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「夢を与える」綿矢りさの芸能界おとぎ話

 「夢を与える」が綿矢りさの最初の長編で三作目だった。サクッと要約すれば夕子というタレントを目指している少女の生まれる前から18歳までの人生の話をする小説だ。夕子が子供の時から歩んでいる道をこの本に丁寧に記されているのだが、最初のページからこの物語との距離がちゃんと感じられる。おとぎ話のように主人公と他のキャラクターの思っていることややっていることが把握できるが、あまり主人公と親しくならなくこの小説が芸能界にある危険性に関する警告だけになってしまう。個人的にこの話の方針と警告

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