クロフネ3世

@kurofune3 の創作note  詩のようなフレーズの羅列と、不条理不可解どこへ…

クロフネ3世

@kurofune3 の創作note  詩のようなフレーズの羅列と、不条理不可解どこへもたどり着けないような小説を並べる。  キーワードは『不安』『孤独』『恐怖』『迷走』『瞑想』『静寂』『激動』

最近の記事

凍てついた砂漠

かつて、夢の庭園が広がりし時代、 煌めくネオンが幻影を彩り、 誰もが沸き立つ欲望を抑えることなく撒き散らし、 感情のままに踊り出していた。 未来は無限に続く道の如く、 我らは無垢なる希望を疑うことなく酔いしれていた。 街は黄金の霧に包まれ、 笑顔と歓声が空を満たし、 飽くなき欲望が踊り狂う、 その時代の記憶は今や幻。 しかし、時の流れは冷酷に、 その光を奪い去り、 氷の時代が訪れし時、 夢と希望は永久凍土の中へと送られた。 「己が運命」と囁かれし言葉、 背負わされた重き

    • 2023/04/09の音声

      朗読練習 『そして誰かが踊り出し、そして誰かが眠りだす』 いいマイクが欲しい。

      • いつまでたっても天使は囀らない 2

        湿度が急に高まりだしてきた。じっとりする空気が体を包んでいる。あまりに急な高まりのため、なんだか知らずに池の中に落下した気分である。 どうやら、階段室に雨が降り出したようだ。 その証拠に、頭上から水滴が何度も私の頭に落ちてすっかりと髪の毛をぐしゃりと濡らしている。足元を見れば大きな水たまりができていたし、天井まで続く階段の隙間に手を差し出せば雨粒が私の手をしっかりと打つ。これは立派な雨だ。 でも、傘なんてない。レインコートもない。雫を遮るものなんて何も持ってはいない。一方

        • いつまでたっても天使は囀らない 1

          オリジナル小説です。 不安に襲われた時にオフィスビルの階段を降りていると、この下にこの世ならざる光景があるのではと思えて仕方なかった時に書いてました。 シリーズものなので、この後も続きます。 −–−−–−−–−−–−−–−−–−−–−−–−−–−−–−−–−−–−  昔、成功者はみんな挑戦している最中にどこかで天使の囀りを聞いた体験があるという話を耳にしたことがあった。天使の囀りがいかなる内容なのかは分からなかったし、実際に成功者から聞いた話ではないので本当かどうかも分か

        凍てついた砂漠

          朗読練習『えものがねじれる』

          えものがねじれる、の朗読練習音声。 iPhoneに直接朗読してるので、いいマイクが欲しい。

          朗読練習『えものがねじれる』

          朗読練習『えものがねじれる』

          えものがねじれる

          祝福の鼓動が激動の夜を告げたとき 豊穣の種子が政子とはぜる 新参者にとって売り捌くはムリな話 報奨のワナが砂漠でむせる   生々しい欲が流砂のごとく走り出し 決壊した血は誰の怒りか 視線が交わし合い愛する人は酩酊する うつろいながらも大胆に混ざる   そのとき何かが変わる 激しくあなたも変わる 傷口から心と愛があふれる 偽られた感情と哀が叫ぶ

          えものがねじれる

          朗読練習『第3の封印』

          詩の朗読練習音声。 自作の『第3の封印』を練習がてら読んでみました。 後ろに聞こえる爽やかな鳥の囀りは気にしないでください。

          朗読練習『第3の封印』

          朗読練習『第3の封印』

          止められない発狂 やがては変化 または、切ないほどに風化

          異端審問官による執拗なまでの追及に、嘘と真実が混じり澱んだ正義が溢れ出す。 傷口をいくら強く抑えたところで無駄だ。 一度捕らえられてしまえば、そこにわだかまった濁りは強引に押し出されて抵抗もできずに溢れ出してしまう。   海底火山から漏れ出す情熱によりつんざくような産声を上げながら新大陸が浮かび上がるがごとく、真実が上昇気流で吹き上げられ月にハイタッチし、嘘とアイロニーがいやらしく腰を振りながら地面をはいずり回る。   僅かながらに生きながらえた冷笑主義者が、血塗

          止められない発狂 やがては変化 または、切ないほどに風化

          かえろう

          ああ、夕暮れ5時 ムばーと濃厚にあふれ出すだいだいが辺りを染める。 サヨナラを告げるように、酸味の効いただいだいが最後の力を振り絞ってわめき出す。 それでも、僕は悲しまない。 それでも、僕はたそがれない。 そっと、けれども自信をこめて右の手のひらを胸元まで上げるんだ。 僕が、ここにいるために。僕が、ここでほほえむために。 待たせて ごめん 僕は申し訳なさそうでいて、それ以上に恥じらいをこめながらつぶやくように言葉を漏らした。 ここまでかえってくるのに本当に多

          包まれる幸福と勝利、時々は支配、気がつけば儚く消え

          目を開ければ、瞬く間にまばやく広がる。 魔法の力でも帯びたかのように力強く確実に白く。 あまりの眩さに、私は何も抵抗できずに包み込まれる。 夢と幻が混じり合う朧げな部屋 浮かれるのは無知 怯えるのは恥 硬直したその体はマネキンのダンス 衝撃で弾け飛んだその瞳は多幸感でさりげなく瞬くジュエル   知らないうちに絡みつき締まりつける愛 打ち過ぎた薬のように酔いしれてまとわりつくようにハイ あまりにも朦朧に、私は何も考えずに服従する 現実と虚構が織りなす曖昧な恥部 生まれ

          包まれる幸福と勝利、時々は支配、気がつけば儚く消え

          そして誰かが踊り出し、そして誰かが眠りだす

          憤怒を帯びた蒸気機関車のうねり 霧の中へゆったりと泳ぐように消えていく老婆 そこには、あらゆる光景が生まれては消えていく 無慈悲に輝く蒼い液体が、全ての権力を簒奪するために流れ出す 光の中で無邪気に戯れる子供たち 何も知らないが故に、我を忘れてひたすらにはしゃいでいる 誰もそれを咎めたりはしない 誰もそれに嫌悪しない 誰もそれに関心を持たない ゆったりと濃霧が街を侵食する 淡いオレンジ色した霧が、全てを終えるために包み込む 労働者は絶望と哀しみのまどろみを突きつけられる

          そして誰かが踊り出し、そして誰かが眠りだす

          魔女たちの子守唄

          囁きが聞こえてくる 誘いの声が浮遊する 竦み上がる体 救いのない夜が ふけていく 歩き始めれば、いつの間にか、森の中に紛れ込んでいた。 虫や鳥、風のざわめきが鳴り止むことのない森。 リリリン・ロロロン・ヒュルリー それらには決して、私を歓迎している意味はない。 むしろ、異物が紛れ込んだかのような不快感を表すうめきなのかもしれない。 それとも、私への警告か? そんな善意が、この森に存在するのだろうか。 後ろを振り向けど、来た道はそこになく、前を見返しても先に進

          魔女たちの子守唄

          第3の封印

          私はどこにでも行けるが、どこにも行けやしない どこかに行きつくためにも、どこかに向かわなければ 不安と希望が入り混じり、その一歩が重く鉛のようだ 表紙写真からインスピレーションを受けながら書いた詩です   ――――――――――― 止まることは、腐敗を受け入れること ドロドロに溶けた根が体内に張り巡らされ、精神をも溶解させる 発狂する気力さえも奪い、人としての尊厳までもなかったことにする 分かっている 分かっていたことなのだ 私は、まるで拘束具に絡めとられたかのような

          詩や小説などの創作専用アカウントになります

          クロフネ3世です。   前に作ったはいいが、放置してあったアカウントがあることを思い出して、逆にこちらが放置されてしまう結果になってしまいました。 しかし、最近になり自分が書いた詩をnoteにも投稿しようかと考え、こちらを再利用しつつ創作専用アカウントにしようと決めました。 ということで、今後note上にて創作物を公開する際はこちらに投稿していきます。 もう一つは、コラムやイベントレポ専用になります。 何卒、宜しくお願い致します。

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