療養記 12/12

 先週から、電車で2駅の市街地を歩き始めました。

 皆さま、お久しぶりです。脳腫瘍が破裂し損なって生き延びた私です。覚えていらっしゃるでしょうか。

 脳にとって、五感から流れ込んでくる情報は刺激なのだそうです。
 だから、病院にいて安静にしていた時よりもたくさんの情報が、普通の生活をしていたらどんどん入ってきます。
 

 実際に街に出たら、音や匂いといったものが全方位から押し寄せてくるのがわかって、若干怖くなったほどです。

 これまでのように歩けません。
 あらゆる段差が怖いです。
 エスカレーターの1段の高さが分からなくて脳がフリーズしてしまいます。
 後ろから私に気がつかないで追い抜いていか人が怖いです。

 道路に手すりはついていません。

 そんな当たり前のことに途方に暮れる日々です。

 左脳の運動機能は、ほぼ1から覚え直しです。

 まだオペして僅か3ヶ月。

 世間に戻ってきてからならようやく1ヶ月経とうとしています。

 自分はまだ1ヶ月しかこの世を感じていないんだと思うことにして、開き直っています。

 躓いても転んでも、仕方ない。

 歩いただけでフラフラになるくらい疲れて、座りたくなるのも仕方ない。

 お世話になった方にお礼を申し上げるまではまだ遠いようです。

 申し訳ありません。もう少しお待ちください。

 ご迷惑を掛けない程度に回復したら必ず伺います。

 年の瀬が近づいてきましたね。

 どなた様も、お体ご自愛くださいませ。


 黒薔薇

 

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