ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ:ニンジャスレイヤーTRPG第二版用シナリオ
この記事は「ニンジャスレイヤーTRPG二版」用のシナリオです。
このゲームのシナリオには、「隠された背景」や「マップの構造」など、プレイヤーは読んでいない方が楽しめる要素が含まれているため、基本的には進行役のニンジャマスターだけが読みます。
【ダンゴウ】
このシナリオの始まりは謎めいたソウカイ・ミッションを与えられたPCたちがカネモチ・ディストリクトにあるクラブに赴くところから始まる。
PCたちはそれぞれの住居からソウカイヤが用意したヤクザリムジンに乗せられて移動することになる。もしPC同士が初めて会うような間柄なら、NMはここでちょっとした自己紹介などを行わせてもよいだろう。
『ヤバイ・オオキイ』に辿り着いたPCたちは上層階にあるスタッフスペースへと案内される。そこでは支配人(ただの人間だ)が待っており、君たちをもてなしてくれる。
【メインフェイズ】
このシナリオは大きく分けて三段階に分かれる。
第一段階はクラブの経営だ。PCたちはソウカイヤの上司からこのクラブの経営を一時的に任されている。問題なく進むのがベストだし、売り上げを増やせば「よくやった」と賞賛されるだろう。何もしなくてもクラブ運営は円滑に行われていくので、特に何もしなくてもいい。
PCは単にクラブを楽しんだり、ヨージンボめいて酔客を排除したり、あるいは店の上前を撥ねたりと、思い思いの時間を楽しみことが出来る。
第二段階はザイバツの強襲だ。弛緩した前半とは打って変わり、ヤクザの放つ銃弾とスリケンが交錯し、血が流れ、爆発四散すらもあり得る緊迫したシーンが展開される。
第三段階はリザルトだ。店の経営状態、襲撃への対応、などなどがソウカイヤから審査され、PCたちの評価が決定する。栄誉栄達を手にするか、あるいはタイガーの尾を踏み破滅するか。すべては行いによって決まる。
第一段階:クラブ経営
クラブ経営は合計3ターン行い、PCは1ターンにつき1人1手番を待つ。全員が行動を宣言したらNMは適切な順番(イニシアチブ順がいいだろう)に処理する。これを3ターン分繰り返す。
PCが宣言出来る行動は以下の通りだ:
・クラブを楽しむ
・クラブのヨージンボになる
・情報収集
・店舗経営
・上前をはねる
第二段階:ザイバツの強襲
第二段階では穏やかな第一段階とは一変して、激しい戦闘が繰り広げられる。ザイバツはカチグミエリアへの橋頭堡としてこのハコを欲しており、戦いは避けられない。PCたちは死に物狂いでカラテし、クラブを守らなければならない。
戦闘前
以下の描写を読み上げる:
強襲フェイズでは戦闘が発生する。MAPと敵の配置は以下の通りである:
【ユーレイ・ダンシング・オン・コンクリート・ハカバ】MAP - Google スプレッドシート
こちらはGoogleスプレッドシートで作成したMAPだ。敵の配置などがすべて記載された『ネタバレ』仕様なので、NMは必要に応じて情報を制限すること。このシートをコピーするか、ドライヴにダウンロードすることで自由に使用することが出来る。
戦闘の特徴
このMAPではPCと敵だけではなく、逃げ惑う客が存在する。
客の『体力』は1で、『脚力』は2である。それ以外にはステータスを持たない。敵、味方ともに客は視線を遮らず、客越しに射撃攻撃を行える。また、《☆カトン・ジツ》のような敵のみを対象とするような範囲攻撃では一時的に味方として扱い、対象から外すことも可能である(「バクチク・グレネード」のような無差別範囲攻撃では不可)。
PC側には味方NPCとしてショットガンを装備した「レッサーヤクザ」2体が配置されている。また、第一段階での行動次第で味方NPCが増援としてくる可能性がある。『クラブのヨージンボになる』で判定に成功したのと同じ数だけ、PC側の増援としてチャカ・ガンを装備した「レッサーヤクザ」が現れる。これらのNPCの管理はNMが行うか、要望があればPC側が行う。
『階層の仕切り』マスで区切られた上側が2階部分、下側が1階部分になる。2階部分から1階部分に射撃攻撃を行う場合、種別に限らず射撃難易度は-1される。また、2階から1階への攻撃は射線を無視することが出来る。
仕切りマスは通常移動で乗り越えることが出来ず、またそこに留まることも出来ない。連続側転や飛行移動、瞬間移動によって越えられる。
◆レッサーヤクザ (種別:モータル)
カラテ 2 体力 1
ニューロン 2 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ – 万札 1
攻撃/射撃/機先/電脳 2/3/2/2
◇装備や特記事項
(以下の装備のいずれかを所持している)
チャカガン : 銃器、連射1、ダメージ1
ショットガン: 銃器、連射1、ダメージ2
7:モブエネミーリスト:ニンジャスレイヤーTRPG2版ルールブック(2023/01/15更新)|ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズ (diehardtales.com)
敵の行動方針
ザイバツは3人のニンジャを派遣してくる。
ビーフイーターは戦士であり、テクノロジーによって強化されたハルバートを振るい敵をなぎ払う。ハルバートは柄と刃の部分を取り外せるようになっており、近接戦闘においては刃の部分を斧のようにして使う。
デジタルワスプは首筋に生体LAN端子を開けたハッカーニンジャで、タイトなボディスーツに身を包んでいる。ガスマスクの付いた高機能なサイバーフルメンポを装備しており、冷酷な印象を受ける。
トーメンターは拷問官めいた返り血の付いた制服を身に着けたザイバツニンジャだ。拷問を得意とし、ムチを得物とする。弱者を甚振ることに快感を覚える、典型的なニンジャである。
◆ビーフイーター (種別:ニンジャ)
カラテ 5 体力 7
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 5 脚力 3(5)/H
ジツ 0 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 5/5/3/3
回避/精密/側転/発動 5/5/3/-
◇装備や特記事項
ジェットハルバート:「カタナ」と「ヤリ」を所持している。加えて、以下の戦闘スタイルを得る
《◉戦闘スタイル:ジェットハルバートなぎ払い》
「ヤリ」装備時のみ使用可。手番「攻撃フェイズ」で【ワザマエ】判定を行う(難易度:HARD)。
成功した場合、隣接する5x5マス以内にいるすべてのキャラは自動的に1ダメージを受ける(回避難易度:NORMAL)。
《◉頑強なる肉体》、《◉疾駆》
◆デジタルワスプ (種別:ニンジャ)
カラテ 2 体力 3
ニューロン 5 精神力 5
ワザマエ 3 脚力 2/N
ジツ 0 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 2/4/6/7
回避/精密/側転/発動 5/3/3/-
◇装備や特記事項
▶生体LAN端子Lv1、テック・フルヘルム
《◉Kill-9》、《◉スリケン乱射》
◆トーメンター (種別:ニンジャ)
カラテ 3 体力 4
ニューロン 3 精神力 3
ワザマエ 3 脚力 3/N
ジツ 0 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 4/4/3/3
回避/精密/側転/発動 3/3/3/-
◇装備や特記事項
ムチ
《◉ニンジャソウルの闇》、《◉邪悪なサディスト》、《◉常人の3倍の脚力》
◆クローンヤクザ(Y-12型) (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)
カラテ 2 体力 1
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ – 万札 1
攻撃/射撃/機先/電脳 2/3/1/1
◇装備や特記事項
チャカガン: 銃器、連射1、ダメージ1
7:モブエネミーリスト:ニンジャスレイヤーTRPG2版ルールブック(2023/01/15更新)|ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズ (diehardtales.com)
ザイバツ勢はクラブの評判を落とし、ソウカイヤから奪い取るために行動している。そのため、ニンジャや警備員ではなく客の始末を優先する。
ビーフイーターは連続側転を行わず、通常移動で最も多くの敵を巻き込めるように《◉戦闘スタイル:ジェットハルバートなぎ払い》を使おうとする。
デジタルワスプとトーメンターは連続側転から攻撃を行おうとする。ただし、一番近くにいるキャラがPCであり、また客への射線を遮られるような場合はPCへの攻撃を優先する。
いずれのニンジャもそのターン中に一度でも攻撃を受けた場合、攻撃してきたキャラクターに反撃を行う。また、射線が確保出来なかったり、移動しても客をターゲットに出来ないような場合は、やはりニンジャを攻撃する。
敵側のクローンヤクザはニンジャへの攻撃を最優先で行う。射線が確保出来ない場合、それ以外のキャラクターをランダムに攻撃する。攻撃対象はNMが決定し、なるべく平均的になるように対象を取る。
ザイバツはニンジャが1人以上戦闘不能になるか、クローンヤクザが全滅した段階で任務を失敗だと判断し、撤退しようとする。ニンジャたちが撤退を行えるのは、右端のマスすべてだ。
撤退の際はなるべく装備を「素手」に変更し、連続側転を行い出来るだけ長い距離を移動する。
ビーフイーターが生き残っていた場合、彼は殿として立ち、一番最後に撤退しようとする。連続側転は使用せず、一番多くの敵を巻き込むことが出来るように移動しようとする。
なお、L-2にいる客は「ナンシー・リー」である。
ナンシーは戦闘が始まったらすぐにC2~4にある脱出マスに向かっていく。敵からの攻撃は、正体が露見するまでの間自動的に回避する。
ナンシーが攻撃のターゲットになった時、PC全員が【ニューロン】判定を行う(難易度:HARD)。成功した場合、ナンシー・リーの正体を看破し、以降攻撃のターゲットにすることが出来る。
◆ナンシー・リー (種別:モータル)
カラテ 1 体力 1
ニューロン 12 精神力 12
ワザマエ 4 脚力 2/-
ジツ - 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 1/4/14/19
回避/精密/側転/発動 12/-/-/-
※モータルのため、ナンシーの行う『回避判定』は難易度が+1される。
ナンシーは監視カメラ網などの複数レイヤー視界を常時有し、敵の攻撃を察知して物陰に隠れるのだ。
◇装備や特記事項
デリンジャー(チャカガン)、キーボード・オブ・ゴールデン・エイジ、トロ粉末、ステルス・グレネード
▶︎▶︎生体LAN端子LV2、▷電脳戦用デッキ、▷ファイアウォール
『◉kill-9』、『◉ニューロマンシー』、『◉sudo_kill-9』、『◉ニューロンブースト/チルアウト』
『◉◉監視カメラレイヤー没入』
『◉◉監視カメラレイヤー没入』:
『集中状態』に入ったナンシーは、別な部屋にいる敵に対しても電脳戦系スキルを使用できる。
ただしこの場合、各スキルの発動難易度は+1されてしまう。
また、それが『対抗判定』を必要とするスキルならば、ナンシー側の判定難易度のみ+1されてしまう。
Wasshoi!判定
戦闘開始時に「Wasshoi!」判定は行わない。3ターン目の終了時、もしくはナンシー・リーの正体が露見した段階の、いずれか早いタイミングで判定を行う。ニンジャスレイヤーはナンシーの逃走を補助し、彼女が脱出したらもっともDKKの高いキャラクターを優先的に攻撃する。
『体力』か『精神力』が0になった場合、ニンジャスレイヤーはナンシーを護衛するために撤退し、【万札】10を残してMAPから取り除かれる。
第三段階:リザルト
ニンジャが全員撤退するか、敵が全滅した段階で戦闘は終了する。
戦闘終了後はリザルト処理に移る。シナリオ中に行ってきた行動、および戦闘での立ち回りによって評価は変動する。以下に提示した3つの評価項目を参照し、「評価ポイント」を算出。その合計が評価となる。
【評価と報酬】
評価と報酬は評価ポイントの合計値に応じて変動する。
評価A(評価ポイント3~)
『名声』+1、『万札』プール+20
評価B(1~2)
『名声』+1、【万札】プール+10
評価C(0以下)
『名声』-1
『名声』が0以下になった場合、ダイダロスから粛清チームを送られ爆発四散する
【隠された背景】
『ヤバイ・オオキイ』はソウカイ・シックスゲイツのニンジャ、ダイダロスが拠点として使用している施設だ。しかし、ザイバツやアマクダリの侵攻が激しさを増す中、ダイダロスにはゲイトキーパー直々に任務が課せられた。二大敵組織の電子的調査だ。
そんな中で、自身の持つクラブの経営は疎かにならざるを得ない。そのため、優先度の低い物件はサンシタにマルナゲすることになった。よしんば彼らが経営に失敗したとしても、損害は些細なものだ。万が一素晴らしい成果を上げたなら……それはそれで、見どころのあるやつがいたということ。
どちらであっても、ダイダロスには損がない。
評価Aを得た場合、チームはダイダロスから見込みありと見做される。
以降、ユウジョウ判定の対象として『ダイダロス』を指定出来るようになる。
【謝辞】
本シナリオのMAPはネヤ=サンが作成したテンプレートを使用しています。
【NJRPG-2ND/プレイエイド】ネヤ式カスタムキャラクターシートV2ND-1.2.0|ネヤ (note.com)
こちらのキャラクターシートにデータを入力し、MAPの右側にある「キャラシURL」の欄にURLを入力すると自動的にデータを入力してくれます。
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