時である。
なお、『連続攻撃』と『連射』への修正は元値に修正を加える。そのため、『連続攻撃+X』や『連射+X』の効果を受けることが出来る

●奈落浸食値による修正
  ~12:修正なし
 13~21:攻撃/射撃ダイス+1
 22~28:攻撃/射撃ダイス+3
 29~45:攻撃/射撃ダイス+3、回避ダイス+1、連続攻撃+1
 46~51:攻撃/射撃ダイス+4、回避ダイス+2、連続攻撃/連射+1
 52~61:攻撃/射撃ダイス+5、回避ダイス+2、連続攻撃+2、連射+1
  62~:攻撃/射撃ダイス+6、回避ダイス+3、連続攻撃/連射+2

オプションルール:モータルの怒りを知れ!
NMはニンジャが一般市民を殺害したり、重要なNPCを虐待したとき、彼らが獲得した『DKK』と同じだけ『奈落侵食値』を即座に上昇させてもよい。こうした進行上で発生する侵食値の上昇はシナリオ中1回か2回、それも序盤にあることが望ましい。終盤に発生させるとリソース配分が狂い、プレイヤーを追い込むことになるかもしれない。注意しよう。

味方のPCニンジャがナラクを宿したキャラの目の前で非道行為を行い『DKK』を獲得したときも、同様に『奈落侵食値』を上昇させてよい。目の前で起きた行為を止めなければ内なるナラクはその弱さを責め苛み、ナラクを宿したキャラも同じだけ『DKK』を獲得する。これにより『奈落侵食値』も上昇する。目の前で行われなければナラクの怒りを買うことはない。余暇フェイズ中にモータルハントを行ったキャラが『DKK』を獲得しても、『奈落侵食値』に変動はない。

このオプションはプレイヤーの成長リソース獲得を妨げるものであり、NMはこれを無視しても構わない。

鎮魂

シナリオ終了時、ソウル憑依者は昂った憎悪を鎮めることが出来る。
これを『鎮魂ロール』と呼ぶ。

【万札】を3支払うことでd6、6支払うことで2d6、9支払うことで3d6、現在の奈落浸食値をダイスの出目合計分だけ減少させることが出来る。これは【万札】プールからの消費でも構わない。もちろん、敢えて振らないことを選んでもよい。

【万札】を支払っているが実際に金でナラクを鎮めているわけではなく、あくまでゲーム的な処理であることに注意されたし。

減少後の奈落浸食値が49を越えていた場合、取り返しのつかない惨禍を引き起こしてしまう。プレイヤーは2d6を振り、破滅表の内容を決定する。
破滅表を振った回数は記録しておかなければならない。次回破滅表を振る際は、出目にこれまで破滅表を振った回数を追加する。

●破滅表
   2.奇跡的に破滅は先送りにされた
 2~3.無軌道な殺戮。DKK+1
 4~5.ナラクの力が不安定になる。次回、ナラク能力を使用不可(《☆ナラクの力》を除く)
 6~8.憎悪の炉に薪をくべる。モータルを大量殺戮し、DKK+2、《◉ニンジャソウルの闇》を獲得
 9~11.尊い犠牲。あなたがユウジョウをもっとも高いレベルで持つNPCひとりが死亡する
  12.インガオホー。ニンジャスレイヤーは討伐され、あなたのキャラはロストする

すべての処理が終わったタイミングで、『奈落浸食値』は0になる。
次のシナリオを開始した時、新たに初期の『奈落浸食値』を計算する。

人間性の軛

特定のスキル、アイテムは『鎮魂ロール』に修正を加える。
なお、スキルはスキルスロットに入れているものだけが計算され、記憶スロットに入っているスキルはまったく修正を加えない。

『鎮魂ロール』への修正
以下のスキル、アイテムを持つ度、『鎮魂ロール』の出目に+1。

◉不屈の精神
◉鋼の魂
◉痛覚遮断
◉チャドー呼吸
「家族の写真」
「聖遺物/ブードゥー」

憎悪の炉を燃やす

ナラクのソウルを宿すものは、シナリオ中に一度だけ任意のタイミングで自発的に『奈落浸食値』を上昇させることが出来る。
プレイヤーは最大で3個までダイスを振り、出た目の合計値分自身の『奈落浸食値』を上昇させる。

ナラク能力リスト

このプラグインを選択する場合、作成時に宣言しなければならない。そうした場合、キャラの【ジツ】は【ナラク】に置き換えられ、以降通常のジツを獲得することは出来なくなる。
【ナラク】値を持つPCは、《☆ナラクの力》を獲得する。【ナラク】が0であっても、『●即死耐性』の効果を受けることは出来る。
以降、現在の【ナラク】値に応じて専用のナラク能力を獲得出来る。
ナラク能力はジツのように扱い、スキルスロットを消費しない。『サイバネ埋め込みペナルティ表』を計算する際、ナラク能力の☆や★はジツと同じものとして扱う。

☆ナラクの力

ナラク・ニンジャは憑依者に理外の活力を与える。その源は過去の悔恨、怨嗟、そしてニンジャへの憎悪だ。

このニンジャは『体力』に+【ナラク】され、『精神力』に+(【ナラク】2につき1)される。更に、《●即死耐性》を得る(この即死耐性は【ナラク】0でも有効)。
【ナラク】2以降、このキャラは追加で以下に示されるナラク能力を獲得出来る。獲得の方法は以下のリストを参照すること。
取得したナラク能力は【ナラク】値上昇時か、『余暇スロット』1を消費することでジツのように組み替えることが出来る。
加えて、《⭐︎ナラクの力》を持つキャラはターン中に1回、「奈落浸食値」を上昇させて以下のナラクブーストから1つを選択して使用出来る。

・煮え沸る殺意
『近接攻撃』か『射撃攻撃』を行う直前に宣言し、判定に使用するダイスを最大で3個まで得る。判定終了後、「奈落侵食値」が得たダイス1つにつき2上昇する。
・地獄の猟犬
「奈落侵食値」+2。手番『移動フェイズ』の直前に宣言し、このターン中『脚力』+2。
・死神の目
「奈落侵食値」+3。手番『攻撃フェイズ』の直前に宣言し、このフェイズ中に行う『近接攻撃判定』か『射撃攻撃判定』の難易度を-1する(下限:EASY)。
・ナラクのささやき
「奈落侵食値」+4。戦闘中に1回まで。このキャラがジツによる攻撃を受け、かつそれが回避可能なものならば、『回避判定』の難易度を-1する。

『集中状態』や『⚫︎アドレナリン・ブースト』による難易度低下と累積する。
習得可能ナラク能力数
レベルごとに累積し、余暇スロット1を消費することで組み替えることが出来る。
 1:☆
 2:★
 3:★
 4:★ or ★★
 5:★+★ or ★★
 6:★+★ or ★★ or ★★★
 7:★+★+★ or ★★+★★★ or ★+★★★

◎獲得例:
【ナラク】1のニンジャスレイヤーは《☆ナラクの力》のみを持つ。

2になった時、★レベルのナラク能力から1つを選択して獲得し、3になった時はこれに加えてもう1つ★レベルのナラク能力を獲得出来る。

4になった際は、上記に加えて★レベルのナラク能力1つか★★レベルのナラク能力1つを獲得することが可能だ。

★黒炎の纏い

関節から炎を吹き出し打撃の速度をブーストしたり、あるいは単純に不浄の炎を纏った攻撃で敵を焼く。

使用タイミング:手番『開始フェイズ』
コスト:精神力1、瞬時
ターゲット:自分自身
発動難易度:ニューロン+ナラク:NORMAL
効果種別:エンハンスメント、効果継続(戦闘中)
無効:テック武器不可
このニンジャが行う素手と武器を用いた近接攻撃は、すべて『火炎属性ダメージエンハンスメント+1』を得る。
【ナラク】5以上で、この効果はスリケン/ナガユミにも適用される。
【ナラク】6以上で、この効果は銃器による射撃にも適用される。
また、この銃器による射撃はスリケン同様アトモスフィアの影響を受ける。

★ヘルタツマキ

回転しながら全周囲にスリケンを投擲する殲滅技。

『●射撃スタイル:ヘルタツマキ』:連射上限1。『痛打』『サツバツ!』発生なし。『エンハンス不可』。【ワザマエ】(難易度:HARD)判定を行い、成功した場合自動的に自身の5x5マス以内にいるすべての敵にスリケンによる1ダメージを与える(回避難易度:NORMAL)。
【ナラク】値5以上で、この射撃の範囲は自身の7x7マスに拡大される。

【6,6】:1ダメージを2回与える(『時間差』可)。
【6,6,6】かつ【ワザマエ】13以上:1ダメージを3回与える(『時間差』可)

【ナラク】5以上で、射撃判定の直前に【精神力】1を支払い[奈落浸食値]を2上げることで『●射撃スタイル:ヘルジゴクタツマキ』を使用出来る。

●射撃スタイル:ヘルジゴクタツマキ』:《●射撃スタイル:ヘルタツマキ》と同様の効果を持つが、この射撃は《★黒炎の纏い》によるダメージエンハンスメントを受けられる。

ヘルジゴクタツマキは《★★硫鉄のブラスナックル》の対象に出来ない

★赤黒のニンジャ装束

このニンジャは血のような赤黒いニンジャ装束を身に纏う。
メンポには恐怖を煽る書体で『忍』『殺』のカンジが描かれる。

常時発動。このスキルを取得した場合、「奈落浸食値」初期値に+2。
このキャラが装備している「頭部」「胴体部」「腕部」「脚部」の防具1つにつき『体力』+1の修正を得る。

【ナラク】4以上で、かつ4部位すべてに防具を装備している場合、上記に加え、以下のいずれかの一式装備ボーナスを得られる。どのタイプの一式装備ボーナスをもたらすかは、シナリオ開始時に選択できる。

・決断的な:【体力】+2、【精神力】+2、【攻撃】+1、【回避】+1
・威圧的な:【体力】+4、【攻撃】+2
・流麗な:【回避】+1、【機先】+2、【側転】+2、緊急回避ダイス+2

【ナラク】6以上になると、「忍殺防具」の基本修正値はそれぞれ『体力』+1、『精神力』+1に変化する。

★ナラクの武具

古代ニンジャの血は鉄と硫黄で出来ている。ナラクの血は大気中の重金属を触媒に歪な武具を生成することが可能である。

使用タイミング:手番『終了フェイズ』
コスト:精神力1、瞬時
ターゲット:自分自身
発動難易度:ニューロン+ナラク:HARD
このスキルは戦闘中に1回まで発動出来る。
【ナラク】5以上で2回、【ナラク】7以上で3回まで発動出来るようになる。

発動時以下の中から1つを選択する:

忍殺武器:所持している武器1つを指定する(テック武器不可)。その武器によって行う攻撃のダイスを+2。これはエンハンスメントとして扱われる。

防具を覆う歪鉄:現在装備している防具1つにつき『緊急回避ダイス』を1つ得る。戦闘終了後、この方法によって得た『緊急回避ダイス』は失われる。この効果は戦闘中1回まで使用することが出来る

赤黒の鉤縄:戦闘終了までレリック『赤黒の鉤縄』を取得し、装備する。これには装備スロットを消費しない。装備中、以下のワザを使用可能:

『●ワザ:フックロープ引き寄せ』:手番『移動フェイズ』に瞬時行動として使用し、6マス以内のキャラに特殊な『射撃攻撃』を行う。この攻撃は自動的に成功し、ダメージは0(回避難易度:NORMAL)。命中した対象はこのキャラに隣接するように再配置される。
【ワザマエ】10以上:『●ワザ:フックロープ引き寄せ』は、ターン中1回まで『弾き飛ばし』や《◉バック転回避》など連続攻撃中に発生する移動の直前に使用を宣言することが出来る。そうした場合、移動の発生を打ち消す。

★888.888.888

ナラク・ニンジャの憑依者は本来あり得ざるIPアドレスを持ち、IRCネットワークと超自然的な接続を得る。

種別:特殊
 制限:「生体LAN端子」装備不可。

このニンジャは『電脳』判定のダイスと『機先』に+【ナラク】。

このニンジャは生体LAN端子を持たなくとも、これを前提とする各種ハッキング系スキルをペナルティなしで取得および使用できる(この対象には『◉タツジン:ハッカー』も含む)。ただし、このニンジャはつねにハッキングターゲットであるともみなされる。なお、戦闘開始時は常にポート解放状態から始まる。

望むならば手番「開始フェイズ」にポートの「完全遮断」または「解放」を宣言してもよい。ポートを完全遮断している間、このニンジャは「ハッキングターゲット」ではなくなるが、あらゆるハッキング系スキルが使用不可能となり、現在効果継続中のものがあれば、直ちに効果終了となる。ポートの解放を宣言した場合、このニンジャは直ちに通常の状態へと戻る。

【ナラク】5以上:「種別:ハッキング」を持つ◉スキルを、記憶スロットからでも使用できる。そのスキルの使用宣言タイミングで『精神力』1を支払うこと。次の手番開始時まで一時的に、その◉スキルを記憶スロットではなく、通常のスキルスロットに入っているものとみなせる(スキル数の上限は無視する)。それが効果持続系のスキルである場合は例外であり、効果が終了するまで、それが通常のスキルスロットに入っているものとみなされる。

《☆◉超自然IRC接続》と《◉タツジン:ハッカー》のあいのこ 

★ナラクの闘法

憑依者とナラクとの合一が深まり、ナラク・ニンジャの獣じみたカラテを身に着けたことを表す。

このニンジャは素手による近接攻撃を行う際、以下の戦闘スタイルを使用することが出来る:
『⚫︎戦闘スタイル:ナラクの人体破壊』:この戦闘スタイルを使用した素手による近接攻撃では、【6,5+】で『サツバツ!』が発生する(『ナムアミダブツ!』は通常通り)。

★黒炎の接合

体内に循環する不浄の炎を解放し、傷を焼き塞ぐ。その時生じた爆炎により、弱い敵を吹き飛ばすことも可能だ。

使用タイミング:手番『移動フェイズ』 または 『攻撃フェイズ』
コスト:精神力1、瞬時
ターゲット:自分自身を中心とした3×3マス
発動難易度:ニューロン+ナラク:NORMAL
自身が受けている『●部位損傷』の効果を1つ取り除く。
またこの時、自分自身を中心とした3×3マスにいるすべての敵に『火炎属性1ダメージ』を自動的に与える(回避難易度:NORMAL)。
このスキルは部位損傷を受けていない時でも使用することが出来る。

★知識の継承

ソーマト・リコール現象とは死に瀕した時状況を打開するためニューロンが見せる幻だ。ナラク・ニンジャ憑依者は自身の記憶に加え歴代憑依者の記憶をも探り、最善手を模索することが出来る。

自身の記憶スロットにあるスキルのうち、『常時強化』『ハッキング』を除くスキルを選択し、【精神力】1を消費することで次の手番開始時までそのスキルがスキルスロットに入っているように扱う。
ただし、スキルの前提条件は満たしていなければならず、この能力で一時的に使用可能となった状態では前提条件を満たしているものと見做されない。

呼び出せるスキルは《◉◉戦闘系ソウルの力》と同じ

★★理外の生命力

ナラク・ニンジャに憑依されたニンジャは、並みのニンジャであれば爆発四散するような状況にあっても憎悪の炉を燃やし命を繋ぐ。

常時発動。このスキルを獲得した場合、「奈落浸食値」初期値に+3。
このニンジャの『体力』を+【ナラク】。

加えて、このニンジャの『体力』が0になり『気絶状態』になった場合、以下の『ナラク活性状態』に入ることを選択してもよい(これを『ニンジャ耐久力の発露』より前に発動することは出来ない):

◎この状態に入った場合、その時点で受けている『拘束状態』など他のすべての状態異常は解除される。
◎行動難易度+1、かつ敵からの攻撃/射撃難易度-1の状態で行動を続けられる。
◎戦闘終了まで【体力】や【精神力】の回復は一切行えない。
◎『ニンジャ耐久力の発露』は通常通り続けられる。
◎これらの効果は戦闘が終了するか、【精神力】がマイナスになった段階で失われる。

★★追撃スリケン投擲

カラテで吹き飛ばした相手に追い打ちのスリケンを投擲しとどめを刺す。

使用タイミング:手番『終了フェイズ』
コスト:『精神力』1、瞬時
手番『終了フェイズ』に瞬時行動を使用して発動する。
現在の装備に関わらず、以下の『射撃スタイル』を用いたスリケンによる『射撃攻撃』フェイズを一回得る。この射撃では『咄嗟のスリケン投擲』のペナルティを受けることはないが、この手番中に『攻撃フェイズ』で攻撃したキャラしか対象にすることが出来ない。

『●射撃スタイル:追撃スリケン投擲』:スリケンによる射撃攻撃を行う。この際、『連射』は本来の数値から-1される(下限0、つまり《●連射2》以下では使用することは出来ない)。また、この射撃を行う際の『射撃ダイス』は本来の半分(端数切り上げ)になる。
また、射線による制限や隣接状態への制限は通常通り受ける。

★★硫鉄のブラスナックル

異形の武具に更なる力を注ぎ込み、瞬発的な破壊力を高める。

前提:《★黒炎の纏い》の効果を受けた攻撃
使用タイミング:近接攻撃判定または射撃攻撃判定の直前
コスト:精神力1 または 精神力2、瞬時
ターゲット:自分自身
発動難易度:自動成功
効果種別:エンハンスメント
精神力を支払い、『奈落侵食値』を2上昇させて発動する。この手番中に《★黒炎の纏い》を受けた攻撃が得る『火炎属性エンハンスメント』は+1ではなく+2となる。
精神力を2消費し『奈落侵食値』を3上昇させることでエンハンスメントを+3にしてもよい。ただし、この効果を使用した手番終了後に《★黒炎の纏い》の効果は終了する。

通常の侵食値上昇と重なり、精神力1なら侵食値+4、2なら+5となる。

★★憎悪のふいご

特殊な呼吸法を用いてナラク・ニンジャの力を循環させ、恐るべき瞬発力を産み出す。歪な反チャドーとも呼ばれるものであり、使用者への反動も大きい。

使用タイミング:手番『攻撃フェイズ』
コスト:【精神力】2、1行動
ターゲット:自分自身
発動難易度:【ニューロン】+【ナラク】 難易度:HARD
効果種別:効果継続(【ナラク】/2)
【ニューロン】+【ナラク】で『発動判定』を行う。判定に成功した場合、このキャラはただちに『循環状態』となり、以下の修正を得る:

・『体力』+4(効果終了時『体力』-4)
・『不覚状態』以下の状態異常にならない
・『拘束状態』になった際、即座に1回の『脱出判定』を行うことが出来る
・《★黒炎の接合》で隣接マスに与える効果が『ダメージd3』『回避HARD』に強化される
・火炎属性に対する『ダメージ軽減2』を得る
・『ナラクブースト』の侵食値上昇-1し、ターン中に複数の『ナラクブースト』を宣言し、組み合わせられるようになる。

効果終了時、このキャラは次の手番開始時まで『不覚状態』となる。

発動【6,6,6】:発動した手番から次の出番まで、近接攻撃と射撃攻撃に『火炎属性ダメージエンハンスメント1』を受ける(テック武器不可)。《★黒炎の纏い》の効果を受けている場合、エンハンスは1ではなく2になる。

★★爆炎制動

装束に染み込んだ血が爆ぜ衝撃を軽減する。ダメージを最小限に留めながら、無理矢理突破することの可能だ。

使用タイミング:『回避判定』の直前
コスト:『精神力』1、瞬時
ターゲット:自分自身
発動難易度:自動成功
効果種別:効果継続(この手番の終了まで)
効果が継続している間、このニンジャは『ダメージ軽減1』を得る。この軽減に対して、『装甲貫通』は1低いものとして扱われる(下限0)。
通常通り回避判定を行うことも可能で、また以下のワザを得る:

回避【5+】『●ワザ:爆炎突破』:これは『リーチ+X』を持つ攻撃に対しても発動する特殊なカウンターカラテである。回避を行った直後、このキャラは攻撃してきた敵に対して近付くように1マス移動を行う(斜め可)。これにより隣接した場合、攻撃側に連続攻撃が残っているなら続く攻撃に『リーチ+X』のペナルティを通常通り受ける。

★★死神の引鉄

ナラク・ニンジャの影響力は文明の武器にも及び、その外観は禍々しい肉食動物の牙めいて変貌する。

前提:【ナラク】6以上
制限:拳銃、散弾、ライフル、自動火器
   テック武器不可
『奈落侵食値』による『連射』への修正は、銃器の持つ固有の『連射』値にも影響するようになる。
ただし、スタイルなどが持つ『連射上限』を無視することは出来ない(『連射1』の銃器が持つ『射撃スタイル』は『連射上限:1』と見做す)。

★★★共振状態

おのれの自我とナラク・ニンジャの自我がトモエめいた共振状態に入ったことを表すスキル。人間の自我を保ちながらナラクの力を引き出すことが出来るが、危ういバランスを保っている危険な状態でもある。

使用タイミング:手番『開始フェイズ』 または 『気絶状態』
コスト:『精神力』2、瞬時行動
ターゲット:自分自身
発動難易度:【ニューロン】+【ナラク】 難易度:U-HARD
効果種別:復活、変身、効果継続(戦闘中)

シナリオ中1回まで。

このキャラが『気絶状態』になった時に使用することが出来る。
『体力』を【ナラク】x2点回復し、直ちに自身が受けているすべての状態異常を解除する。加えて、効果が継続している間【カラテ】+4、【ワザマエ】+2、『連続攻撃』+1を受ける。

このスキルは手番『開始フェイズ』に自発的に使用することも出来る。
このスキルの使用回数はあらゆる方法で回復することが出来ない。

★★★ヌンチャク・オブ・ディストラクション

ナラクの炎の中からニンジャ三神器がひとつ、ヌンチャク・オブ・ディストラクションを引き出すスキル。黒檀のヌンチャクには恐ろしい『忍』『殺』のカンジが赤黒の炎によって刻まれ、あらゆるものを粉砕する。

使用タイミング:手番『開始フェイズ』
コスト:『精神力』3、瞬時行動
ターゲット:自分自身
発動難易度:【ニューロン】+【ナラク】 難易度:U-HARD
効果種別:武器召喚、効果継続(戦闘中)
シナリオ中1回限り。

『発動判定』に成功した場合、「ヌンチャク・オブ・ディストラクション」を装備可能になる。この特殊な武器は武器スロットを消費せず、シナリオ終了時に消滅する。装備中、ターン開始時に「奈落浸食値」が+1される。
データは以下の通り:

種別とスロット占有数:素手、0スロット
所持ペナルティ:なし
装備時ペナルティ:なし
ダメージや基本攻撃難易度:3ダメージ、装甲貫通1、NORMAL
装備中『攻撃ダイス』+3、『回避ダイス』+3。
この武器はあらゆるタツジンスキルの対象にならず、また素手の効果を変更するスキルの対象にもならない。また、ヒサツ・ワザを発動することも出来ない。
加えて、以下の戦闘スタイルを得る(すべて『2ターン連続使用不可』):

『●戦闘スタイル:ヌンチャク乱舞』:【カラテ】による近接攻撃を行う。その際、『連続攻撃』+1を得る。

『●戦闘スタイル:無限伸長の鎖』:【カラテ】か【ワザマエ】による近接攻撃を行う。その際、この武器は『リーチ∞』を持ち、視界内にいるすべてのキャラを対象にすることが出来る。

『●戦闘スタイル:ヌンチャク回転斬撃』:連続攻撃上限1。【ワザマエ】難易度:HARDの判定を行い、成功した場合自身の5x5マス以内にいるキャラにX回の連続攻撃を行う。ダメージ2(エンハンス可)、装甲貫通1。Xは自身の『連続攻撃』に等しい。
【6,6,6】:連続攻撃の回数がX+1になる。

NMが望むなら、質問所2022年9月のデータを使用してもよい

ナラク系スキル

ナラク系スキルはジツ系スキルのように、【ナラク】値を持つキャラだけが獲得出来る特殊なスキルだ。
『サイバネ埋め込みペナルティ表』を計算する目的で、ナラク系スキルは同じ☆や★を持つジツ系スキルと同じものとして扱う。

☆◉果てしない憎しみ

ナラク・ニンジャの原動力となるのはニンジャを憎むモータルの、そして憑依者の思念である。

前提:【ナラク】2以上
制限:除去困難
このスキルを持つキャラは、《◉憎悪:●●》を記憶スロットに送ることができ、加えて《憎悪:●●》は記憶スロットにあっても効果を発揮する。
このスキルを獲得した場合、『奈落浸食値』に+(《憎悪:●●》の数)。

☆◉感傷の助け

同情。共感。義憤。
時として感傷は隙となるが、それこそが、あなたを人間の側に留める。

前提:【ナラク】1以上
『鎮魂ロール』を行う際、出目に+(このキャラが持つモータルとのユウジョウの数)する。最大で【ナラク】まで累積する。

【ニューロン】10以上:『鎮魂ロール』を行う際、常にダイスが1個増加する。ロールを行うための【万札】は依然支払わなければならず、増加したダイスだけで『鎮魂ロール』を行うことは出来ない。

⭐︎◉死神の標的

入念な情報収集を行い相手のことを調べ上げ、看破することで敵を心理的に圧倒する。戦いの結果は始まる前から決まっているのだ。

前提:【ナラク】3以上
使用タイミング:『ダンゴウ』フェイズの『情報収集判定』
このキャラが行った『情報収集判定』は、シナリオ中1回まで振り直しせる。
加えて、このキャラが『情報収集判定』で出目【6,6,6】を出した場合、シナリオ中1回まで以下の効果を使用することが出来る。

回避『●見破り』:この効果は『ボス級NPC』に対してのみ使用することが出来る。
『回避判定』の直前に宣言し、そのフェイズ中難易度を−1する。これは他の難易度を低下させる効果(《●アドレナリン・ブースト》など。ただし、《◉緊急ブリッジ回避》と組み合わせることは出来ない)と累積する。
そのフェイズ中に行われた攻撃をすべて回避した場合、攻撃を行ったキャラは激しい動揺から次のターン開始時まで『崩れ状態』になる。

★◉苛む黒蛇

黒炎を纏ったフックロープが敵に絡み付き、締め付けながら焼き尽くす。

前提:【ナラク】5以上+《★黒炎の纏い》+《★ナラクの武具》
『赤黒の鉤縄』を装備し、『●ワザ:フックロープ引き寄せ』を使用した際、これを回避出来なかったキャラは回避不能の1ダメージを受ける。

★◉ナラクとの合一

ナラク・ニンジャとの合一が深まり、もはやニンジャソウルと果てなき復讐心は否定出来ない己の一側面となった。破滅は近づくが、踏み止まるためにもまた力は必要だ。

前提:【ナラク】5以上
『ナラクブースト』のうち、『煮え滾る殺意』が最大で4回まで累積するようになり、『ナラクのささやき』を戦闘中2回まで使用出来るようになる。

【ナラク】7以上:『煮え滾る殺意』が最大で5回まで累積するようになり、『ナラクのささやき』を戦闘中3回まで使用出来るようになる。

コラム1:ナラクのソウルとユウジョウ

ナラク・ニンジャは全ニンジャを憎む存在だ。
そしてその憑依者もニンジャへの憎しみを抱いていることが多い。

通常、ナラクのソウルを宿すニンジャが他のニンジャと交流を持つことは稀だ。特にモータルを虐げる邪悪なニンジャに行う対処は殺害だけだろうし、ナラク・ニンジャも決して認めない。

この点を反映し、ナラクのソウルを宿すニンジャは三大ニンジャ組織に属するキャラ、およびヨロシサンやオムラといったニンジャ戦力運用組織に属するキャラをユウジョウ判定の対象にすることが出来ない。
加えて、それらの組織に属していなくても非道極まるニンジャ(例えばデスドレインやデソレイション)も対象に出来ない。

また、それらの組織に参加することも出来ない。
組織にとってもナラクの力は危険なものであり、手元に置いておこうとは思わないだろう。もし組織に捕らえられてしまった場合、そのキャラは『名声』を-1して脱出する。『名声』がマイナスに達してしまったなら、その時は運の尽きだ。処刑人が首を撥ね、キャラはロストする。

逆に、ストリートのニンジャからは恐れられながらも一目置かれる存在となるだろう。ニチョームのネザークイーンやヤモト・コキは、ハグレものでありニンジャ組織の暴威に対抗するものに好意的な目を向ける。
ドラゴン・ユカノはナラクの力を持つものを導こうとするだろうし、フィルギアはその存在を見極めんと近付いてくるだろう。

コラム2:先代の扱いと『Wasshoi!判定』

原作ではフジキド・ケンジやマスラダ・カイが宿していたナラク・ニンジャのソウルをPCが扱うことは非常にデリケートだ。人によっては「先代」、あるいは「後継者」の扱いを気にすることだろう。
後継者に関しては単にそのキャラにナラクが移ったことにすればよい。
先代については、いくつかのパターンが考えられる:

1.すでにサツバツナイトになっている
原作のように、フジキド・ケンジは激しい戦いの中で斃れ、リアルニンジャとなって蘇った。死に瀕した彼から溢れたナラクの力が別の憑依者を探し求め、そこでPCが選ばれた、というかたちになる。
比較的穏当な二代目の誕生だ。

この場合、サツバツナイトやドラゴン・ユカノは後継者であるPCに対して興味と懸念を持っている。サツバツナイトはかつてナラクに振り回された苦い経験を持ち、そこで得た知見を不器用ながらに伝えようとする。

2.フジキド・ケンジ死す
先代ニンジャスレイヤーは倒れたが、原作のようにリアルニンジャとなることなく爆発四散している。AoS世界で誰かが「共振状態ニンジャスレイヤー」を倒したのかもしれない。
PCは非業の死を遂げた先代からナラク・ニンジャのソウルを引き継いで新たなニンジャスレイヤーとなった。三大ニンジャ組織が残っているなら、再び現れたニンジャスレイヤーにある程度の警戒を振り向けるだろう。
ドラゴン・ユカノら先代の協力者たちも、なんらかの形で接触を仕掛けてくるかもしれない。

3.両者並立
当代ニンジャスレイヤーと先代ニンジャスレイヤーがなぜか両方いる。
なんらかの原因でナラクの力が分かたれてしまった、マルチバース的事象が発生した、人工的に作られたニンジャスレイヤー二号……詳細はNMが考えなければならない。

あるいは、単に当代のニンジャスレイヤーは「自称」であり、宿っているソウルはナラクのものではないかもしれない。その場合、ナラク能力は単にPCの技術とニンジャソウルがもたらすカトンの力であり、奈落浸食による破滅はニンジャソウルの闇の発露になる。

また、ナラク・ニンジャのソウルをPCが持ち、かつDKKを稼ぐ悪のニンジャとして歩む場合、『Wasshoi!判定』を行った際誰が出るかを考える必要がある。なぜならニンジャスレイヤーはここにいるのだから。

一番簡単なのは、対立するニンジャ組織の幹部クラスを出すことである。
ソウカイヤのシックスゲイツ、ザイバツのダークドメインやサラマンダーなどフットワークの軽い幹部、アマクダリならスパルタカスやハーヴェスターと彼が率いる湾岸警備隊が適している。

あるいは、ナラク・ニンジャの奥底に眠るレリックを狙うダークニンジャとその軍勢。現代に蘇った災厄にも等しいリアルニンジャ。マルチバースからやってきた別のニンジャスレイヤー……

データ的には、ニンジャスレイヤーと同じデータを持つ別の名前のニンジャを用意するのが一番簡単である。
とにかくここは難しいので、NMは頭を捻り、プレイヤーやインターネット上の友人たちとディスカッションを行ってもっともよい方法を考えよう。

NM向けの注意点

ナラクのソウルを宿すキャラにとって、シナリオがどれだけ続くかは通常のキャラ以上に重要だ。敵にニンジャはどれだけいるのか? ブーストやナラク能力をどこまで使っても無事でいられる? 戦闘はどれだけ長引くのか? 増援はあるのか? 戦闘終了後になにかあるのか?

こうした情報は、基本的にはすべて開示した方がよい。すべてを教えなくても、「この戦闘は小手調べだ」、「これが最後の戦闘(クライマックス)」だなどの大まかな指針を与えた方がプレイヤーもマスターもやりやすい。

基本的にマイナスのサプライズは歓迎されない。マスターにとってはシナリオのスパイスでも、先を見通せないプレイヤーには大きなストレスになることも多い(当然ながら、シナリオの内容をすべて知っているのはマスターだけなのだ)。
マスターはあらすじであり、地の文であり、登場人物である。秘するより語り過ぎるくらいの方がいい。

更新履歴

2024/10/31 新要素『ナラクブースト』を追加
記憶の継承を★★から★に格下げ
《★ナラクの知識》削除、ブーストに統合
《★★爆炎制動》の効果を調整
《★★硫鉄のブラスナックル》の効果を調整
《★★憎悪のふいご》を追加
《☆◉干渉の助け》の効果を強化
《★◉ナラクとの合一》を追加
いくつかガイダンスを追加
2024/9/12 侵食値修正の変更、いくつかのスキルの効果修正
(ヘルタツマキにノーコストでエンハンスが乗るとヤバく、《★★硫鉄のブラスナックル》が乗ると更に目も当てられなくなる)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?