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2023年2月 高知・牧野植物園

北川村を後に、太平洋沿いの国道へ出て、目指したのは高知県立牧野植物園。高知県は、かの牧野冨太郎先生の故郷。その業績をわかりやすく展示し、何千種類もの植物が観察できる施設。
昨日、素通りした見晴らしのいい赤野休憩所で一休み。宿を出る時は寒くて驚いたが、海辺へ来ると気温は一気に15℃近くまで上昇。

琴ヶ浜の砂浜。海上には漁船が2艘ずつ組んで漁をしていた。ドロメ漁かなあ。
この地出身の弘田龍太郎作詞の童謡、雨の歌碑。
碑に刻まれた歌詞は、サリドマイド障害で両手を失った女性が足指で書かれたという。

さて、高知市内に入り、ぐるり回り込むようにして最後は一方通行の狭い山道を登って、牧野植物園に到着。来春、放映される朝ドラ「らんまん」のモデルが牧野冨太郎とあって、すでに大盛り上がり。駐車場も拡張工事中だった。
まずは、温室で開催されているラン展へ。平日午前中というのに大勢の人が来ている。

まずは、牧野博士の実物大写真に迎えられて園内へ。
熱帯植物が生い茂る中に様々多種多様なランが配置されている。

ランの種類が多くて、もう目が回りそう。品種名も分かる範囲で記していくが、分からなくなったものはご勘弁。

アンデス山脈の高地に分布する着生蘭。牧野博士は、初日ノ出蘭、と名付けた。
あまりランらしからぬ形の花びら。名称不明。コクシネア、というのかしら。

目の前だけでなく、頭の上にもランがいっぱい。

ランのシャワーを浴びているみたい。
純白がまぶしい。シンビジウムの1種かなあ。
不思議なだんだら模様が目を惹く。尖閣蘭、でしょうかねえ。
ファノレプシス・アンボイネンシス。インドネシア、モルッカ諸島に分布、と説明書き。
まるでライトのように中心が光って見えた。
鮮やかな黄色。オドントグロッサム、彗星蘭の仲間かしら。アンデス原産。
パフィオペディルム・インシグネ。牧野博士は「常盤蘭」と名付けた。

いやあ、本当に種類が多すぎて、しかも蘭に見えないようなものもあって、ついていけない。

デンドロビウム・ククメリヌム。
牧野博士はキュウリのようなイボがあることから、瓜石斛(うりせきこく)と名付けた。
こちらはセロジネと呼ばれる仲間ですね、きっと。
シンビジウムの仲間は品種が多すぎて詳細は分からず。
これはランではないかも。リプサリウスのフロストシュガーというのに似ている気がする。
これもアンデス山脈高地に自生するというマスデバリア。奇妙な形をしていますなあ。
不思議な花。デンドロビューム・ラシアンテラに一番似ている気がする。
もし、そうならば、パプアニューギニア産で、セッコクの仲間らしい。
レブンアツモリソウのような形をした花。前掲のパフィオペディラムとも近い。
調べると、なんと関西パフィオペディラム同好会なる組織もあるようだ。
これも上記と同じ仲間。パティオペディラム・スピセリアナム、というらしいが。

不思議の極致がこちら。なんじゃ、これは。仮面かいな。

アリストロキア・サルバドレンシス。南米の熱帯雨林に自生するそうな。
顔に見える部分は萼だそうです。目玉のような白い穴から虫が入り受粉するという。

いやあ、すっかり時間を費やしてしまった。もっと写真はあるので、さらにはこちらから。

温室の出口付近。この先にショップもあり、鉢植えのランを売っていた。
高いものは1万円超え。安くても2、3000円。やっぱりランは高いなあ。

温室があるのは広い広い植物園の南側。ぶらり歩くと、銅像。

もちろん牧野博士の銅像。
リュウキュウアセビが咲いていた。

さらに、土佐寒蘭センター。花期は終わっているが寄ってみた。

右側が土佐寒蘭や春寒蘭、報歳蘭などの鉢。
一条の誉、という春寒蘭。

園内北部へ向かう。

スミレも咲いていた。

牧野冨太郎記念館展示館、円形の建物。年表や昔の写真などが展示されているが、ご本人の写真、時々、おどけたお顔もあってお茶目。

晩年の仕事部屋を再現したコーナー。

記念館を出ると、おお、バイカオウレンが咲いていた。いいねえ。実は牧野博士の故郷、佐川町では、つい数日前までバイカオウレン祭りが行われていたのだ。見事な群生地があるらしい。行けなくて残念だなあとJさんと話していたので、こちらでお目にかかれてとても嬉しかった。

バイカオウレン。歩道から撮影するしかないのでマクロでは撮れなかった。
入口近くの記念館本館も展示館同様、円い建物。

さて、出口が見えた。ふと、足下を見れば、イチゲっぽい白い花。

初めて見た。ユキワリイチゲ。品があって好ましい。

興奮の連続のうちに植物園を後にした。レンタカーを返し、高知龍馬空港でランチ。

1ドリンク付きの土佐三昧セット。下の小鉢はカツオしぐれ煮、クジラすじ煮。
上の小鉢はドロメ。ヌックスキッチンのオムレツにはかなわない。



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