アメリカン・エキスプレスのヒルトン・オナーズ・カード 〜その11・入会してはじめてのヒルトン宿泊編〜
アメリカン・エキスプレスのヒルトン・オナーズ・カードの会員になってから初めて、ヒルトンホテルに滞在してきた。
いや、もう、最高であった。
・ホテルエントランスから部屋まで、自分たちで荷物を運ばなくていい。
・備品を借りるとき、フロントまで取りに行かなくていい。
・部屋のなかをベッドや荷物を避けながら、壁に沿って、まるで忍者のように動かなくていい。
・飲み水をコンビニまで買いに行かなくていい。
・プラスチックカップで氷を持ってこなくていい。
・インスタントではないコーヒーを部屋で作って飲める。
・借りなくても体重計が部屋に常備されている。
これらは、アメリカン・エキスプレスのヒルトン・オナーズ・カードの会員になったから・・・ではなくヒルトンホテルに泊まったからということだな・・・。
アメリカン・エキスプレスのヒルトン・オナーズ・カードの会員、つまりヒルトン・オナーズ・ゴールド会員としては、
・部屋のアップグレード特典を適用していただけた。
・総支配人からのメッセージカードとウエルカムスイーツをいただいた。
・朝食無料特典もいただけた。ビュッフェだった。
そして、こうした特典のことや、冒頭で書いた「たぶんヒルトンホテルでは当たり前のこと」だけでなく、出会った全てのスタッフ達のプロフェショナルな仕事ぶりにも感心するばかりであったことも書き添えておきたいと思う。まさにプライスレス(アメックスだけどね)。
・・・
しかし、この素晴らしい、プライスレスな滞在中に、ひとつだけ辛い事実を知ることにもなった。
その3で「持ち帰り専用のペストリーショップの皆さんとは既に顔馴染み」と書いたが、昨年春の緊急事態宣言以降お目にかかることのできなかった皆さんと凡そ1年ぶりに再会できることも、密かに、否、とても楽しみにしていた。
チェックインして部屋に荷物が届くやいなやペストリーショップに行くと、スタッフさんおひとりが店頭に立っていらっしゃった。お互いマスクで顔の半分がわからない状態だったが、すぐに「あーーーー!!お久しぶりですーーー!」。
こうして懐かしい方おひとり目と再開を果たすことができたのだが、直後、その方の(上半分の)顔が少しだけ・・・気づかれぬよう堪えていらしたが・・・曇ったことに私達夫婦は気づいてしまった。
「実は・・・一緒に仲良くさせていただいたスタッフの○○は、昨年6月の、当ホテルが一時休業した直後に退職したのです。」「あのような状況で退職のご挨拶もできず、残念がっていました。」
・・・そうであったか。タイミングから考えて、そして今こうして向かい合っている方が見せる(なんともいえない)表情からして、退職されたのは、その方にとってまさに苦渋の決断であったのだろうことは想像に難くないし、ひょっとすると、目の前のこの方も、苦渋の決断によりホテルに残られたのかもしれない。
前の投稿で「一介の身勝手な消費者である私にとっては『お得』な、実に嬉しい事態」と書いたが、ホテル業界、ホテルの苦境は、そこで働く従業員の皆さんの苦境でもある。なんと浅はかだったことか。本当に身勝手であったことをこの瞬間に自ら思い知ることとなった。
「・・・」
かける言葉を見つけられずにいた私達に、その方が続けてこうお話しして下さった。
「○○は元気で、連絡も取れますので、△△さま(私達夫婦のこと)がいらしたことを伝えておきますね。」
この言葉は私にとって救いであった。お互い元気でいれば、このコロナ禍が過ぎたのちに、またどこかでお会いできることもあるだろう。そう気持ちを切り替え、「これからは、またちょくちょく来ます。」と夫婦でペストリーショップをあとにした。
・・・
実は、ペストリーショップをあとにしたその足で、近くにあるショッピングセンターに行き、なかにあるユニクロで、ユニクロ+J祭りの陰で前代未聞のあり得ない価格にまで値下がったユニクロUのアウターやカットソーを、ショッピングセンターで配っていたクーポンを使って更に安くして大量買いするという・・・何と業が深いことか。自分自身でも呆れてしまうほどだ。
ユニクロ+Jを買うことも、地元のヒルトンホテルに泊まることも、もっというとアメリカン・エキスプレスに入会することも、要でもなく急でもなく。つまり不要不急の行為であろう。私の長年の友人である某医師は、ずっと現場で戦っている。
その一方で「経済を回さなければならない」という意見があることも知っている。何と言っても、ついさっきその現実に触れたばかりだ。
それに、どちらを採るにせよ、私の行動、回せるお金など全体から見れば砂粒以下。どうにもこうにも、私には難しすぎる問題・・・言い訳すると答えの無い問題なのかもしれないとも思うが、だからと言って黙ってスルーして良い問題でもない。
・・・
ならば踠いてみるしかない。ここで、私でもできることをひとつ実践してみることにした。
実はチェックインして部屋に入ってしばらくして、設置してある空気清浄機から近づいて匂うと卒倒しそうになるくらいの臭気が吐出されているのに気がついた。恐らくは定期フィルター洗い・交換をしていないのだろう。すぐにスイッチを切り、そしてカスタマーサービスに内線をかけ、猛烈に匂う事と共に、翌日の部屋清掃時で構わないので空気清浄機フィルターの点検と必要に応じて交換またはクリーニングをして欲しいと依頼した。
翌朝のこと、客室清掃の責任者と思わしき方が部屋にいらして、丁寧な詫びと共に、今日の部屋清掃時に責任を持って対応することを約束し戻っていかれた。
・・・
1時間ほどの外出から部屋に戻ると、部屋清掃が終わっていた。
さっそく空気清浄機に鼻を近づけてみると、全くもって何も臭わない。むしろ爽やかな感じもするくらい。完璧だった。
すぐにカスタマーサービスに内線をかけた。
「昨夜、空気清浄機のことで依頼をした者ですが、約束通り完璧に良くしていただきました。それで責任者の方や担当された皆様にぜひお礼を伝えたくて内線をかけました。本当にありがとうございました。皆様によろしくお伝えいただけないですか。」
「プライスレス」なひとときをいただいたヒルトンホテル、ヒルトンホテルの皆さんに、私からも「プライスレスな何か」、つまり「作業が完璧だったというフィードバック。そして、それに対する私の心からの感謝の言葉」をお贈りすることを思いついたのである。
電話口の方には伝えることを快諾いただけた。本当は廊下で皆さんとすれ違えたら、その場で直接お礼を言おうとも思っていたのだが、残念ながらそのチャンスは訪れなかった。電話口の方には仕事を増やしてしまい申し訳ないが、ちゃんと伝えて下さるはずだ。
後になってから妻に当時の私の心境を話したのだが、「本当に『フィードバックはギフト』よね」と笑顔で返してくれた。妻のこの笑顔もまた、私にとってフィードバックであり、プライスレスなギフトであった。
「アメリカン・エキスプレスのヒルトン・オナーズ・カード」をテーマにした当ブログ・noteで、マスターカードのキャッチコピー「プライスレス」を激推しするのもどうかとは思いつつ翌日に続く。(たぶん)
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