ニンジャスレイヤーTRPG第二版用シナリオ【救出】
この記事は「ニンジャスレイヤーTRPG二版」用のシナリオです。
このゲームのシナリオには、「隠された背景」や「マップの構造」など、プレイヤーは読んでいない方が楽しめる要素が含まれているため、基本的には進行役のニンジャマスターだけが読みます。
このシナリオはモータルのアウトロー用に作成されており、普段よりもノワールでピカレスクな設定をお楽しみいただけます。
【ダンゴウ】
君たちへの依頼は以下の通りだ:
【情報収集フェイズ】
今回は緊急の任務であるため、PCにはMAPを手に入れたり、情報を得ることは出来ない。
各PCは【ニューロン】と【ワザマエ】の判定を一回ずつ行う。難易度はHARDであり、サイバネなどの修正を加えることは出来るが、知識技能や交渉技能を加えることは出来ない。
成功した場合、【ニューロン】なら「即応ダイス」を2個、【ワザマエ】なら「緊急回避ダイス」を2個獲得する。
【メインフェイズ】
このフェイズでは本格的な地下道の探索が開始される。地下は光の届かない闇の中だが、特に光源については気にしなくて良い。気にするプレイヤーがいるなら、プロフェッショナルである君たちは当然暗所で活動出来る装備を持っていることを理解してもらおう。暗視ゴーグル、または民生品のサイバーサングラスでも十分暗闇に対応出来る。
こちらはGoogleスプレッドシートで作成したMAPだ。敵の配置などがすべて記載された『ネタバレ』仕様なので、NMは必要に応じて情報を制限すること。このシートをコピーするか、ドライヴにダウンロードすることで自由に使用することが出来る。
①入り口
探索はここの「初期配置マスやから開始される。ターゲットを確保すると、「初期配置マス」は「脱出マス」に変化する。
②メンテナンス通路1
壁にあるいくつかの配管は『体力:1』を持ち、0になった場合その攻撃フェイズの終了時に隣接しているすべてのキャラに蒸気噴射による1ダメージを与える(回避難易度NORMAL)。このダメージは『時間差』として扱われ、何らかの攻撃が他に行われていたなら個別に回避しなくてはならない。
③広間
この部屋に入った段階で、すべてのPCはd6を振る。5以上の目がひとつでも出た場合、水辺にどこかから流れてきた白いケースが浮かんでいる。幸いロック機構は流れてくる間に壊れており、開けることが出来る。
ケースの中身
1〜2:【万札】2
3〜4:ZBRアドレナリン
5〜6:気化オハギ(『精神力』4回復、次の手番開始時まで『崩れ状態』。売価【万札】10)
④バイオ白ワニの生息地
この部屋には8体の「バイオ白ワニ」がいる。
7:モブエネミーリスト:ニンジャスレイヤーTRPG2版ルールブック(2023/01/15更新)|ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズ (diehardtales.com)
なんらかの攻撃を仕掛けた段階で目を覚まし、怒りに任せて襲い掛かって来る。この部屋は行き止まりであり、何のアイテムも存在しない。
また、この部屋は「③広間」から繋がっており、射線を通すことが出来る。バイオ白ワニは攻撃を行ったキャラがバイオ白ワニよりイニシアチブが低くない限り、攻撃を受けたそのターンから行動を開始することが出来る。
バイオ白ワニの知性は低いため、近くにいる敵を優先的に攻撃する。
⑤連絡通路
一番奥の扉はPCがいかなる手段を用いたとしても破壊することは出来ない。
⑥休憩室
この部屋ではいくつかのイベントが起こる。まず、この部屋には救出ターゲットである『タカハシ・タケシ』がいる。タケシは40代後半の男性で、頭髪はやや後退して退色している。中肉中背、かつてヤブサメ部に所属していた頃に鍛えていた肉体はもはや見る影もない。それなりに仕立てのいいスーツを着ていたが、いまはもうない。君たちが自分たちの身分を明かすと、タケシは安心し君たちを歓迎する:
ひとしきり演説した後、タケシは顔をしかめてうずくまる。見ると、右足の脹脛がざっくりと切り裂かれているのが分かる。自力での歩行が出来ないため、誰かがタケシを『運搬』する必要がある。
加えて、この部屋には救急治療用のアイテムや対バイオ生物用の武器、あるいは作業員が置き忘れたバリキドリンクなどが存在する。この部屋には3つのトレジャーボックスがあり、それぞれA、Bと区分けされている。対応する獲得アイテムについては以下の通りである:
ボックス一覧(開ける際にd6を振る、出目による獲得物は以下の通り)
トレジャーボックスA
1~2.【万札】1
3~4.濃縮バリキドリンク(『体力』1回復、使い捨て、売価2)
5~6.濃縮バリキドリンクが1d3+1個
トレジャーボックスB
1~2.【万札】2
3~4.ショットガン
5~6.マシンガン
タケシを助けた後
ニンジャの出現
タケシを助け、「⑥休憩室」を出る際は必ず全員で部屋を出る。この際、PCは通路の初期配置マスに配置されなくてはならない。全員の配置が終わったら、NMは以下の描写を読み上げる:
「スキャッター」と「オフェンダー」がMAPに配置される。また、それ以外の敵も配置される。PCは彼らから逃れなければならない。
ニンジャと遭遇したため、これまでにニンジャを殺したことのないPCは「NRS判定」を行わなければならない。タケシはニンジャの恐怖を味わい失神する。特に不利な要素はないが、「ZBRアドレナリン」などを使ってもこ
のシナリオの間目覚めることはない。
10:PCキャラメイクのオプション集:ニンジャスレイヤーTRPG2版ルールブック(2023年4月27日更新)|ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズ (diehardtales.com)
なお、スキャッターとオフェンダーはモータルであるPCを舐めているため、アトモスフィアの上昇は緩やかになる。5ターン目開始時ハードに、10ターン目開始時にウルトラハードになる。
敵の配置と行動パターンについては以下の通り:
【トレジャーボックス・オブ・ニンジャ】AoS-052「スキャッターとオフェンダー」|ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズ (diehardtales.com)
スキャッター:
スキャッターはPCたちから付かず離れず移動を行う。最初に連続側転移動を行い、その後2ターンに1回の割合で連続側転移動を行う。その場合でも、少なくともすべてのPCから2マス離れた場所に移動を行う。攻撃はもっぱらスリケンを使う。彼は比較的カラテで劣ることを知っているし、近接カラテを行いながらでは趣味の残虐行為撮影が行えないからだ。彼の手には常に旧時代のハンディカムがあり、ニンジャの恐ろしい暴虐を常に記録している。
オフェンダー:
オフェンダーはタケシを運搬しているキャラを追いかけるようにして移動を行う。最初に連続側転移動を行い、その後2ターンに1回の割合で連続側転移動を行う。連続側転を行うターンには「カタナ」を装備し、そうでないターンには「カタナx2」を装備する(そのため、『連続側転判定』はダイス5個、難易度NORMALとなる)。もし移動して追い付ける相手がいなかったなら、装備を素手に変更してスリケンを使って攻撃を行う。
③広間
X-18、Y18、Z-18の3マスと、Q-12、R-12、Q-13、R-13の4マスに合計7体の「クローンヤクザ」が出現する。加えて、4ターン目にはAD-17とAD-18のマスに2体の「クローンヤクザ・チーム」が、7ターン目にZ-12、AA-12、AB-12のマスに3体の「クローンヤクザ」が出現する。
①入口
C-15に1体の「モーターヤブ」を配置し、H-17とI-18、そしてH-12に「クローンヤクザ」を配置する。
モーターヤブはもっとも多くの敵を巻き込めるように《●射撃スタイル:銃弾の雨》による攻撃を行う。巻き込める敵の数が2体以下の場合、ガトリングガンによるバースト射撃を行う。
腕のデバイスを切除する:
追い詰められたPCは「少なくとも腕のデバイスを確保する」という依頼の要件を思い出す。タケシのデバイスだけを『取る』ことは可能だ。
タケシを運搬しているキャラは手番『終了フェイズ』を消費することでデバイスを切除し、運搬を即座に終了することが出来る。気絶していたタケシは目を覚ますが、泣き喚くだけで判定には一切影響を及ぼさない。
更に、置き去りにされたタケシをスキャッターとオフェンダーは嬲り殺しにしようとする。そのため、運搬を終了した次のターン、スキャッターとオフェンダーは一切行動を行わず、スリケンの的にして楽しみ撮影を行う。タケシは死亡し、その次のターンからニンジャたちは行動を再開する。
【エンディング】
このシナリオの結末にはいくつかのパターンがある:
①タケシを助け出し、脱出した
②タケシのデバイスだけを確保して脱出した
③任務に失敗した
④脱出出来なかった
①タケシを助け出し、脱出した
②タケシのデバイスだけを確保して脱出した
③任務に失敗した
④脱出出来なかった
君たちは恐るべきソウカイ・ニンジャたちに始末され、タケシも殺された。記録はすべて抹消され、ブチコワシ・コンストラクションは安堵した。
望むなら、セッション終了後に「アンセレクテッド・リザレクション現象」を起こしてもよい。その際、ニンジャとなって蘇ることに成功したなら、ふわふわローンの一切は減免される。死んだ人間からは金を取れないからだ。
【評価と報酬】
シナリオの評価と報酬は以下の通りである:
・タケシを助け出し、脱出した :【万札】+35、『名声』+1
・タケシのデバイスだけを確保して脱出した :【万札】+25、『名声』+1
・任務に失敗した/脱出出来なかった :【万札】なし、『名声』-1
【隠された背景】
ブチコワシ・コンストラクションはソウカイ・シンジケートのケツモチを受ける大規模建設企業であり、ピンハネ、建築基準法違反の建て増し、税の不正申告など様々な悪行を行い私腹を肥やしていた。従業員の待遇も最悪であり、上級社員や一部の監督役以外は奴隷めいて酷使されていた。
タカハシ・タケシも監督役として私腹を肥やす側にいたが、ある時設計ミスと資材費のピンハネのため耐久力が著しく不足していた大型ショッピングモールが崩落するという事故が起こった。数百名の死者が出たこの事故で、タケシの幼馴染であり初恋の人であったハリマ・キヌヨも亡くなってしまう。
この段に至って、タケシは自分が如何に愚かで恐ろしいことをしていたかに気付いた。しかし会社は政財界との繋がりも深く、事故の責任もワイロとマイコ・セッタイによって下請けの零細企業にすべて押し付けられ、ブチコワシ社は一切のダメージを負うことなくむしろ株価を上げた。
絶望感に駆られたタケシに接触してきたのは、アマクダリ・セクトのエージェントだった。彼らは政界への足掛かりを得るため、ブチコワシ社への正当な(そしてアマクダリにとって都合のいい)打撃を必要としていた。協力者が誰であろうとタケシにはどうでもよかった。ただ真実が明らかになり、自分も含めた関係者に正当な裁きが下ればそれでよかった。
情報を収集し、いよいよ裁判へという段階でソウカイヤも事態に気付き、タケシを消すため方々の工作に打って出た。アマクダリにとってはもはやタケシの生存はさして重要ではなかった。すでにブチコワシ社と繋がりがあった政治家を脅迫するだけの材料は整ったからだ。もしタケシが殺されたなら、系列のTV局を動かしセンセーショナルな報道で世論を動かす原動力ともなる。むしろ死んでくれていた方がありがたい。
しかし、そこで救出のため動いた男がいた。タカハシ・ケン。アマクダリ・セクトのエージェントであり、タケシが幼い頃離婚した際に離れ離れになった弟である。長年離れているため、もはやタケシはケンを見ても誰かは分からないだろう。しかしケンは、離婚してすぐに父が交通事故で亡くなり荒んだ生活を送ってきた。その日々を乗り越えることが出来たのは、温かい家族の思い出があったからだ。タケシを忘れたことは片時もなかった。
セクトの計画を知ったケンは『笑い爺』とコンタクトを取り、タケシを生かすため手を尽くした。タケシに護衛を付け、万が一の時のためにバックアップチームとしてPCたちを用意した。そして彼の想像通り、最悪の方向に事態は進展した。報酬はすべて彼のポケットマネーから出ている。
もしタケシが死ねばケンは酷く落胆するだろう。そしていずれにせよ、セクトの方針に歯向かったケンの立場は相当マズいものになる。遠からず粛清されるか、あるいは過酷な任務の中で果てるか……いずれにせよ、ケンに後悔はないだろう。
【謝辞】
本シナリオのMAPはネヤ=サンが作成したテンプレートを使用しています。
【NJRPG-2ND/プレイエイド】ネヤ式カスタムキャラクターシートV2ND-1.2.0|ネヤ (note.com)
こちらのキャラクターシートにデータを入力し、MAPの右側にある「キャラシURL」の欄にURLを入力すると自動的にデータを入力してくれます。
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