Fantasy RSPL(お蔵入り)

この記事は2019年7月29日に執筆し、お蔵入りにしていたものですが、本日(2019年8月11日)のRSPLでの上位4チームRAGE day2シード権付与の発表を受け、蔵から出すこととしました。

お蔵入りした理由としては、部外者である私がシーズンファイナルや次シーズンに向けて盛り上がりを見せるRSPLに水を差したくないという思いからです。熱意をもって書きましたが、RSPLについてマイナスに捉えられる要素も多かったため、公開を今日まで控えてきました。

蔵出しした理由としては、部分的に今回の一件について述べている部分があり、それを示した方が大多数のプレイヤーに客観的に今回の一件を見ていただけるのではないかと考えたからです。こういった施策を取られるとは微塵も思っていなかったですが。
抜き出して公開することも考えましたが、今この記事の修正にリソースを割く時間を取るのが難しいことと、(部外者である個人と運営組織では視点が違うのは当然ではありますが)私と運営元でRSPLの存在意義および進むべき方向の認識に大きな乖離が生まれていることで、この記事が本当の意味で「Fantasy(幻想)」となったので、まあこのまま公開でいいかと。

別記事と違い、画像の貼り付け等、装飾面の手間をかける前にお蔵入りとしたため、文章のみの記事となりますがご容赦ください。

・前置き

2019年7月28日に実施、放送の第7節をもって「RAGE Shadowverse Pro League(RSPL)」2019年上半期レギュラーシーズンの全日程が終了しました。そしてこれより上位3チームによるプレーオフトーナメントが行われ、RSPL上半期の頂点に立つチームが決定します。
その他にも2019年下半期レギュラーシーズンより「福岡ソフトバンクホークス」の参戦が発表され、RSPLは今後、更なる盛り上がりを見せるでしょう。

その一方で、RSPLでは参加チーム数の増加や試合数の減少により、発足当初に設定した放送条件や選手の評価基準等に対して様々な課題が浮上しており、今以上の拡大のためにはこれらの課題を解決していかなければならないのでは、と私は考えています。
今回の記事ではRSPLが抱えている課題をピックアップし、その後に私が考えたRSPLルール変更アイディア「Fantasy RSPL(仮想RSPL)」について記していきたいと思います。この記事の内容についてはあくまで執筆時点でRSPLに一切関わっていない一個人、一シャドウバースファンとしての私の思い、願望ですので、以上のことにご了承いただきまして、お付き合いいただければと思います。よろしくお願いします。

・RSPLが抱える課題

この項目では、私が考えるRSPLが抱えている課題について大きく分けて3つピックアップしてご紹介します。

①全試合完全放送

・メリット
チーム間、選手間での放送時間の平等化
・デメリット
参加チーム数増加による総放送時間の増加
・メリット&デメリット
選手のプレイの全可視化

これはRSPL発足時に前提ルールとして提示され、現在も踏襲されている放送条件となります。RSPL発足時は4チームでのスタートだったため問題なく運用されましたが、RSPLに参入するチーム数の増加により徐々に非現実的な条件となっていきます。
RSPLにおける1ラウンドの所要時間はインターバルを含めて約3時間。2019年上半期レギュラーシーズンは1節3ラウンドの実施で、総放送時間は約9時間と長丁場です。2019年下半期は現在告知されている上では8チームで争われることとなり、1節4ラウンド、つまり約12時間という総放送時間になります。
1日で12時間分放送となると時期や時間帯によっては試合毎の視聴数に大きくバラつきが生まれますし、推しチームの試合だけ見たいファン層にとっては負担は少なくとも、全試合見たいファン層にとって約12時間拘束というのは視聴する上でかなりの負担となります。
現時点のチーム数では放送を土日2日に分けて1日2ラウンド、各日約6時間の放送とすればこの問題をひとまずは解決できますが、今後想定される更なるRSPL参加チーム増加の際に破綻が見えていますので、どこかの段階で抜本的な解決が求められる課題です。
その他、メリット&デメリットとして挙げた「選手のプレイの全可視化」についてはその時の選手の組み合わせや練習量や実力、好不調の波によりどちらにも転ぶ可能性があるため、一応付け加えておきます。

②1シーズンにおける試合数

・2018年上半期シーズン
全12節(チーム同士の直接対決計3回、全24ラウンド)
・2018年下半期シーズン
全10節
(チーム同士の直接対決計2回、全30ラウンド)
・2019年上半期シーズン
全7節(チーム同士の直接対決計1回、全21ラウンド)

並べて比較すると明白ですが、1シーズンにおける試合数は4チームで始まったRSPL発足当時より、節数もラウンド数も減っていることがわかります。また全7節で行われた2019年上半期は1チームが試合できる回数は6回(チーム数が奇数のため全チーム1節休み)。当然、選手自体の登場回数も減り、中には2019年上半期で2試合しか出場していない選手もいます。
試合数の減少の背景には、シャドウバースイベントの増加RSPL参加チーム数の増加によりRSPL試合日程の確保が難しくなったことが考えられますが、その結果、選手一人あたりのRSPLでの活躍の場は大きく制限されることとなり、少ないチャンスの中で結果を出すことがRSPL発足時よりも強く求められる状態となっています。私はカードゲームにおいて選手を評価するにはある程度の試行回数が必要だと考えており、現状のRSPL所属選手の試合出場機会の少なさは、数少ない試合結果からその選手を評価しなければならず、本当の実力に見合わない不当な評価に繋がりかねないと感じています。
また、この日程確保の問題でダメージを被るのは選手だけではありません。選手を雇用しているチームとしても負担が大きくなっているのは想像に難くありません。わずか数試合でチームの半期順位が決定され、その順位を元に選手達の評価付けを行わなければならず、出場試合数が減っているにも関わらず一人30万円という一般的に見ても高額の固定給を毎月支払わなければいけないという現状は、チームのビジネス的観点ではハイリスクローリターンな状態に向かって突き進んでおり、この傾向に拍車が掛かるとスポンサーに「コストに見合った投資とならない」と判断され、いずれRSPLから離脱するチームが出てきてもおかしくないと危惧しています。

③最大の競技シーンとの採用ルール乖離

現在のRSPLでは各ラウンド毎に「2Pick・ローテーションA・ローテーションB」の3試合の結果によってラウンド勝敗を決定する方式を取っています。これを採用したトーナメントはRSPLの他には「シャドバ甲子園」、そして2019年中に限って言えば「JCG Shadowverse Open」で1回採用されたのみで、一般ユーザーが参加できる競技シーンではあまり触れる機会の無いルールです。
シャドウバースの競技シーンで最も大きなものは四半期に1度のペースで開催される「RAGE Shadowverse」です。こちらは最大6000名の参加者が一堂に会し、優勝賞金400万円と上位入賞者2名に与えられる優勝賞金100万ドルの世界大会「WorldGrandPrix」への出場権利を賭けて争われます。昨年度、世界チャンピオンに輝いたのはRSPL所属選手であるよしもとLiberentのふぇぐ選手です。そして「RAGE」や「WorldGrandPrix」で活躍した選手達が続々と各チームの所属選手としてRSPLに参戦しています。
しかし、本年に関していえばRSPL所属選手で世界大会の出場権利を持っている選手は未だ0名。これに関しては、一般選手の技量が全体的に上がり、数々の実績を上げてきたRSPL所属選手達でも易々と勝てる状況ではないのだと好意的に解釈することもできます。が、私としてはRSPLで日頃から取り組まなければいけないルールと、世界大会出場権利獲得の為に取り組まなければいけないルールの乖離による練習期間の短さがハンディキャップとなり悪影響となっているのでは、とネガティブな考えが頭をよぎってしまいます。また、同じ観点で考えると一般選手にとってRSPLで採用されるデッキやプレイに関して、自分達が真に必要としている情報との差異が生じることによって、RSPLならではの現競技環境でのハイレベルな攻防という最も訴求力があるはずの魅力の部分が損なわれてしまっている可能性があります。本来、RSPL所属選手達が持ち込むデッキは競技環境の最前線を席巻するものであるべきなのに、独自ルールの影響で一般の競技シーンで少々使われづらいものも出てきてしまうという現状に、歪みを感じます。

以上の課題を踏まえて、私が考えるRSPLルール変更アイディアを次項で提示します。

・Fantasy RSPL(仮想RSPL)

・提案ルール(8チームでの実施想定)*拡張は可能
①試合形式の変更
・2Pickとローテーション試合日の分離(別日開催)
・2Pick:2Pick担当8名による総当たり戦7回戦
・ローテ:ローテ担当24名による同チーム対戦無しスイスドロー7回戦
チーム順位:全ての節の4名の勝ち点を合計して順位決定
②週間MVP賞の導入
③全試合完全放送の撤廃

試合形式の変更

2Pickとローテーション試合日の分離(別日開催)

・メリット
フォーマット毎の専門性の追求
放送時間の軽減
・デメリット
各フォーマットの新規ファンへの訴求力低下

構築フォーマットと比べてプレイ人口の少なかった2Pickフォーマットの新規集客は、2018年RSPLルールに構築フォーマットと併せて組み込んだことにより大きな成果を上げたと言えます。しかしRSPLの試合数の減少と共に浮き彫りになる1発勝負の重み、そして試行回数の少なさ故の偏りと実力の見えにくさには歯止めをかける必要があると考えました。各フォーマットの新規ファン獲得への訴求力は低下しますが、既に各フォーマットへの新規集客はRSPLを見る層に関しては頭打ちに近い状況と推察されるので、RSPLをより専門的な番組としてフォーマット毎に分けることを提案します。
その上で以下の試合形式を採用します。

・2Pick:2Pick担当8名による総当たり戦7回戦
・ローテ:ローテ担当24名による同チーム対戦無しスイスドロー7回戦

・メリット
試行回数の増加
一般競技シーンへの訴求
・デメリット
各選手の試合時間および待機時間増大
競技スペースの確保

2Pickは試行回数を増やすことによって提示クラスや提示カードの偏りを減らし、より実力が結果に反映されやすいルールへと変更。
ローテーションは同チーム選手同士の対戦を無くした上でデッキの縛りなしでのスイスドローとすることで、チームとして環境で最も強いと考えたデッキを全員が持ち込み易い状況を作り、尚且つ他チームと成績に応じてマッチアップすることにより、最も良いデッキ構成やプレイを視聴者全員が試行回数を経た結果から判断することが可能です。
またラウンド数に関して「RAGE day2」や「JCG Shadowverse Open」に極力近い値とすることで、一般の競技シーンに近い形のコンテンツを提供することができますし、RSPLの選手達も普段から慣れ親しんだルールで競技大会へと臨めるようになるのではないでしょうか。

・チーム順位:全ての節の4名の勝ち点を合計して順位決定

各節でのチーム順位に関しては、各チームの選手4名の勝ち点を合計することで決定することができます。シーズン中盤で1位になれないチームが出てくる可能性はありますが、現行ルールと同じくプレーオフ制度を設けることで消化試合の数は軽減できるでしょう。

②週間MVP賞の導入

こちらも消化試合を軽減するための措置ですが、週間MVP賞(個人・チームの2種)を導入することにより、その週に活躍した選手やチームに対して、他のチームに不平等感なく、試合に勝った際の新たなメリットを提示できます。またレギュラーシーズン中に順位が下位に沈んだチームにとっても、戦う理由を作ることで継続的なモチベーションとなります。こちらは従来のシーズンMVP賞と同様にRSPL運営側からのインセンティブ支給とすれば、各チームが更なる予算負担をせずとも優秀な選手へそのテクニックの対価を支払うことができます。

③全試合完全放送の撤廃

RSPL内で試行回数を増やす上でネックになるのはこの全試合完全放送というルールです。これを撤廃しないことには選手の本来の実力を発揮して正当な評価を受けることが難しいのですが、チーム毎で配信に映る時間が不均等となるため、チームとしても首を縦に振りづらい変更でしょう。しかし、配信マッチに映る量をなるべく均等になるように吟味したり、複数の対戦の録画を撮りハイライトとして幕間の時間や別日に放送したり、試合結果によっての優遇措置を設ける等で、試合放送機会に関してはある程度チーム間の平等性を担保することが可能だと考えられます。現時点でも試合出場が少ない選手がいる中で、個人的にはこの方針でも十分に各チームの満足度を上げられるのではと思いますし、チームについても選手についても画面に映してもらうには他の選手やチームよりも勝てば良いのだという、良い意味での競争が働くことになるかもしれません。

・「Fantasy RSPL」実現の可能性

この「Fantasy RSPL」を実現させるためには、いくつか新たに浮上する問題を解決する必要があります。
まずは選手の拘束時間や練習時間などの負担増。こちらは現行のRSPLと比較して拘束時間は3倍以上、試合数に関しては7倍、また全く違う試合形式になることによる調整環境の再設定など、現在所属している選手達の価値や評価も激変することが考えられます。
またRSPL運営側の予算が有限である以上、大人数競技スペースの確保や毎週2日間のスタッフおよび機材のための予算、インセンティブの追加出資といった問題があり、今回の私のアイディアは積極的には採用しにくいものと思われます。しかしRSPLが何を目指すのか、どのような規模で行っていくのか、その青写真によっては最終的に必要不可欠な要素ですので、敢えて今回提示しました。

今回提示したFantasy RSPLはあくまで私の願望込みのアイディアでしかなく、既に記した通り運営上の別の問題点も浮上し、実現のためには別途折り合いや解決を続けなければいけません。これから更なるRSPLの発展のためにどこかで方針転換が必要かと思いますが、数あるアイディアの中からより良いルールが採用され、全てのシャドウバースファンの目標であり続ける素晴らしい催しとして継続していくことを一個人、一シャドウバースファンとして切に願っています。

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