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第1子出産後に訪れた、2人目の呪い

「ご報告があります。この度...」
twitterに流れるこの言葉に、第二子の妊娠報告ではないかと怯えるようになったのはいつからだろう。

2019年4月、息子が生まれた。もうすぐ1歳4ヶ月になろうとしている。

育休中のため、育児の孤独から逃れたくて始めたママ専用のtwitter。
息子と近い月齢の子供を持つママ達をフォローしまくり、
おすすめのおもちゃや遊び方、離乳食のことなどとにかく育児情報を集め、
実際には会ったことのない、twitter上のママ友達とやり取りをした。

息子がそろそろ1歳になろうかという頃、ふと気付いた。
妊娠検査薬が陽性を示している写真が、よくtwitterのフィードに流れてくることに。そしてこんな感じの文章が添えられている。

「ご報告があります。この度、第2子を授かりました。現在は悪阻が始まったところです。」

我が家は夫婦揃って子供は1人だと話していたため、しょっちゅう流れてくる第二子妊娠報告に頭を不意打ちで殴られたような感覚に陥った。
私は息子と月齢が近いママしかフォローしていないので、必然的にそんなツイートをするママ達の子供もやっと1歳になる頃。ということは、年子?

息子は家中を動き回るようになり、オムツ替えや洋服を変えるだけでも逃げ出す息子を追いかける日々。
自我も芽生えてきている。自我があるゆえに、気に入らないことがあると泣いて怒り、暴れたついでに蹴られることもある。しかも手加減がないので超痛い。
こんな状況の中で、妊婦になるって???
私には信じられなかった。


私たち夫婦が、子供は1人と決めた理由は4つある。
(これから気持ちが変わることは、あるかもしれないけれど。)

1. 夫との二人三脚
私の両親・義両親共に遠方に住んでおり、更にどちらの両親も高齢であるため、頼ることはできない。私の母に至っては持病もあり、かなりの変わり者である。更に父親は70歳を過ぎているが今も現役で働いており、自分の子供はおろか、孫になど全く興味がない。なので、私の両親には尚更頼ることはできない。
つまり、私と夫はお互い以外に子育てて気軽に頼れる身内はなく、二人三脚の子育てなのである。息子1人を2人で育てることに精一杯の今、2人目を考える余裕がない。

2. 兄弟差別
私は5人兄弟の末っ子として生まれた。姉が2人、兄が2人おり、父親のひいきを間近で見てきた。父はとにかく次女(私は三女)がお気に入りだったようだ。幼い頃、私にはその自覚がまるでなかったが、母や姉や兄、とにかく家族全員が「父親は次女がとにかくお気に入りだ」と口を揃えて言うので、そう自覚した。親も人間だから例え自分の子でも、こっちの子の方が性格が合うとか、見た目の好みとかも出てきてしまうのではないか。私も父親と同じように、ひいきをしてしまうのではないか。と、子供が2人いた場合に差別してしまうことへの不安が拭えないでいる。

3.  経済的理由
我が家は息子が私のお腹の中にいる時にマンションを購入した。
マンション購入時、ファイナンシャルプランナーにローン返済を含めた今後のライフプランを相談し、子供の学校について、小中は公立へ通わせるつもりだと伝えた。
すると、担当者はこう言った。
「現在住んでおられる土地柄、私立の学校へ通わせる親御さんが多いと思います。せめて中学からは私立へ通わせるつもりでいた方がいいかもしれません。」
そうであれば、中学からは私立へ通わせる試算でお願いします。
夫はそう伝え、その日の帰り道、私立へ通わせるのであれば、子供は1人だね、という話になった。
(今でこそ都心に住んでいるが、大学進学のため上京するまでは、エレベーターのある建物なんて見渡す限り全くない程の田舎に住んでいたため、東京の土地柄など全く分かっていなかった。)

4. 信頼の厚い夫の「子供は1人」という意見
経済的理由に続いて、大きな理由の1つはこれだと思う。
夫は非常に賢く、お金に関しては特に現実主義である。その夫が計算し、息子を私立の中学校へ行かせ、国内外の旅行に年に1回は行き、息子のやりたい事はやらせた場合、どう考えても子供は1人だと言う。
私は夫に絶大なる信頼を置いているので、夫の発言に対し、「私は子供は2人欲しい!」と強く言える意思があるのかと、自問自答する。今のところは、そこまでの強い意志はないのである。


以上4つの「子供は1人」の明確な理由が自分の中にあるにも関わらず、私はずっとtwitter上の「ご報告」に怯えている。
羨ましい、妬ましい、というようなどす黒い感情が、深層心理にあるのだろうか。多分、夫婦共に「いつかは・・・」と思っているなら、こんな感情は生まれていないのではないか。

ただ思うのは、私はそんなに子供が好きなんだっけ?それに、妊娠中は体調不良ばかりだったではないか。twitterの第二子妊娠報告のブームに乗せられて妊娠した結果、私たち、そして子供達はどうなるのだろう?
そもそも、第二子を妊娠した人たちの中で、経済的な計算をした人達は、一体どれくらいいるのだろう。

私たち夫婦のように、子供は1人と決めている人達は世の中にどのくらいいるのか気になってしまう。そしてどうしてそう決めているのだろうか。

子供を2人持とう、そう夫婦で会話する未来が全くない訳ではないが、現時点では夫婦共にそんな話をしている図が見えないでいる。
一体私はいつまで、「ご報告」に怯え、妬ましく思い続けるのだろうか。

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