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守護回復、ときどき疾走 ~新ゼウスと確率のはなし~

0.はじめに 

 皆様はじめまして。Kreutschと申します。
 UCLアディショナル環境、いかがお過ごしでしょうか。式神ウィッチ、妖怪ネクロの二強環境から、ロイヤルとドラゴンが勝率を伸ばし、またウィッチクラスを筆頭にデッキタイプが増加し、環境がかなり複雑になりました。新弾が出るまでの1か月間は退屈せずに済みそうだなぁと感じております。

 さて、この記事では、現在のローテーション環境から少し離れ、「至高神・ゼウス」(以下ゼウス)の効果について、確率論的な考察を絡めながらお話ししたいと思います。

 先日、Twitterにて次のような投稿を見かけました。

まさしくその通り。ということで作りました。

 (我ながら自信作)

 この投稿に掲載した表は、「自分の進化回数が何回で、相手の体力がいくつの時、リーサルをとれる確率」をまとめたものになっております。この投稿をしたところ、私のアカウントの規模では考えられないほど大きな反響をいただきました。(リツイートおよびいいねを押してくれた皆さん、ありがとうございます。ぜひ有効に活用して下さい!)
 作成してみると興味深いデータが得られたので、せっかくなのでそれらを考察してやろう思い、こうしてnoteを執筆しています。
 この記事では、前半は確率の算出方法について、後半は実際の構築や実戦での選択肢などについてお話ししたいと思います。
 前半では「条件付き確率」や「漸化式」といった、高校数学の知識を用いて考察を行います。可能な限り分かりやすく説明するつもりですが、この手の話が苦手な方、興味のない方はご了承ください。また、背景に関してはこれまでの経緯をまとめたものなので読み飛ばしてもらっても構いません。結構な量になってしまったので。
 この記事は、「読めば勝率が上がる!」とか「もう選択肢に迷わない」とかそういう類のものではなく、むしろ面白いカードを、確率論的な考察を含めながら紹介する趣旨のものです。ギャンブル性の高いカードが好きな人、数字が好きな人、確率と聞いてワクワクする人……そんな人と知の喜びを共有したいと思い執筆しました。(特に中学生、高校生に「確率っておもしれえええ!!」って思ってほしい!!)
それではどうぞ、最後までお付き合いをよろしくお願いします。

1.背景

 おさらい
 本編に先立って、今回取り扱うゼウスの効果についておさらいです。

画像1

ファンファーレ 下記の能力の中から、ランダムに1つの能力が働く。これをX回行う。Xは「このバトル中、自分のフォロワーが進化した回数」である。
「自分のリーダーを5回復」
「+3/+0して、「守護 を無視して攻撃できる」を持つ」
「+2/+1して、疾走 を持つ」
「+1/+2して、必殺 を持つ」
「+0/+3して、守護 を持つ」

 ご覧の通り、このカードはバトル中に進化したフォロワーが多ければ多いほど強力になります。このカードが採用されるのは進化回数を多く稼げる構築の場合で、ほとんどの場合、役割はフィニッシャーとなっています。
 このカードが登場した当初から、一撃で試合を決めうる、この派手な効果を使おうと様々なデッキが考案されてきました。しかし、実践レベルで戦えるものはあっても、どのデッキも環境を席捲するほどのデッキパワーを有したものはありませんでした。
 これはなぜか。その理由の一つとして挙げられるものは「効果の不安定さ」でしょう。いかに攻撃力が高くとも、「+2/+1して、疾走 を持つ」という能力が働かなければそのターンで相手の体力を削ることはできません。ましてや守護をもたない、回復も不十分という結果になれば、相手にとっては1ターンスキップしてくれたも同然。このようなことが起こりうるため、安定したフィニッシャー、とは言いにくいのは事実だったでしょう。
 もちろん、ゼウスを効果的に使えるデッキは多数存在しました。進化による突進を得て、さらに相手を牽制できる「スカイセイバー・リーシャ」、EPを温存する・回復する「クイーンセイバー・シンシア」や「ラブリー★モニカ」、進化回数が増えることでカードバリューの上がる「栄光のフロントガードジェネラル」などといったカードを採用し、自然に進化回数を稼げるデッキです。これらのデッキは処理能力に長けている代わりに決定力が今一つ欠ける場合も多くあり、そんな中でゼウスのフィニッシュ能力は非常に魅力的でした。ただ、当時からつい先日までは、これらのデッキでゼウスをプレイするまでに稼げる進化回数はおよそ6,7回で、多くて8回、二桁行くことは相当努力しないと厳しい、というような状況でした。もちろん、構築や対戦相手のデッキタイプ、環境のゲームスピードなどによって平均回数は多少前後しますが、「およそ7回」というところから大きく逸脱はしませんでした。そう、つい先日までは。

 UCLアディショナルで何が起きたか
 
UCLアディショナルカードで登場したあるカードによって、平均進化回数は劇的に上昇します。
 そのカードとは「貴族の舞踏」と「幻想の妖精竜」。「貴族の舞踏」は8コスト使えば進化回数を3稼げるスペル、「幻想の妖精竜」はプレイ時に進化する1コストフォロワーです。どちらも、今までのカードプールとは一線を画した進化数稼ぎの能力を有しています。
 結果として、「進化ロイヤル」、「コントロールエルフ(妖精竜採用型)」の二つのデッキでは、2桁進化を難なく達成するように。これらのデッキは現環境においてトップクラスの使用率を誇り、高い勝率を保っています。

 強化を受けたゼウス、しかし
 
バトル中に期待できる進化回数が増えたということは、それだけゼウスの打点は上昇したことになります。それだけでなく、疾走を持つ確率も上昇しているため、勝敗に直結する状況においてより信頼性が上昇したことも言えるでしょう。しかし進化回数が増えたことで逆に、「ゼウスは走るもの」としてより強く認識されるようになりました。そしてさらに、「n回進化の時の期待値は何点」だから「n回進化ゼウスは何点疾走」と錯覚し、いざ勝敗の瀬戸際で思ったより打点が伸びず負ける……というシチュエーションが増えたのではないかと思います。このように感覚と現実の数値のズレというものがより広まりました。そうでなくとも、実際にどれくらいの攻撃力でどれくらいの確率で走るのか、というのを詳細に知っておくことは、使う側としても、使われる側としても知っておいて損はないのでしょうか。


2.期待値と確率のはなし

 ここからが前半の話になります。

 「確率」と「期待値」について
 まずは疾走する確率や期待値について。これらはすぐに求められます。「何を今更」と思う方は読み飛ばしてもらって大丈夫です。
 ーーーーーーーーーー以下求め方ーーーーーーーーーー
 「疾走」を持つ確率は「余事象」という考え方を用いると簡単に求められます。
 今回の場合、「ゼウスが疾走を持つ」という事象に対し、「ゼウスが疾走を持たない」ということを余事象と呼びます。「n回進化」のゼウスが疾走を持たない確率は、「5つの能力のうち、「疾走を持つ」以外の4つの能力のうちどれかが働く」が進化回数分の繰り返される確率なので、この確率は

( 4 / 5 ) ^ n (4/5のn乗)

となります。したがって、疾走を持つ確率は、「全体」から「疾走を持たない確率」を引いて

1 - ( 4 / 5 )^ n

となります。
 一方期待値(だいたいこれくらいの働きをするよ、という尺度)は、「各能力の攻撃力の増加分の平均」に「進化回数」を乗じたものとなりますので(サイコロをn回振った時の目の合計の期待値の求め方と同じ)、

n * ( 0 + 0 + 1 + 2 + 3 ) / 5 = 1.2 * n 

となります。(実際はこれにゼウスの元々の攻撃力が加わる)
ーーーーーーーーーー求め方ここまでーーーーーーーーーー
 ただ、「疾走を持つ」ことと「期待値の値の攻撃力を持つ」ことは全く別の事柄です。ゼウスを投げても勝てないと感じている人の中には、このギャップに気づいていない人も多いのではないでしょうか。(実際に期待値を超える打点が出る確率は5割前後です。)

 確率のはなし
 さて、ここから実際に「n回進化のとき、ゼウスの攻撃力がx点以上でかつ疾走を持つ確率を求めよ」という問題を解いていきます。
 この問題は非常に複雑です。理由は、
 「数えるのが困難」
 これに尽きます。至極当然のことを申しますが、確率は「Aが起きる場合の数」を「全ての場合の数」で割った値。ここで、「全ての場合の数」は簡単です。5の進化数乗(順番を区別)。では「ゼウスの攻撃力がx点以上で、かつ疾走を持つ場合の数」は?
 進化数が小さいうちはまだ良いです。でも、進化数が増えるにつれて、場合の数は増加していきます。指数関数的に。あ、そうそう「疾走を持つ」が発動していないものは取り除くの忘れないように。x点となる場合の数が求められましたか?では続いて(x+1)点の場合の数を ……

 ……あれ、無理じゃね?
 おそらくこの複雑さ(めんどくささ)に、この問題を解こうとした人のほとんどが絶望するのだと思います。一般化する方法がわからず、さりとて地道に数え上げることも叶わず。きっとこのような苦労の末、問題を解くのを断念せざるを得なかったプレイヤーも数多くいたことでしょう……

 正攻法で解くのはあまりにも効率が悪いのでアプローチを変えてみましょう。自分は表計算ソフト(要はExcel)と「漸化式」を用いてこの問題を解きました。
 「漸化式」とは、数列の一つで、数列の各項を、それ以前の項の値を用いてただ一つに定める、というものです。この漸化式と表計算ソフトの相性は非常に良く、大量の数列を自動的に生成し、一瞬で計算してくれます。
 以下求め方。
 抽選一回目に攻撃力が5~8になる確率をそれぞれ求めます。(7のとき走る)
 抽選二回目以降は、(n-1)回目の「攻撃力xで走る/走らない」というそれぞれの確率に対し、n回目の試行の結果を加え(確率をかけ)、新たにn回目の「攻撃力xで走る/走らない」の確率をそれぞれ求めました。図にするとこんな感じ。

2020-02-27 19.53のイメージ

 計算式はこう。

P_n(x) = 
 P_n-1(x-3)*0.2 + P_n-1(x-2)*0.2 + Q_n-1(x-2)*0.2 + P_n-1(x-1)*0.2 + P_n-1(x)*0.4

 ここで、疾走を持つ確率だけでなく疾走を持たない確率まで、それぞれの攻撃力に対して求めておくのが重要です(n-1回目までで疾走を持たない場合でも、n回目で疾走が付与されれば走るため)。こうすることで、複雑な場合の数を数えることなく、それぞれの場合について確率を求めることができます。
 こうして、それぞれの表計算ソフトのセル(四角い計算エリア)に、それぞれ数式を入れていくと、ソフトが全部計算をしてくれます。求める確率は「x点以上」で疾走する確率なので、条件に合う範囲の確率を正しく合計してやれば…

2020-02-24 12.38のイメージ

 完成です!
 ついでに守護貫通ver.も作っておきました。

2020-02-24 14.47のイメージ

 守護貫通を持つ場合については、多少数式の項数が増えますが、やっていることは本質的には変わりません(「走る/走らない」を「守護貫通で走る/守護貫通だけ/疾走だけ/どっちも持たない」とより細かく場合分けすれば良い)。
 以上が確率の求め方になります。こんな方法でも確率が求められるんだ!と思っていただけると幸いです。

 確率について余談
 
ここまでで確率を求めることができました。この表を見ると、ゼウスが期待値以上の攻撃力を持って疾走を持つ確率は、5割前後ということがお分かりいただけると思います。意外と低いと感じる方も多いのではないでしょうか。
 これに関しては、サイコロを振ってみるとわかりやすいかもしれません。サイコロの目の合計の期待値は、「(サイコロを振った数)x 3.5」ですので、サイコロを奇数個振った時はだいたい半分くらいの確率で期待値を超えると思います。
 

3.ゼウスのはなし

 ここから後半の話となります。前半で説明した手法を用いて、「攻撃力いくつ以上でゼウスが走る確率」を求められました。これでようやく「ゼウスの本来のスペック」や、ゼウスと他のカードの比較に関して明確な議論ができるようになりました。

 進化ロイヤル 〜猛虎カゲミツvsゼウス〜
 まずは進化ロイヤルでの話です。
 このデッキタイプでは、他の終盤に大ダメージを出す手段として、「猛虎カゲミツ」も広く知られています。猛虎カゲミツは、「自分のターン開始時に場に出た進化後「無敗の剣聖・カゲミツ」を、「君臨する猛虎」のファンファーレ効果で「+2/+2と疾走」を付与し、相手リーダーの体力を一気に削る」というものです。ここで、猛虎カゲミツとゼウスの長所を比較してみましょう。

猛虎カゲミツの秀でた点
・最速で7ターン目に発動可能
・ダメージが確率に依存しない(確実にリーサル/ノンリーサルか判断できる)
・猛虎、カゲミツ共にフィニッシャー以外の役割を持てている(中盤でも使える)

ゼウスの秀でた点
・1枚で完結している
・1ターンで打点が出せる(猛虎カゲミツの場合は要EP)
・猛虎カゲミツのみでは敗北確定の状況で、勝ちを拾える(場合がある)
・守護を無視できる(場合がある)

 このように、猛虎カゲミツとゼウスには、それぞれ明確に強みが分かれていることがわかります。ですが、進化ロイヤルはデッキパワーが高く十分に盤面で戦うことができるため、大打点を出すフィニッシャーを使わなくとも勝てるゲームも数多くあります。そのため、基本的にフィニッシャーの役割しか持たないゼウスよりも、その他の使い方もできる猛虎やカゲミツの方が相対的にバリューが高いと言えるでしょう。
 と、ここまでは確率がわからなくとも考察できる範囲なので、ここからは確率が絡んだ考察をしていきます。進化回数を11回と仮定した時、ゼウスと猛虎カゲミツの攻撃力は次のようになります。

ゼウス
91%:7点 90%:〜11点 80%:〜14点 53%:18点 35%:20点
猛虎カゲミツ
18点(カゲミツ:1+11+2、猛虎:4)

 猛虎カゲミツの出せる打点をおよそ半分の確率でしか出せないゼウス。こうして見ると、フィニッシュの安定感を求めるなら猛虎カゲミツ一択のような気もします。次は猛虎で走らせるフォロワーを考えた時に、カゲミツの次点で打点を出せるのは「空腹の姫君 ペコリーヌ」となります。その場合は以下の通り。

ゼウス
91%:7点 90%:〜11点 80%:〜14点 53%:18点 35%:20点
猛虎ペコリーヌ
12点(ペコリーヌ:6+2、猛虎:4)

 何らかの原因でカゲミツを走らせられない状況においては、ゼウスのフィニッシュ力は頭一つ抜けていると言えるでしょう。カゲミツ対策として抑圧の関門が採用されたり、中盤までに使い切ったりした場合でも、ゼウスであれば一気に試合を終わらせることのできる性能を有しています。また、自然ドラゴンやキャルウィッチ、もしくはカゲミツ待機済進化ロイヤルなど、「ほぼ確実にこのターンで勝てないと負ける」とわかる相手に対して、ゼウスで勝ちの目を作れるという点で、デッキの枠をゼウスに割くのは理にかなった選択でしょう。
 以上をまとめますと、
・猛虎カゲミツの方がゼウスよりも安定性・打点において勝る
・猛虎+カゲミツ以外の1枚とゼウスを比較すると、ゼウスが一つ抜けている

となり、結論としましては「セットで使える時は猛虎カゲミツが最大値、それ以外の場合はゼウス」となります。また、猛虎とカゲミツは単体で非常に高いスペックを誇りますので、ゼウスを構築に入れることでこの2枚を、単体でも強く使えるようになるという副次的な効果もあり、実質3、4枚目の猛虎としての機能を有しているとも言えるでしょう。

 コントロールエルフ 〜勝利からの逆算〜
 続いてはコントロールエルフです。このデッキは圧倒的な盤面処理と体力回復、リソース補充能力を有する一方で、フィニッシャーと呼べるフォロワーがゼウス以外だと「豪風のリノセウス」くらいしかいません。またリソース補充能力が高すぎるがためにライブラリアウトにより敗北するケースも考えられます。
 今回はフィニッシャーとしてゼウスを採用する場合を考えます。基本的には、ある程度ゼウスをプレイしたターン中に試合を決める算段が立つことが望ましいでしょう。ただ、相手リーダーの20点を一撃で削りきろうとすると、数字上は進化回数が15回でも4回に1回は失敗します。それに、常に15回も進化回数を稼げるわけでもありません。
 先ほど掲載した表を見ると、多くのマス目の数字は、右斜め下の数字と近いことがお分かりいただけると思います(これは進化数1つで打点の期待値が1.2上がるのに感覚としては近いです。)。そのため、「進化数を1稼ぐ」ことと「相手リーダーの体力を1減らす」ことが似た意味合いを持つことがわかっていただけるのではないでしょうか。そのため、ゼウスを投げるターンまでにある程度は相手の体力を減らすことで効率よくリーサルを狙うことができます。
 コントロールエルフの構築に馴染み、相手の体力を狙えるカードを考えた時、候補に挙がってくるのは「始祖の大狼・オムニス」「シヴァ」ではないでしょうか。どちらもレジェンドに恥じない強力な効果を持っていますが、オムニスは9ターン目に「妖精竜→オムニス(妖精竜バウンス)→妖精竜」とプレイすることで、展開・盤面制圧・進化数稼ぎ・打点形成が可能な非常に強い動きができますし、シヴァは8ターン目と11ターン目に相手のリーダーに4点のダメージを与え、リーサルを近づけてくれるため、どちらのカードも進化数や確率の要求値を大きく下げてくれる働きがあります。また、「プライマルギガント」をフォロワーとしてプレイすることも、相手が処理しきれない数のフォロワーを並べ、ゼウスの打点を補強することができるので効果的となる状況もあります。
 いずれの場合においても、中盤から終盤に向けて、相手リーダーの体力がいくつならどれくらいの確率でリーサルが取れるのかを意識する必要があるでしょう。また、繰り返しになりますが、進化数を稼ぐことは相手のリーダーの体力を1減らすことと意味合いとしては近いため、これを念頭において「進化数を増やす」と「相手リーダーの体力を削る(もしくは盤面を広げる)」の判断が大切です。
 以上をまとめますと、
 ・20点ワンパンを狙うより軽く削ってからの方が効率よく勝てる(確率が高い)
 ・多少は削れるように、飛び道具を準備する/盤面で圧力かける

となります。また、補足ではありますが、あまり進化数を稼ごうと躍起になっていると強い動きを通されて普通に負けます。あくまで「盤面をコントロールしながら進化数を稼ぐ」ということをお忘れなきよう。

 ゼウスを使う時、使われそうな時
 最後に、ゼウスが勝敗に絡むシチュエーションでの選択についてお話しさせていただきます。
 先ほどのコントロールエルフの考察を進めている時、「進化数を1稼ぐ」ことと「相手リーダーの体力を1減らす」ことが似た意味合いを持つと書きましたが、逆に、「体力が1増える」ことと「進化数の要求が1増える」が似た意味合いであるということも同時に成り立ちます。つまり、相手が進化数を稼ぐそぶりを見せはじめたら、体力を高く保ちましょう。「進化数を稼ぐ」ことは「打点を出す」よりも難しく、また「ダメージを回復する」方が「ダメージを出す」よりも安いため、これがリーサルから逃れるための有効な手段となり、優秀な遅延となります。
 また、今回作成した表を使うことで、次の事をが読み取れます。一つ目は、「進化権をゼウスに切るか否か」。実は、殆どの場合、進化権を疾走するゼウスに消費した方がリーサル範囲は広がります。例外として「疾走さえ付与されれば勝てる」相手の体力が少ない領域がありますが、ある程度打点が要求される場合はゼウスに進化権を切った方がリーサルの確率は高いです。二つ目は「守護を張るか回復するか」。リーサルから逃れるために、守護を張るか回復するかの選択をする際は、「自分の体力が10前後で相手の進化数が6回以上」の場合を除いて、回復した方が生き延びる可能性は高いです。これらはもちろん「確率」の話で、場合によっては裏目にでる可能性もありますが、数字を信じられる方は選択の参考にしていただければ幸いです。

4.終わりに

 書きたい事を際限なく並べていたらこんな文字数になってしまいました。。。。反省。。。。。(8500字ってマジ???)
 正直、考察を進めていけば進めていくほど、不安定さが際立つカードだと感じましたが、この記事を読んだ皆様にこのカードと確率の話が少しでも魅力的に伝われば良いなあと思います。

 それでは今回はこの辺りでお別れしたいと思います。
 ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。またの機会にお会いしましょう。



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