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君と私のステージ(奥田いろは_1話完結)

※いろはちゃんのアンダー楽曲センター記念の作品です。「落とし物」の歌詞を踏まえながら、書いてみました。アンダーライブを楽しみしながら読んでもらえると嬉しいです※

奥田いろはは、ステージに立つたびに感じる胸の高鳴りを愛していた。ファンの笑顔、仲間たちとの絆、そして自分の声が響く瞬間が、彼女にとって何よりの宝物だった。

しかし、その輝かしい日々の裏には、誰にも見せない苦悩や不安が隠れていた。

いろは「私、本当にこれでいいのかな…。」

そんな思いが頭をよぎるたび、彼女は鏡の前で自分を見つめ直した。練習が思うようにいかない日もあった。疲れが溜まってパフォーマンスが思うようにできないとき、彼女はつい自分を責めてしまう。

いろは「私なんて…まだまだだよね。」

ある日、彼女はステージに立つ前に控え室で深呼吸をしていた。その日は特に不安が募っていた。難しい振り付けがどうしても覚えられず、何度もつまずいていたのだ。

いろは「今日もまた失敗しちゃうかも…。」

その思いが頭を離れないまま、彼女はステージに立った。しかし、いざ歌い出すと、ファンの歓声と温かい応援が彼女を包み込んだ。歌い終えた瞬間、彼女は自然と笑顔になっていた。

いろは「ありがとう、みんな。」

その笑顔の裏には、ファンへの感謝が詰まっていた。どんなに苦しいときも、彼女を支えてくれるのはファンの存在だった。彼女は、その愛情を何よりも大切にしていた。

ステージが終わった後、いろはは控え室に戻り、ふと深い溜息をついた。パフォーマンスに対する自信のなさが、彼女を静かに蝕んでいた。

そんな彼女の様子を見た黒見明香が、優しい笑顔で声をかけた。

黒見「いろはちゃん、今日のステージお疲れ様。ちょっと息抜きにご飯でも行かない?」

黒見の誘いに、いろはは一瞬驚いたが、次第に彼女の温かさに心が解けていった。レストランで、黒見は終始いろはの話に耳を傾け、悩みや不安をしっかりと受け止めてくれた。

黒見「いろはちゃん、私たちは皆、少しずつ成長していくものだから、焦らず自分のペースで進めばいいんだよ。」

黒見の言葉に、いろはは肩の力が少し抜けた気がした。先輩の優しさに触れ、自分を責める気持ちが少しずつ和らいでいった。

次の日、いろははいつも以上に力を入れてレッスンに取り組んだ。振り付けがうまくいかなくても、何度も挑戦する。諦めずに繰り返すその姿勢が、少しずつ彼女の自信となっていった。

レッスン後、彼女が鏡の前で疲れた顔をしていたとき、菅原咲月と五百城茉央がやってきた。二人はいつもいろはの様子を気にかけてくれる仲間だった。

咲月「いろはちゃん、今日も頑張ってたね。」

菅原が優しい口調で声をかけた。

咲月「でも、無理はしないでね。私たちも一緒にいるからさ。」

菅原はいつも冷静で、的確なアドバイスをくれる。その言葉は、いろはにとってとても心強かった。彼女の落ち着いた雰囲気に、いろはは自然と肩の力が抜けていくのを感じた。

一方、五百城は明るく元気な性格で、どんなときも周りを明るくしてくれる存在だ。いろはが疲れていることに気づくと、すぐに冗談を交えて声をかけた。

茉央「いろはちゃん、もうちょっと肩の力抜いたら?一緒にストレッチでもしようよ!」

その言葉に、いろはは自然と笑みがこぼれた。五百城の元気な姿を見ていると、自分も元気をもらえるような気がした。二人がそばにいることで、いろはは少しずつ自分を取り戻していった。

いろは「ありがとう、みんな。私、もっと頑張るね。」

その日からも変わらず努力を続けるいろはの姿は、周囲のメンバーにも良い影響を与えていた。いろはは、仲間たちと共に成長しながら、自分らしい輝きを放ち続けた。

そして、迎えた次のステージ。彼女はファンの前で堂々と歌い、踊った。ステージの上で、いろははこれまで感じたことのない充実感に包まれた。

いろは「私は私らしくいられる場所、それがステージなんだ。」

ステージが終わり、控え室に戻った彼女は、自然と涙を流していた。それは、これまでの努力が報われた瞬間の涙だった。黒見や菅原、五百城といった仲間たちがそばにいてくれるからこそ、彼女は自信を取り戻し、さらなる成長を目指すことができた。

いろははこれからも自分を信じ、ファンと仲間と共に歩んでいく。どんな困難が待ち受けていようとも、彼女の笑顔は変わらない。いろはは、愛情と努力で輝き続けるアイドルであり続けるだろう。

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