戸田マスジドで集団礼拝からのパキスタン人のおうちでカレーをごちそうになった話。10月2日(金)

Lailaha illal lahu Muhanmadun rasoolullah.
(ラー・イラーハ・イッラッラー・ムハンマドゥン・ラースルッラー)
アッラーのほかに神はなし。ムハンマドはその使徒なり。

コーランの一節であり、この言葉を唱えることが、イスラーム教の六信五行の一つ、信仰告白(シャハーダ)だ。

 以前、戸田マスジドのイマームのライース・スィディキ氏にうかがった話によると、イスラーム教徒は常に心の中でこの言葉をと唱えているそうだ。僕も朝起きたときと寝る前に何度が唱えるように勧められた。
(すみません、ほとんどできていないです(^^;))

今回は毎週金曜日の集団礼拝に参加するために戸田マスジドに訪問した。
信仰告白(ハディース)の中身を暗記をしていったところ、アザーンの中で、この言葉が何度も繰り返し唱えられているということが分かった。

『新イスラム辞典』にアザーンの内容について載っていたので引用する。
(一部修正しています)

アザーン adhan
 礼拝の時刻を告げる肉声による呼びかけ。ユダヤ教のラッパ、仏教・キリスト教の鐘に相当する。アザーンは慣行であるが、集団の礼拝に際しては誰か一人が代表して唱えればよい。これを唱える人をムアッジンというが、彼は人差し指を耳の穴に入れて、メッカの方角に向かって次のようにアラビア語でアザーンを唱える。
アッラーは偉大なり(4回)
私はアッラーのほかに神はなしと証言する(2回)
私はムハンマドがアッラーの使徒なりと証言する(2回)
いざや礼拝に来たれ(2回)
いざや成功のために来たれ(2回)
アッラーは偉大なり(2回)
アッラーのほかに神はなし(1回)
 早朝の礼拝(ファジュル)のアザーンは⑤と⑥のあいだに「礼拝は眠りに勝る」(2回)という文句が入る。
 また、シーア派のアザーンは⑤と⑥のあいだに「いざや善行のために来たれ」(2回)がはいり、最後の⑦を2回繰り返し唱える。

(日本イスラム協会監修『新イスラム辞典』45~46ページ)

①と⑥の「アッラーは偉大なり」はアラビア語で「アッラーフ・アクバル」。「アッラーフ」がとても長く、「アクバル」はさらっと言う。
イメージとしては「アッラ~~~~~~~~~フ・アクバル」という感じ。「アッラーフ」は「アッラー」のこと。
「アクバル」は「大きい・偉大」という意味です。礼拝をしていたお兄さんいわく英語の"The biggest"にあたるそうだ。

詳細はここでは省くが、高校生の頃に勉強した世界史に、ムガル帝国のアクバル帝という人がいた。彼は「偉大な」という言葉から名付けられたのかというのが腑に落ちた。

②と③、⑦が冒頭の「ラーイラーハ~」の部分。
聞こえてきたとき、「あ、覚えたやつが聞こえた!」と快感でしたね。(アラビア語なので単語の意味どころか、文字さえよく分かりませんが・・・)

 そのほかの部分は全然分からないので、これから覚えていきたいところ。ただ、詳しいことは分からないけど、アザーンは神秘的というか心地よいというか、音楽として聞き入ってしまうところがあった。

帰りがけ、バス停に行くとパキスタン出身のムスリムの3人組(Uさん、Aさん、Mさん)がバスを待っていた。一緒にバスに乗ってお話を聞いたところ、その日は仕事がお休みとのことだったので、おうちにお邪魔してお話させていただくことになった。

三人は同じアパートの同じ部屋で暮らしており、それぞれ仕事をしているが、毎週金曜日、三人で戸田マスジドに行って、礼拝をおこなっている。パキスタン出身なので3人のときはウルドゥー語で会話をしているが、Uさんは英語がはなせるので、英語で話を伺った。AさんとMさんと話すときはUさんが通訳をしてくれた。
(僕もとても流ちょうとは言えないが、大学2年生で英語の必修が無くなって以来、勉強をストップしていたわりには話せたと思う。もう一回勉強しなくちゃという気持ちにはなりました。)

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(左がAさん、右がUさん、Mさんは調理中)

Aさんは日本人女性と結婚し、息子もいるという。現在は二人とは住まいは別とのことだ。途中で電話で息子さんにつないでもらった。ハンサムでビックリ!!なんと僕と同じく23歳。劣等感。

Mさんは料理人をしているそうだ。お昼ご飯に手作りのマトンカレーとチャパティをだしていただいた。普段食べるカレーよりもゆるくてスープっぽかったけど、チャパティをちぎってカレーにつけて食べると非常においしい。辛さもちょうどよかった。(もしかして日本人に合わせてスパイスを変えてくれたのかな?次あったら聞いてみます

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(Mさん特製のマトンカレー)

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(チャパティ…小麦と牛乳と水を混ぜてシート状に焼いたもの。ピンボケですみません;;)

Uさんはゴルフが趣味だとのこと。自慢のゴルフクラブを取り出してきて、スイングするマネをしていた。打ちっぱなしによく行くそうで、今度一緒に行こうと誘われた。(ゴルフなんて一度もやったことないけど大丈夫だろうか??)

3人とも敬虔なムスリムで、お酒や豚肉を食べないのはもちろんのこと、日々の礼拝も欠かさないという。そんな三人に僕が「ラーイラーハ~」を暗唱してみせたら、非常に喜んでくれた。握手までされた(笑)

夕方に銀行の手続きを手伝ってほしいとのことで、書類を見せていただいた。日常会話ならまだしも、オフィシャルな書類の内容を外国語で伝えるのはなかなか大変だった。「証明写真をのりで貼ってください」とか「ハンコを押してください」とかぱっと出てこない。みんなそろって「日本はいい国、すみやすい」というが、やはり苦労は尽きないだろう。

コロナで海外に行きづらいが、日本にいても異文化体験というのはできる。イスラーム教に対する偏見は少なからずあるだろうが、エキゾチシズム(異国情緒)を感じたい人は、

Lailaha illal lahu Muhanmadun rasoolullah.
(ラー・イラーハ・イッラッラー・ムハンマドゥン・ラースルッラー)
アッラーのほかに神はなし。ムハンマドはその使徒なり。

を暗唱してみてください。そしたら、ムスリムとコミュニケーションをとりやすくなると思います。

(参考)
日本イスラム協会『新イスラム辞典』平凡社 2002
wikipedia「シャハーダ」
店田 廣文、岡井 宏文「外国人に関する意識調査」早稲田大学人間科学学術院 アジア社会論研究室 2009

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