見出し画像

2022年11月 山形の自家製ハム名店へ

肘折温泉で3泊の本読み湯治を終えて、山形市へ向かう。来る時にも立ち寄った村山駅近くの自家焙煎コーヒーの店、ばいせんはうすNISHIへ再び寄った。

NISHIはご自宅の横にこぢんまりした店舗を設けておられる。
ご主人はコーヒーのことを丁寧にレクチャーしてくれる。
こちらはコーヒー豆の味のマトリクス。

昨日焙煎したというブナブナを購入。65歳以上だと割引きしてくれるのも嬉しい。もちろん、1杯ずつ店内でもいただく。

コーヒー豆を買ったら、おまけで芳香用挽き豆をくれた。
すごくいい香りで、車の中が芳しいコーヒーの匂いで溢れた。

NISHIの店内に置いてあった山形そば街道のパンフで見つけた後楽園そばへ向かう。碁点温泉入口にあった。昼時のため混んでるかなと思ったが、暖簾が出ていない。店の中の電気はついている。のぞくと営業中。

入店後、かけられた暖簾はボロボロだった。先客1名のみ。
メニュー。おめあては二刀流冷、我々はもちろん並で。
9番のおたのしみ?が気になるなあ。
蕎麦の上に載っているのは若鶏、小鉢に入っているのは親鶏。二刀流の訳。
いわゆる肉そばだが、これでもかというぐらいキンキンに冷たかった。
蕎麦は新蕎麦ならではの旨さ。後で美味しいリンゴを2切れ出してくれた。

女将さんがクジをひくようにと箱を持ってきた。どちらも当たりで、乾蕎麦麺とそばの種。

そばの種はプランターに撒いて、芽が出たらそれを食べるのだそうな。

さらに買い物立ち寄り。6月に蔵王へ来た時にも寄った酒屋源八。

今回もあれこれ買い物をしてしまった。上喜元の純米大吟うすにごり、山形産の白ワイン、
限定発売の某イモ焼酎(お1人様1本限り)、三河みりん、ウスターソース。
ふふふふ。車で来ると荷物の心配しなくていいからありがたい。

山形県立博物館には6月にも来たが、開催中の女神達の饗宴という特別展を見たくて再訪。

何度見てもいいねえ。縄文の女神。国宝に指定されて10年。それを記念して特別展開催中。
展示されているのは複製ではなく本物。それを360度、全周囲から見ることができる。
西ノ前遺跡から発掘されたのは30年前、6mの範囲の中から5つの部位で発見された。
立像土偶としては日本一大型で45㎝。スリムな体型が美しいが、妊婦像という。
特別展会場は撮影禁止だった。展示されていたのは、国内の5つの国宝土偶。複製。
6月にも見た八戸の合掌土偶、茅野市の縄文のビーナス、仮面の女神、さらに、
函館の中空土偶茅空。それと縄文の女神。うーん、函館周辺へ行かねばなるまい。
博物館周辺は紅葉の真っ盛りだった。

この日の宿は山形駅近くの山形国際ホテル。こちらも全国旅行支援で割引きと地域クーポンを2人で6000円分もらう。まだ肘折でもらったクーポン2000円分も残っているので、駅内のエスパルに出かけて、主にカミさんのほしい物をあれこれ購入した。こっちは酒屋源八で酒をあれこれ買っているのでここは身を引かねばならない。
ホテルの部屋で今日から始まった大相撲を見て、18時前にタクシーで、予約してある今夜の食事場所へ向かった。6月に予約しようとしてできなかった人気レストラン、イル・コテキーノ。1ヵ月前に電話して、なんとか予約することができたのだ。10分前に着いたが、まだ開店していない。先客も手持ち無沙汰そうに待っている。続々、タクシーが到着する。わお、すげえ人気だわ。

店の前にはハーブ類が鉢植えでたくさん置いてあった。両脇には大型業務用冷蔵庫。

やがて開店し、順番に席へ案内された。我々の席は、大型冷蔵庫の前、ものすごい数のハム類が吊り下げられている。カウンターの向こうにはスライサーでハムを切るシェフの姿も。おお、特等席。後で女性スタッフが、電話予約の時にやっと予約できたと喜んでおられたのでこちらの席を用意しておきました、と言ってくれたのは嬉しかった。

形の異なるハム類が何種類あるのだろうか。ピクルスも各種多数の瓶。

食前酒は、グラススパークリングワインを。店内は次第に席が埋まり、賑やかになってきた。やがて、前菜プレートが運ばれた。若い男の子が説明してくれるが、必死になって暗記した台詞を棒読みしてる感じで聴き取りにくい箇所もあるが、まあご愛敬。飲み物はハウスワインの赤を500mlのカラフェで。うーん、前菜からもう歓喜状態。

左上から時計回りで、パプリカパテでサンドイッチしたカレーパテのバルサミコ酢添え、自家製ピクルス各種、自家製ブリオッシュに鶏レバソーセージ、リンゴゼリーにリンゴ酢泡載せバジルソース添え、トマトエキス飲むヨーグルトにバタフライピー泡、自家製サブレにソーセージその間にゴーヤ辛子。

そして、おまちかねの本日のハム盛合せ。凄い。圧倒される。

加熱系ハム8種類、非加熱系ハム7種類。こんなの初めて見た。
食べると、初めての味わいの続出。思わず笑みがこぼれる。
詳細な解説書がすべてのお客に手渡される。

いやあまいりました。素人ながら自分でも長年燻製作りをしてきたが、プロの技とはこういうものかとノックアウトされた。まず塩分。抜き過ぎと違うかというほどしっかり塩味を抜いてある。すると、肉の旨味がダイレクトに伝わってくるのだ。そしてそのバリエーション。

こちらはイカスミを練り込んである。なーるほど。他にも、ターメリックや岩海苔、
山椒、フェンネルシードなど個性的な味付けが様々に工夫されていて、次々と舌が喜ぶ。

たっぷりの野菜が運ばれ、バーニャカウダ。脇のイタリア風オムレツには野菜がたくさん入っていてハムと一緒に召し上がれと。

野菜もどれもこれも新鮮で美味しかった。イタリア風オムレツは初めての味わい。
一度焼いた野菜を卵と一緒に焼いているのかしら。
ハウスワインは500mlで2400円と良心的価格だが、とても美味しかった。
ワインセラーには酒屋源八から納められた海外国内の各種ワインが置かれているはず。

けっこう長い時間をかけてハムを楽しむと、さて次のお皿が運ばれた。ニョッコ・フリットという揚げパンにいろいろなハムが巻いてある。

右から、ランプ生ハムとリコッタのようなチーズ、ラルドという脂身の生ハム、
緑色のキューブはワサビ、左端は黒ゴマと生姜を混ぜたハムでスプーンの
メイプル黒糖を載せていただく。

飲み過ぎないように、ワインを飲むペースをぐっと堪えて。次はパスタで、選択する。2人同じものを選ぶようにと。見慣れないショートパスタ、自家製ズィーティのフレッシュトマトソースをチョイス。

けっこう太めの麺だった。ショートという割には長め。食べるとモチモチで、
少しうどんっぽい感じもする。へええ、初体験。
取り皿は、事前に熱々の皿に交換してくれた。

カウンターの向こうで一心不乱に作業をしているシェフはかなりの職人気質のようで、食事の最中、突然若いスタッフを叱責する怒声が響き渡り、びっくりした。
後ろのテーブルの若いカップルは列車の時間でもあるのか、早め進行にして、20時過ぎに会計を済ませて出て行った。
さて、最後はデザート。ここで不思議な事が起きた。当然、飲み物を聞いてくれると思って待ち構えたが、聞いてくれない。それどころか、デザートが終わったら会計をするテーブルがちらほら。しょうがないので、コーヒーを注文したら、少し時間がかかりますけどいいですかと確認されてから注文を受けてくれた。どうやらコーヒーはコースに含まれないようだ。何でか分からなかった。出してもらえたコーヒーは普通に美味しかった。

プリンに添えられた棒状のものは柚子の皮、
右はスイカアイスにミントクリームをトッピングしてある。

いやあ、期待をはるかに大きく上回る内容だった。お勘定は実にリーズナブル。コースそのものは5000円もしない。600円のチャージが付くだけ。あとは飲み物代。こんな素敵なお店が近くにあったら通い詰めるねえ。山形の人が羨ましい。駅そばにはアルケッチァーノもあるし、いいなあ山形。
翌日は自宅に帰るだけ。ずっと高速道路。安達太良SAで休憩したら、なぜかウルトラマンがいた。こりゃ、旅の締めくくりもいいぞ。

この前4歳になったばかりの孫はウルトラマンが大好き。こんなの見たら興奮するだろうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?