美談ばかりではない徳川家茂と和宮の意外な話
前書き
「政略結婚の家茂と和宮は仲の睦まじい夫婦でした。和宮は家茂と結婚が決まる前から、非常に嫌がっていました」
この宮様側のお話は泣く泣く京都から江戸へ降嫁した話としてよく知られていますが、実際家茂サイドはどうよ?っていうと…どうだったんだろうと気になりませんか?
今回は夫の将軍家茂側の結婚前の宮様への隠れた気持ちをお伝えします
結婚の大まかな流れ
政略結婚にして相思相愛の夫婦と言われる徳川家茂と和宮の夫妻について通説では、和宮は外国人がウヨウヨいて治安が悪い江戸へお嫁に行きたくはないという心情と、江戸城大奥での自分の立場への懸念と不安、幼い頃からの婚約者の存在がある等の降嫁したくない理由は沢山ありますが、和宮の代役として幼い姫宮が擁立された際に自分の身代わりに幼子が江戸へ下るという事になると知ると自分が江戸へ下向する決意をしたとされます
和宮には幼いころからの婚約者の存在があり、やがて泣く泣く徳川家茂将軍の元へ降嫁した後は家茂の気遣いと寛容さと包容力で次第に宮様も柔和になり仲睦まじい夫婦となった・・・と言われてその部分だけは今日強調されて伝わっております
大昔の身分高い男女には婚約者がいて当然ですが家茂の方はどうだったの?という部分に焦点を当てます
ドラマや小説の類の様に時の流れに身を任せ宮様を迎えたのか?
短文ですが穏和で優しく争いを好まない徳川家茂の裏の顔を述べます
義母と一緒に縁談を嫌っていた家茂将軍
結論から先に述べると徳川家茂は将軍家と天皇家の公武合体という結婚を義母の天璋院と一緒に嫌がっていました
先代将軍の正室で義母の立場の天璋院は政治の為に婚約者がいる宮様をお迎えするという強硬的な行動を政治的に快く思っていなかったのですが、当の将軍は自分のプライベートの事で大いに不満でしたそうな。家茂は義母とは違って自分が夢中になっている女性がいるので余計な嫁は欲しくないのが本音。天皇の妹が正妻になると結婚以前からの懇ろな女性を側室として置けないという事で和宮との結婚は反対でしたが、表向きは政治上難しいことや反対も多いのでと言った体での理由で前向きな気持ちはなかった様子です
公私混同しない家茂の珍しいエピソードです
家茂の側室ではありませんが結婚前の性教育の一環で知り合った深い仲の女中の御内証ひなとお互いに熱愛状態でしたが、家茂が彼女を家臣に下げ渡しする事を渋ってしまい奥向きの老女や家臣に説得されてもお気に入りの熱愛対象の彼女を手放す事が出来なかったことから、嫁に来る和宮を憚ってひなは家臣の意向で毒殺されたといわれてます
ひなの方へも辞退せよと言い含める家臣や大奥取り締まり女中ですが、彼女も将軍が望むならば居続けるという姿勢だったため困ったのは家臣や大奥取り締まり達
和宮との縁談も成立しており結婚の儀も調整中の中でもまだ家茂はひなと別れるつもりもない様子で益々仲が深まってる二人に、この事情が朝廷に漏れたらそれこそまた混乱極まるので焦る家臣や奥女中
困惑してる人々をよそに二人は熱の如き恋愛を続行し、我を通したらどうなるのかという事は周りは見えてなかった為に先は破滅とわからなかったのです
とある日、風邪に罹って体調不良となったひなに今が葬るチャンスと知った大奥取締役は御殿医師に毒を盛るように指示し、彼女は医師から渡された薬を服用した直後に他界し、棺に入れられ不浄門から実家へ戻されます
棺を開けたらひなの口から血が流れており彼女の身に何が起こったかを察するに十分だったと伝えられております
そのような突然の不幸な事があって、ひなは毒殺されたという事を家茂も事情を知ったのでしょうか?察したのでしょうか?
彼はひなが亡くなった時から結婚に対して家臣に抵抗する事を止めております
その後最愛の女性の死の直後に和宮が嫁いできたら、何事もないように振る舞い、大奥で孤立する和宮に非常に気を使い、次第に二人は仲良し夫婦になったとか
愛する人を殺された直後に押し付けられた見ず知らずの女性と結婚し、そう簡単に他の女性を愛せるものかという疑問は残ります
最初は丁寧な親切を重ねるうちに和宮の立場も自分と同じという共通点からやがて親切から愛情に変化したのだろうかと考えます
後に和宮に男子が生まれてその子が将軍にならないと徳川は危ういという雰囲気になりますが、和宮は医師の診察での所見は妊娠しづらく出産向きの体格ではない事や結婚後1年2年経っても兆しなしの為に、家茂に側室を持たせないとならない事態へ動きます。和宮の方から側室選びを勧めたところ、家茂が選んだ側室候補はかつての死別の御内証ひなとどことなく似ている女性を選んだと伝えられております
家茂の棺に納められている女性の毛髪は血液型検査で和宮の物ではないとされ側室の物と言われておりますが、毛髪も含め史実の一級資料に欠けるために伝承と憶測の域にしか答えは出せない話でした
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