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空雨傘と仮説思考

東京コミュ塾の塾生のKUROです。

東京コミュ塾のプライベートレッスンで次のことを相談しました。
「会議で討論にならずに口論になってしまう」

JIN先生から提案の型である空雨傘と仮説思考を教えて頂きました。

■空雨傘

空雨傘は問題解決方法の提案等で使われるフレームワークです。
フレームワークに沿ってストーリーを作り、提案します。
空:事実
雨:解釈
傘:提案

<よくある失敗例>
例えば、ここ数年で作業工数が減少しているから人員削減を迫られそうだがどうすればよいかと会議で意見を求められたとします。

<会議で起きること>
出席者が各々の意見を言い始めます。⇒ 自分と違う意見を持った参加者の反対意見を言います。 ⇒ 口論となります。 ⇒ 何も決まらずに会議の時間が終了します。 ⇒ 険悪なムードが漂います。

何故口論となってしまうのかは、出席者が描いていたストーリを空雨傘のフレームワークに当てはめてみると理解できます。

【Aさんの考え】
 空:私たちの改善で作業工数は減った
 雨:私たちのレベルが年々向上している。ノウハウも蓄積されている
 傘:レベルの高さを客先にアピールしよう

 ↑のように考えているので、
 レベルの高さやノウハウなどの目に見えない定性的な事実を集めよう
 と切り出します。

【Bさんの考え】
 空:確かに作業工数が年々減少している
 雨:このままでは余剰人員がでる
 傘:減った分を補うために新たな作業を考えて客先に提案しよう。

 ↑のように考えているので
 どれだけ作業量が減ったのか定量的な事実を集めようと切り出します。

AさんとBさんでは集めたい事実が異なります。何でそんな事実を集めようと言い出すのかをお互い理解しあえませんので、口論となります。

<何故、お互いが違う考えになるのか?>
それは、仮説思考で説明することができます。

■仮説思考

仮説思考とは現状持っている情報やこれまでの経験や知識から仮の結論(仮説)を考える思考方法です。
※補足
経験がなくても「思いをはりめぐらせること」や「最近の傾向をつかむこと」で経験不足をカバーすることができます。

関係者が多い場合、各々の経験や知識が異なるので、複数の仮説が立てられる可能性があります。

複数の仮説を立てることはとても重要だと思います。なぜならば、複数の仮説から一番よいストーリーを選択することができるからです。

しかし、各々の仮説を認識合わせしないと、先ほどの例のようにAさんやBさんが自分と同じ結論に向かっているはずと思い違いをしている中で、会議が始まるので議論にならずに口論になってしまいます。

■プライベートレッスンで得たこと

・個人の経験や知識や情報量によって仮説が異なること
 →つまり全員が同じことを考えていない
・どんな事実が必要なのかが仮説によって決まること
・ビジネスにおいて答えは1つではないこと

■プレゼンテーション

<ホワイトボード>
提案の型
 空:事実、データ、情報、グラフ
 雨:自分の解釈
 傘:提案

仮説思考
 3+4=? → データや事実から何を伝えたいかを導く
 ○+△=7 → 伝えたいことを導くためにデータや事実を集める

<内容>
本日お伝えしたいテーマは、提案の型です。

ビジネスパーソンとして会社、上司、お客さんに提案することがありますよね。そういった時に使う提案の型の中に空雨傘というフレームワークがあるのでお伝えします。

別名、天気予報の型と言われていますので、天気予報を例に説明します。

3流の天気予報士。こんな天気予報士がいたら嫌だ。を例にやってみます。

皆さん。おはようございます。今日の天気は曇りです。
お昼から夕方にかけてどんどん雲が増えていきます。
それでは皆さん行ってらっしゃい。

というふうに言われたら。いやいやいや、どうしたらいいの?
雨降るの降らないのと思いますよね。これは事実だけを述べている。
提案するのであれば、事実だけでは足りないです。

2流の天気予報士。こんな天気予報士がいたら嫌だ。を例にやってみます。

皆さん。おはようございます。今日の天気は曇りです。
お昼から夕方にかけてどんどん雲が増えていきます。
雨が降る確率は50%です。
それでは皆さん行ってらっしゃい。

これでも足りないですよね。
雨が降る確率50%と天気予報士の解釈を述べているので3流よりはマシですでれども、じゃあどうすればいいの?となりますよね。

1流の天気予報士を例にやってみます。

皆さん。おはようございます。今日の天気は曇りです。
お昼から夕方にかけてどんどん雲が増えていきます。
雨が降る確率は50%です。
我々からの提案は「お出かけの際は小さな折りたたみ傘をカバンにいれてください。」です。
それでは皆さん行ってらっしゃい。

天気予報では傘をもっていくのかどうかといことを提案してくれないと、
視聴者はどう行動していいか分からないですよね。

この型をビジネスの提案書にも入れていってもらいたいです。

グラフばかり提案書にいれて上司に見せる。上司は時間もないし、そもそもグラフを見て何を考えればいいの?となりますよね。

ではどうすればいいかというと。まず、グラフからこういうことが言えるんですと、自分の解釈をいれてください。

次に、自分の解釈からはこういうことが言えるので、私の提案としては、こうしたらいいと思います。ご検討のほどよろしくお願いします。

と言う流れで提案書を書いて上司に提案してください。

事実、解釈、提案を分けて伝える。ということが大事です。これが提案の型です。

もう一つ重要な考え方を伝えします。それが仮説思考です。
自分で仮説を立てて、立証するためのデータを集めていくという考え方です。

我々日本人が陥りがちな失敗は、たくさんのデータを集めてそこから何が言えるのかを考えることです。海外はこれと反対の考え方です。

例えば計算問題。
日本では3+4=□というように、足し算した結果を求める問題がほとんどです。
海外では○+△=7というように、足し算した結果が与えられていてどんな数字をもってきたいいのかという問題をときます。

ビジネスでも自分が言いたい答えがある。つまり提案があります。
グラフやデータを集めてきてそれで何を伝えたいのか。を考えるのではなくまず初めに何を伝えたいのかということを考えてください。
それを立証するために必要なデータやグラフを集めてくる。という仕事の進め方をしてください。

というわけで、提案の型と仮説思考をお伝えしました。
是非、ビジネスに活用してください。

以上、ご清聴頂きましてありがとうございました。